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K−9BOND
バースアンソロジー人外verの分冊版、センチネルバースは他に単行本を1冊読んだだけの入門読者ですが早くも興味が湧いています。
ストーリーに設定の説明が上手く組み込まれ、センチネルとガイドの特徴とそれぞれの役割、細かい部分は除かれ(シールドとか)関係性がメインに描かれている、読み切り短編なので初めて読む人でも解りやすくこの世界観に触れる事が出来ると思います。
お話自体はバース部分を除けば王道な感じ、小難しい話にしない事でバース設定にも集中しやすいかもしれない。
センチネルのノア(攻)は昔助けて貰った名前も知らないガイドが忘れられない、時を経て自分も入隊し願わくは彼とバディになりたいけれど、実際にバディを組まされた相手はハイエナと呼ばれる要注意ガイドのギル(受)で…「あの人がこの”ハイエナ”なわけがない」。
…まぁ助けてくれたガイドの正体はすぐに解ります、BLにおける「〇〇なわけがない」は大体「〇〇である」の意味だもんね。
ギルは一見ヘラヘラしているように見えて、その笑顔を絶やさないのは、如何なる時にも弱い自分を見せない強いメンタルを持っているからのように見えました、その中の微かな感情の変化にもノアは気付く、ここにセンチネルの特性がよく活かされていると思いました。
あらすじにもカップリング表記があるし、ストーリー中にも「誰でも股を開く」と言う噂で出て来るけれども、それでもこの表紙とストーリー展開からギルが受けなのが意外に感じてそこが良さでもあります。
尻軽な理由にも納得、最初戸惑っていたノアが独占欲を発揮して、ちょっとキレ気味に力強く攻めるのもギャップがあって良かったです。
過去から今まで繋がる真実と想い、バディとして共に歩み危険を乗り越えて絆を深め、互いを守り合う関係に変わっていく、バース設定を活かしたストーリーが程よいエロと両立され、短編の中に上手くまとまっていると思いました。
ちょっと余談だけれども、私はバース系ではセンチネルバースが一番苦手要素が少なそうで読みやすいかも?
もう少し普及して欲しいけれど、能力を使う関係上日常モノや恋愛だけが主体の話には向かなさそうですし、描き手読み手が限定されて広まり難いのかな?という印象です。