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kazarimado
ちるちるさんが先日アップされた「ランダム攻め×固定受け漫画3選」の記事で興味を惹かれて購入しました。
紙本はすでに絶版のようですが、電子本ならebjで買うことができます。自家出版なのかな?300円とお安いです。
舞台はロンドン。80£で一夜を売る美しい男娼の物語。
“身体”ではなく、“一夜を売る”という表現が美しいですが、読むとこれが非常にしっくりときます。
「飾り窓」の意味合いは日本の遊廓でいうところの「張見世」といったところでしょうか。
6人の客が順に登場するのですが、まず最初に登場する客が・・・ワニ!
なかなかのインパクトで始まる物語ですが、こちらのお話で心をやさしくクリーニングしてもらったところで・・・
2人目以降、かなしみを背負った美しい男たちが続々と登場します。
金では手に入らないものが欲しかったジゴロの心
アンチ・クライストを貫き通せないミュージシャンの心
160£で買う一夜が必要だったクリスチャンの少年の心
愚かな恋人が差し出した札束の山に怒った男の心
化粧を落とせなくなってしまったピエロの心
彼らの心はみな泣いているのだ、と思いました。
晴れやかな「翌朝」が欲しくて、彼らは80£を出して夜を買いに来る。泣きながら。
80£を払えば入れるそこは拒まれない。傷付いた魂にとってやさしい場所。
作中で男娼が言う「(客を)選ばない」が意味するところは、きっとそんな暗喩でもあるのでしょうね。
男娼がジゴロのルイにあげる言葉が好きです。
「ルイ… お金でしか手に入らないものもあるよ」
じっとりと暗く、その暗さがとても美しい世界でした。
世代だからというのもあるでしょうが、90年代作品特有の暗さはどこか心地よさを感じます。
ちるちるさん、素敵な作品のご紹介ありがとうございました。
本シリーズは「窓辺の男」「青い夜明け」と続くようですが、「窓辺の男」は現時点で電子化されておりません。「青い夜明け」は本作同様、ebjで取り扱いありです。
いつも男娼のそばにいるサングラスの彼が気になったら、ぜひ3冊目の「青い夜明け」へ!
私もみみみ。さんと同じく「ランダム攻め×固定受け漫画3選」で興味を惹かれて、ebjで試し読みして購入したクチです。
飾り窓に佇んで客を呼び、一晩80ポンドで春を売る男娼が主人公のお話です。
ebjではまるまる一話、ワニ(!)がお客さんとしてやってくる話が読めるんですが、これでガツンとやられました。
試し読みして、これは!!と思った方は、買いましょう。
一話目は良かったのに、あとは……なんてことはなく、私はどの話も甲乙つけがたく好きです。
男娼はいろんな哀しみを抱えてやってくる客に抱かれるのだけど、抱かれるというよりも全身全霊で彼らを包み込んであげているといった感じなんですよ。聖母マリア様感というのかなぁ。
彼らに抱かれることによって、彼らを癒し、赦してる……みたいな。
【Louis】数多の女を泣かせてきたジゴロのルイ。心の底から愛せる女を見つけてストリートから出ていったはずの彼が……。
金ではなく愛する女の心が欲しかったと涙にくれるルイに対して、「お金でしか手に入らないものもあるよ。」と言う男娼。
そして口先の慰めではなく、全身全霊で80£分みっちりと愛し合う姿が尊くすら感じる。
【アンチ・クライスト】親友(でも心の底では愛していたんだと思う)を亡くしたギタリスト。
反キリストのネックレスのせいで、もし親友が地獄に墜ちてしまったら……と語るギタリストに対して、男娼がかける言葉がこれまた深いーー!!
【美しい幾何の夜】
教会で出会った幼馴染が結ばれた一夜のお話。
【愚かな恋人】
愛する男に札束を積まれ傷ついた男。「札は私を買ったりしない…ただの紙です」という男娼が好き。
【アルルカン】
妻の浮気現場を目撃してしまい、ピエロの化粧のままやってきた男。
道化師であり続けなくてはいけないとする男の苦しみが胸を打ちます。
そして一夜過ごした翌朝の、晴れやかなことよ……!!
攻めリストを見るとどういう作品か分かりずらいと思いますが
受けは一貫して攻め(客)を受け入れます。
一晩を80£で買われるの立場ですので
客の趣向に異を唱えないだけなのかもしれませんが
自分の元になにかしらの理由で訪れた買い主の
身体だけじゃなく心までもスッキリさせてしまう、そんな人物です。
飾り窓の男に恋をしたやさしすぎるワニ
本当に愛した女に振られたジゴロ
親友を亡くしたギタリスト
結ばれる為に寝台が必要だった幼馴染の二人
見出したカメラマンに怒っているモデル
妻に浮気されたピエロ
と、多種多様です。
描き下ろしはヒモと言い張る(飾り窓シリーズ「青い夜明け」より)
恋人との午(ひる)下がりです。
今のBLにはない世界観があり、とても美しい作品の数々です。