極楽あると人は言ふ

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極楽あると人は言ふ
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×24
  • 萌0
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
5
得点
36
評価数
9
平均
4.1 / 5
神率
44.4%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
草間さかえ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784403526121

あらすじ

時は明治中期。鋼志郎は級友の生死を探り、極楽と呼ばれる島に辿り着く。島のもてなし役だという稀代の娼夫・濡羽に無垢な体を開かれ、逃げ出した先で島の戦士の長だという天満に日夜精を搾り取られ、快楽の果てに鋼志郎が目にした島の真実とは……? 狗神族×2とヒトの禁断の執着愛。

表題作極楽あると人は言ふ

極楽の島のセキレイ
士族の息子、高等学生

同時収録作品極楽あると人は言ふ

狗神族の戦士の長、78歳
士族の息子、高等学生

その他の収録作品

  • 獣が居ると人は言ふ
  • あとがき

レビュー投稿数5

諦めない男

宮緒さんらしいお話でした。
前半はオカルトホラーな、読ませる力がすごい!

清く正しく美しい諦めない男な主人公鋼志郎。名前の通り強くてしなやかで逞しく。
友を探しに極楽島へ…。

なんだか駆け足でしたね。もう少し描写を詳しく欲しかったです。
鋼志郎がとにかくスーパーマンでした。
勇気と正義感と機転と。なんでそんなに賢いの?よく土壇場で正解がわかったね!な。

二人の攻めも頼もしすぎ!やはり宮緒さん攻め。鋼志郎を引きずり込みますね。
前半は駆け足でこれで1冊書けたのでは?な感じでした。後半もきっと読み応えがあるんでしょう。鋼志郎は逆境でも諦めない男が好きなのかな?

後半
明治の高等学校男子たちの言葉遣いや武士の末裔ならではな気概がいいですね。
またまたピンチに。しかし真っ直ぐな男鋼志郎、折れません。

今作も攻めの執着がすごいですね!元々一週間ほど極楽島で一緒にいただけなのに、ここまでとは!しかも互いが独占欲が強く殺気まであるのに鋼志郎のためだけに協力して。

どんなに抱かれ包囲されても男らしい何も変わらない鋼志郎が新鮮でした。

0

死を食らうモノに魅入られて

今回は陰間と戦士の長と高等学生のお話です。

親友の死を疑問視した受様が
親友を追って渡った極楽島で攻様達と出会い
受様の一族を捕らえ続けた闇を滅するまでと
島を出た3人の続編後日談を収録。

明治の新政府が樹立して数十年
受様の父は士族と呼ばれる身分になっても
武士の誇りを忘れない強くて優しい自慢の父でしたが

健康そのものだったのに突然死し
父の死以来受様は常に黒い影に纏いつかれます。

長じた受様はその影が命を狩る死神で
父方の血筋が短命なのはその陰によるものだと
知る事になりますが、逃れる術を見つけられません。

幸い受様の母の実家は商売に成功して裕福で
受様は教師となるべく高等学校へと進みます。

級友達はたいてい裕福な家の子息でしたが
受様の親友は早くに両親を失くしながらも
官僚を目指し高等学校に合格した気概ある男です。

親友なら立派な官僚になるだろうと思われましたが
入学して半年で労咳にかかった親友は休学し
初夏には訃報だけが齎されます。

親友の死後
形見分けのように独逸人の詩集が届きますが
隠すように挟まれた手紙に「極楽島に行くことになった」
「もしも帰らなかったら死んだと思ってくれ」とあり
受様は親友の後見だった篤志家を訪ねると

受様は一服盛られて親友が行くと書き残した極楽島の
見知らぬ部屋で目覚めるのです。

果たして受様が送られた極楽島とは!?
そして先に島に渡った親友の行方は知れるのか!?

代々短命な一族に生まれた受様と
受様を気に入る狗神族2人のオカルトファンタジーです♪

極楽島は神に守られ、誰もが病苦から解放され
諸楽を受けると噂される島でしたが

受様は島に来た遊客は陰間達に接待されながら
神との対面を待つのが掟と言われて
相手を選べと迫られる事となり
陰間達が忌み子と呼ぶ美貌の陰間を選ぶのですが

陰間は受様の親友は神と対面した後に帰ったと言い
受様も掟に従いもてなしを受けねばならないのだと
受様を強引に押し倒します。

それでも矜恃を失わず親友を探す受様は楼閣を抜け出し
親友が神に死を奪われて不死となった姿を見た事で
島の長に殺されそうになるのですが

不死に変化をもたらした受様に
不死と戦う戦士達の長は興味を惹かれて
受様を匿うと言い出すのです。

親友を救う道を探し始めた受様の言動は
島に捕らわる陰間と戦士の長の心を揺さぶるので
2人が受様に執着するようになっていくのは
宮緒作品の執着背攻達の鉄板ルートです ヾ(≧▽≦)ノ

極楽島に暮らす狗神族、死を食らう極楽島の神
不死にされた親友、受様の命を狙う黒い影と
様々な要素が巧み絡まって進んでハラハラ&ドキドキ!!

