仲なおりの呪い

2人の「隠された闇」に気になる展開　少しゾクっとする

読んだ後、帯に書かれている「被害者×元加害者」というイメージではないかなと･･･。
過去に「隠された闇」を負っている幼馴染の2人ーー罪？　思っていたのとは違う。

仲良しの幼馴染2人が、普通に楽しい高校生活を送るという進行の中、
その「隠された闇」が少しずつ、少しずつ明かされていくたびに、
気になる！気になる！というミステリー感に引き込まれた。


可愛くて体が大きくて（ぽっちゃり）愛嬌たっぷりの爽馬（表紙の子）。
ちょっと男前でヘタレ気味で、何よりも爽馬を優先する希夢。

2人の関係に潜む幼馴染や親友以上の不穏さが、
ホラーのようでありながらホラーではない。けど、
希夢の前に現れる「爽馬」にゾクっとして、
希夢の抱えるトラウマが引き締まった空気を生み出す。

丁寧に描かれている2人の視点から、
それぞれの角度から「隠された闇」に迫って、
読者はその「隠された闇」に没入していく。

爽馬の重執着に身震いして、
希夢のしがみつく後悔や、爽馬に対する葛藤する心情に共感してしまう。

友情と愛情の狭間で揺れ動く2人の感情や恋愛面では個人的には･･･微妙。

明るい結末には安心感があるものの、
作品の雰囲気からすると、
もっと衝撃的な結末を期待していたのが本音で、
不完全燃焼のまま終わってしまいました。