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ryuusei to manatsu no Cristmas
画像が表示されないなんて哀しい(涙)ですが、古いから仕方ないですね。『桜並木袋小路』と併せた方に出てる画像と同じです!
初期の作品で、『ホライズン』系統のテーマが中心に据えられています。「愛」とは何か、当時の女性が持っていだのであろう疑問を、美青年に仮託して、美しくも儚く描き出した初期の傑作の内の一つです。この流れが『ホライズン』へ流れていったのかと思い、感慨深かったです。
舞台も現代の高校で、登場人物も等身大の男の子なので、やはりその割にはテーマが重いなぁと感じてしまったのですが、上手く纏められていました。存在の不安と孤独からの救いを、愛に求めるセイは、太陽のように自分を愛するマカに惹かれますが、「愛」の本質に厳しくなる余り、マカに対して素直になれません。でも、マカの為には自己を犠牲にさえしようとします。もはや近代文学ですね。キリスト教的「愛」観念は、藤さん作品に一貫しているテーマでもあります。
「愛」とは何か。作者の思索と探求がそのまま伝わってきます。
最近のBLとは違い、同性を愛することに禁忌的な雰囲気が流れていた時代の作品ですので、その背徳感の中に漂う儚さと美しさが佳(よ)し。少女漫画の影響をやや引き摺っているのは、時代ですので仕方ないとして、こう言う葛藤が下敷きにあって、今の多彩なBLが花開いているのだなぁと実感。BL史として読んでも面白いだろう一冊です。藤たまきさんの作品を年代順に読むだけで、変化が分かるので面白いですね。女性は「女であること」の葛藤から脱して、「男を見る」女へと立場を変えたのだなぁと、しみじみです。悩みは深くなったけれど、女性は強くなったんですね。精神的に成長したのだと思います。
『暗闇のランプ』『11月のペイルペーゼ』『恋しかるべき十六夜の君』『リメンバーサプライ』『ザ・グリーン・プレイヤーズ』『シンギンク・オブ・ザ・デザート』の短編が収録されています。こちらはメルヘンチック、ロマンチックな藤たまきワールド全開で、幻想的な短編です。短編集としては『桜並木袋小路』の方が完成度は高いですが、これも佳し!藤たまきさんは、短編もとてもいいですね!『ザ・グリーン・プレイヤーズ』の観葉植物の擬人化が、結構ツボにはまりました♥
◾︎流星と真夏のクリスマス
なかなかにグロいシーンもあるけれど、どうも藤たまき先生の繊細な絵とキラキラした雰囲気に流されて大団円のような気分になる。若さで溢れている。いいのかな、これで…と青春から遠く離れた自分は思ってしまう。山口も大人だよな〜。あれで焦ってるけど冷静な山口、付き合うなら彼。
◾︎11月のペイルベーゼ
藤たまき先生のモノローグで物語が進行していく作品、詩的で大変好き。短かさを武器にできる作家さんはすごい。
◾︎恋しかるべき十六夜の君
大人には大人びてるって使わないのよ。子供だから大人びてるなのよ。って気持ちに、先生の作品を読んでいるとなる。君らはまだ子供なのよ。
◾︎リメンバーサプライ
長く付き合った2人のこういう話にとっても弱い。2人がすごく大人で、あるいは片方にとっても包容力があって全てを受け止めてくれるスパダリ漫画もいいけれど、幻想ですから。幻想を読む楽しさもあり、こういうどうしようとなく流れる美しい涙を見たくなるときもあり。
萌2〜神