受様が攻様2人とともに極楽島をでる幕引きまで
大変楽しく読ませて頂きました。

短命な宿命でも精いっぱい生きようとする
純粋で真摯で朴念仁な受様が攻様達の心を縛っていく
展開がとっても面白かったです。

0

1冊で2度おいしい

因習島という3文字にどうしようもなく心が躍ります。
さらには宮緒先生作品…とくれば、これはもうきっと良い執着攻めが見られるに違いないぞとわくわくしてしまいますね。
おもしろくてあっという間に読了でした。

ただ、この短い期間でここまでの関係性になるのか?と少々疑問に思ったり、やや詰め込み気味に感じられるところもないとは言えずこちらの評価に。
ですが、前半と後半で異なる味付けの1冊となっていて、1粒で2度おいしいなんて言葉がぴったりの個性的な設定の数々で最後まで楽しませてくれます。
罪深いほどに無自覚な人たらし男前受けに見事にたらされてしまった、因習島に住んでいた攻め2人の執着愛がとっても良い加減だったんですよねえ。

前半は、ややダークな架空の因習島の謎を。
後半は、攻め2人による執着愛を。
時代設定が明治中期でありながら、オカルトやファンタジーの香りがする味付けも新鮮でした。
そして、やはりなんといっても3P描写は外せないでしょう。
受けへの執着が強いがゆえに、たっぷりと甘やかしながらも受けがぐずぐずになっても攻め続ける2人の糖度が高い「分からせ」は必見です。良かった。
特定の状況下で言わせる「ごめんなさい」って、すごく効くなあとあらためて実感したワンシーンがツボ。

宮緒先生作品の執着攻めの中では比較的マイルドな2人なのではないかなと思いますが、ほど良くくっつきながらしっかりと鋼志郎専門セコムと化してくれますよ。
どちらかというとおとなしそうな容姿の濡羽の方が粘着力が強そうなのも好みでした。
彼は怒らせてはいけないタイプですね。

1

「どう生まれたか」ではなく、「どう生きるか」。主人公の熱い思いにグッとくる

大好きな宮緒葵先生の新作〜!!!
あああ…期待を上回るエロス(3P)×執着×人外モフモフ(狗神族)。
明治が舞台の仄暗い世界観に、たっぷりと酔いしれました。
ミステリー、推理もの(+時代もの)お好きな方、ハマると思う。

攻めの犬の姿は少なめだけど、犬姿で受け君を包んでくれてるシーン、草間さかえ先生のイラストが最っっ高で…!もっふもふの感触を、脳内で堪能しました。


以下、簡単なあらすじと共に感想を。
(ネタバレ含みますので、未読の方はご注意ください)


級友の死の謎を追う過程で主人公・鋼志郎(受)が騙され辿り着いた謎の島、操環島(くるわじま;字面が既に怖い!)。

そこで神への面会を果たす前に島の者とまぐわう定めだと言われ、
無垢な体を美しい長髪の男・濡羽(攻)に開かれてしまう鋼志郎。

必死で逃げ出すも、海から上がってきた「不死(しなず)」達に襲われかける。
そこを濡羽とは違うタイプの男前戦士・天満(攻)に助けられた…と思ったのも束の間、今度は天満に組み敷かれてー

と続きます。


消えた友人の行方は?

生まれた時から鋼志郎に取り憑いている「死神」とは?なぜ鋼志郎の一族は長生きできないのか?

鋼志郎はどうやってこの島から脱出することができるのか?

前半〜中盤にかけて、上記の疑問が次第に解けていき、点と点だった情報が一本の線になる爽快感!!

黙って一人静かに読んでいましたが、脳内では「うおーーー!そういうことだったのか!なるほど!」
↑こんな声がぐわんぐわん鳴り響いて大興奮、アドレナリンが放出されてました◎


で、中盤から後半にかけて舞台は本土に戻り、島から脱出した3人のお話になっていくのですが、
この後半もまた手に汗握る展開で、ハラハラしながら一気読み…!

