世界を壊しても

世界を壊しても
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

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レビュー数
2
得点
14
評価数
6
平均
2.7 / 5
神率
0%
著者
火崎勇 

作家さんの新作発表
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イラスト
志十獄 
媒体
小説
出版社
心交社
レーベル
ショコラノベルス
発売日
価格
¥850(税抜)  
ISBN
9784778105525

あらすじ

空間デザイナーの雲居紺は軽い恋愛を楽しむスタイリッシュな男だが、実は目立たず大人しかった学生時代、恋人だと思っていた男に手酷く捨てられた過去があった。ある日仕事で米国の大手日本食レストランチェーン日本一号店のコンペに赴くと、そこに自分を捨てた元恋人の男鹿隼人がクライアントの社長として現れる。相変わらず、いや以前にも増して傲岸不遜で自信と精気に満ち溢れた男鹿を前に、己の『古傷』の疼きを感じつつも男としてのプライドが頭をもたげ、雲居は男鹿に仕事で真っ向から勝負を挑む――。
出版社より

表題作世界を壊しても

受様の元恋人で大手日本食レストラン社長
過去の傷で遊びを繰り返す空間デザイナー

レビュー投稿数2

跪いて靴をお舐め!

攻・男鹿隼人(30) 大手フードチェーン「禅華」社長
受・雲居紺(28) グレナディン所属の空間デザイナー

大学時代に付き合っていた2人ですが、男鹿は雲居を「都合のいいペット」としか思っておらず、あっさり捨てて渡米してしまいます。
向かってくる根性が無かったから恋人にはしなかった、と男鹿は言ったが、もし逆らったり意見していたら、もっと早く男鹿は自分を捨てていただろう。
男鹿に必要なのは自分に傅く者か、利用価値のある者だけ。
本当の意味での恋人は必要としていない。

思い上がっていた自分を嫌悪して、雲居は自分を変えてしまいます。

遊び慣れ、空間デザイナーとしての実力も認められ、自分に自信を持っている現在の雲居の前に、男鹿がクライアントとして現れます。

大学時代に自分を捨てた頃と全く変わっていない男鹿を相手に、仕事を挟んでの戦いがスリリングです。

クライアントとしての横暴に一矢報いた雲居と、雲居の実力を認め取り込もうとする男鹿と。
大学時代の二の舞はごめんだと、身勝手な誘いを跳ね除けますが、男鹿は雲居のデザインをライバル会社に渡し、そのデザインをコンペに提出させて雲居に恥をかかせようとします。

幸いに、男鹿がデザインを渡した会社のデザイナーは、雲居の元カレ・北沢でした。
北沢は男鹿の策略を雲居に知らせ、盗まれたデザインは採用しないと約束。

最終コンペで自分のデザインを発表した雲居は、採用決定の発表前に男鹿に呼び出されます。
男鹿は雲居の案を採用しました。
だから自分のもとに来いと誘いますが、雲居は拒否。
コンペの仕事を請け負うことも断ってしまいます。

かつては全てを否定された雲居です。
でも今回は自分の才能で、男鹿に認めさせることができた。
望みは叶ったから、あとはもういらない、と。

男鹿は雲居を理解できないんです。
支配し、服従させることしか考えていないんですよ。
恋人に対しても、自分の縄張りの中に入れて、その上に君臨していないといけない。

雲居は以前と変わっていないから、恋人にはなれないと雲居は思ってます。

この壊れっぷりがとてもイイのですが…生まれつきこーいう性格のはずはないので、その原因が不明なままだったのがイマイチでした。
まあこの話は、攻のトラウマを癒す話ではなくて、トコトン傷つき屈辱を味わった受が、立ち直って力をつけ攻を跪かせる話なので…仕方ないかなぁ。

最後には実力で男鹿を跪かせ、靴を舐めさせたんだから…アッパレな受です、雲居は。
(もしも続編があるなら、男鹿のトラウマなんかが出てくると面白いなぁと勝手に想像)

3

分かるようで分からなかった

1冊すべて表題作。雲居(受け)の視点でストーリーは進みます。

雲居は大学時代に自分を捨てた男鹿(攻め)と、仕事で再会します。
相変わらず傲慢な男鹿に振り回されながらも、雲居はコンペに参加しますが…という話です。

北沢という元カレが登場しますが、結婚しますし、男鹿とのキュープットを買って出るような男で、三角関係にはなりません。

北沢が好人物であるほどに、男鹿のイヤな男ぶりが際立ちます。

正直、男鹿の論理は最後まで分かるようで分からなかったです。
「誘ってやる」とかどこまでも上から目線。そんな男鹿が雲居の靴に口づけるのも唐突にしか思えなかったです。男鹿が抱いているのは「愛情」でない。結局分かり合えない関係という感じで。

その肝の部分が腑に落ちなかったので、読後はどうにもスッキリしなかったです。男鹿目線のSSがあり、今はもうベタボレだというのが語られると良かったなぁと思いました。

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