宮緒先生と言えば「執着攻め」を毎回期待して読んでしまうのですが、
ここでもねっとり・じっとり系攻めの本領、いかんなく発揮されてたー!!(歓喜)

最終的には守ってくれるけれど、ギリギリになるまで「敢えて」放置して
二人がかりで”わからせ”しちゃう攻めS、最高です✨
お仕置きされて気絶する鋼志郎がかわいそ可愛すぎる。。

濡れ場のえち度もかなり高め、上下にねじ込まれて苦しそうにしながらも
乱れ喜ぶ鋼志郎の姿に、読みながらドキドキしました。。エロスだ…

で、攻め2人に抱かれる時はそんなふうにすっかり可愛く蕩けてしまう鋼志郎なんですが、
個人的にこの鋼志郎の性格・言動の男前なところに、たまらなく痺れました。

レビュータイトルにも書いたセリフは、華族であることを誇りに思い
武家や平民を見下すクラスメイトに対して鋼志郎が放ったもの。

「人は生まれを選べない。ならば…」という言葉に続くセリフなのですが、
ここ、なんだか胸にじーんと来てしまって栞を挟みました。

これ、鋼志郎が言うからこそものすごく説得力を持っているんですよね。

死神に取り憑かれ、常に「死」を身近に意識し生きてきながらも
自らの決断と力で運命を切り開き、死神を追いやった鋼志郎。

「どう生まれたか」ではなく、「どう生きるか」。
短くシンプルだけど、生き様というものを考えさせられる言葉だなあと。

濡羽と天満、二人を受け入れながらも最後の最後、
「俺とて武士の子。そうやすやすと呑み込まれてやるつもりは無い」と決意をあらわにするシーン、男前でカッコ良くて最高に痺れました。くうーーーー…!

草間さかえ先生のイラストも、作品の雰囲気にぴったりハマっていてじーーっと
眺めてしまった。。濡羽の美しさたるや。(でも自分は天満派です笑)

読み応えたっぷりの極上の明治人外ミステリー、堪能しました・:*+.

1

こんな攻めたちに愛されたら最後、もう逃げられない

この三角関係、結構好きかも(〃∀〃)
執着と粘着な攻め2人の激重愛に包み込まれていくストーリーです。

三角関係に大注目な物語ではありますが、3人が出会うことになった"極楽の島"に秘められた黒い謎についての話が元々の基軸。ダークファンタジーな展開がゾクゾクドキドキですごく面白かったです。
亡くなったとされていた親友が、実は極楽島へ行ったとの手記を見つけ、伝手を辿って極楽島と言われる操環島へやってきた鋼志郎。誇り高き親友思いの彼が連れてこられたのは遊郭のような場所で……っていうところから話が始まります。
この島で出会ったのが"忌み子"と蔑まれる濡羽という美しい男。そして、その郭から抜け出して捕らえられそうになったところを助けてくれた、狗神族戦士の長である天満という男です。
宮緒先生ですからね、そんでまぁ……出会ってすぐに2人にグズグズに犯されます( ;∀;)

でもですね、濃厚セックスまみれの話っていうわけじゃないんですよ。
この島に隠された黒い理由……鋼志郎の親友が消息不明になった理由にも掛かってくるのですが、このカラクリがすごく面白い。死神に取り憑かれた鋼志郎の家系とも絡み合って、死神VS死神みたいな決戦に発展するクライマックスシーンの迫力は凄かったです。
重苦しい世界を表現する筆感はもちろん、伏線の散らし方だったり登場人物たちの動かし方が上手いのはさすが。身体の中を這うようなじっとりとした感覚を纏わせる物語の演出は、宮緒先生の色が特に出ていて引き込まれました。


そして後半のエピソード、これもまた面白いです!
3人が島を抜け出した後のお話で、なんと。鋼志郎の家の近くに居を構えて、引き続き鋼志郎を激重愛で縛り上げていく2人の姿をみることができます。といっても、このストーリーは鬼畜凌辱貴族に狙われた鋼志郎のピンチ展開が見どころのお話。この危機をどう切り抜けるのか、この事件の顛末は?といったところから目が離せません!!(*´∀`*)
もちろん2人の忠告を無視してアブない檻に飛び込んだ鋼志郎へのお仕置きセックスもご注目です。危ない目に遭っても可愛いことをしても、どちらにしても濡羽と天満に抱き潰されるルートから逃れられない鋼志郎……身体が保つのかいつも心配でなりません(笑)


宮緒先生スパイスの効いた、攻めキャラ2人のクセ感と真面目一徹硬派な受けのオトコマエ感が混ざり合った不思議な三角関係に魅入られてしまいました。
3人のめくるめく閨での情事は皆さんご察しの通り、めちゃくちゃに濃厚。サシのまぐわい×2もそうですが、3人プレイは特にです。体温とか音とか匂いとか…文字を通して伝わってくるようなスリーサムな臨場感はお見事。攻め2人の個々別のキャラ性と、3人揃ったときの調和がとても良かったです。

意外と3人の仲が良く、セックスしてないときでも和気藹々としていて牛鍋つつくシーンはちょいホッコリでした^ ^

3

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