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onnoukeki koukyuu ni torawareta josou no nyokann ha ouji ni dekiaisareru
全体的にロマンスと陰謀渦巻くサスペンスの兼ね合いが良く、一冊めちゃくちゃ楽しめました!二人の恋模様はBLのラブというよりロマンスという言葉がピッタリ!
受けの灯雪(とうせつ)は女装美人で健気タイプ。男らしさは特にないものの芯がしっかりしてて頑張り屋さん。
華旺帝(かおうてい)と亡姉・紅煉(こうれん)の間に生まれた皇子・煉旺(れんおう)を守り育てることを第一にし、華旺帝に次の后にと望まれながら(男だから)自分はいずれ後宮を去るつもりで過ごしています。
そんな中で偶然出会ったのが、華旺帝の弟である攻めの翠延(すいえん)。男であることを知られてしまい、その秘密を口外しない代わりに探し物を頼まれて二人は秘密に会うようになり…。
というストーリーなのですが、この二人の出会い〜逢瀬を重ねる様子がとても良い!
二人の逢瀬は専ら街デートなのですが、普段奥深い後宮にいる灯雪に服や髪飾りを買ってあげたり、美味しいもの食べさせたり…それをしたくなる翠延の気持ちも分かるし、灯雪の反応も可愛いし。
煉旺と家族のような時間を三人で過ごし、幼い煉旺の皇太子としての成長に繋がっていく様子も良かったです!
攻めの翠延は責任感がありしっかりとした男前タイプなので、変に拗らせておらず安心できるし頼りになる。鍛えている翠延の逞しさにドキドキする灯雪が愛らしく、灯雪は灯雪で心の内に秘密を抱えながらも、どんな時もひたむきで応援したくなります。
最後の最後まで二転三転する様々な要素が合わさったストーリーなので、二人のキャラクターは至極真っ当で王道ラブロマンスを地で行っているのが安心して読めたし、最後までハラハラドキドキ楽しめました!
ラストについては、一点…
華旺帝だけちょっと気の毒。そんなに悪い人じゃなかっただけに…。
でもあの皇后がいる&権力強すぎて何もできないという事情を踏まえると、攻め受け三人にとっての未来ある大団円はこの結末のこの形になるのかなぁ…と思わせるくらい皇后のヒールぷりが凄かったです。
全体的には暗く重すぎず、手が止まらなくなるくらい読みやすいのに、中華のドロドロ〜とした欲望渦巻く世界を書き上げていて…いや〜面白かった!読んでよかったです!
セシル文庫さんの作品は子育てものが多く、ほのぼのホッコリとした感想を持つことが多かったのですが、この作品はちょっと毛色が違いますね。
チビッコは確かに出てきますが、それよりも事件・シリアスの色味が強いこと。中華王朝の後宮を舞台としたドロドロとした凄まじい因縁と黒い欲望に思わずブルッ……ヒール役の皇后の存在感は圧巻です。
中国三大悪女の1人、中国史上唯一の女帝であった武則天(則天武后)を彷彿とさせる残忍さ。中華、後宮、悪役皇后、の組み合わせってすごく合いますね(笑)
時代もの中華系ストーリーの盛り上げコンテンツとしては最強で、物語のスケール感も大きく、最後まで楽しめました^ ^
して、この作品。
ヒール役の皇后がワルすぎて怖い……((((;゚Д゚)))))))
しかし、これこそが中華。これこそが後宮って感じの面白さです!!!
自分の欲望のまま、権力を振りかざし、意のままに進まない事柄において強行に出る皇后の悪質さに立ち向かいながら、目的を果たそうとする主人公2人。姉を殺され、女官のふりをしながら甥である皇子・煉旺の世話をする灯雪、今は無きかつての龍旺国の復興を目論む王弟の翠延のBLロマンスを横目に繰り広げられていく、後宮サスペンスはすんごい読み応えです。
時にピンチ、時に大大大ピンチ、でもラブロマンスはしっかりと抑えつつ、そしてしっかりとファミリーのホッコリ感をも出していく物語の見せ場という見せ場にハラハラドキドキ……この世界にすっかり没入です。
男性でありながら後宮一の美女である灯雪の美しさにどんどん惹かれていく翠延と、翠延との城外デートに幸せを感じる灯雪との密やかな恋愛模様はホッと息をつける瞬間でした。
なにせ、後宮に入ると皇后の動きにピリつくシーンが多いので、BLをしっかり味わえるのは城外デートシーンに限られます。一度煉旺が付いてきてしまったときは、まるで仲良し家族(´∀`*)…いや、3人とも血の繋がりがあるので家族っちゃ家族なんですけど、父と母と息子の図そのものです(※表紙参照)。
煉旺の父である皇帝もいますが、存在薄……( ̄▽ ̄) どっちが父やねんって思うくらい。良い人ではあるんですけどね、何せあの皇后の旦那ですから、存在感が薄くなるのも仕方ないのかもです(笑)
トチ狂った皇后による皇子拉致事件や襲撃事件などなど、終盤は特に肝を冷やす事件のオンパレード!!どうなることかとヒヤりました。
皇后の御乱心の行方と事の顛末がどうなるのかはぜひ実際に読んでお確かめを^ ^
これをキッカケに色んな事が決定し、この国の分岐点になる要素がいっぱいなので終盤は大忙しです。が!それだけに見応えも多いです。
男だとか女だとかの前に、由緒ある血筋の系譜かどうかで、灯雪の立ち位置が二転三転するところにもご注目。高貴な家柄だけに制約に縛られてしまう2人の恋愛の終着点を、最後まで見逃さずに見届けて下さい♪( ´▽`)
中華系のストーリーにしてはすごく読みやすく、軽快にページをめくることができた作品でした。シリアスな事件に巻き込まれていく中、BLの甘さもそれなりにあって非常にバランス力に富んだ作品だったと思います。
最後の史実語りは歴史書の趣があり、アフターストーリーとしてはこれ以上にない内容で大満足の読後感でした。
おおお…!これ、すごく面白かったです…!!
初めタイトルの意味が分からず「?」とちょっと躊躇したのですが、一度読み始めたら
ページをめくる手が止まりませんでした。
この、タイトルにもある「温旺家記(おんおうけき=温家という貴族の記録)」と
呼ばれる書物が鍵となる、手に汗握る中華×王家×陰謀(+女装)ファンタジー。
時間を忘れて読み耽ってしまいました。
中華風の世界観、ミステリーや陰謀といったものがお好きな方に特におすすめです◎
自分もこういった↑要素が大好きなので、どっぷり浸って楽しめた〜✨
以下、あらすじと感想を。
ちょっと大きなネタバレになるかなという部分を含んでいますので、
未読の方はご注意ください。
主人公は後宮女官・灯雪(とうせつ・受)。
今は亡き姉と共に後宮に入り、姉の一人息子であり皇太子である煉旺(とうおう)を守るため、女と偽り後宮仕えを続けています。
ところがある日、隠れて水浴びしているところを帝の弟・翠延(すいえん・攻)に
見つかり、男である事実がバレてしまい…
なんとか秘密にして欲しいと頼み込む灯雪に対し、願いを聞き入れる条件として
翠延は”温旺家記”と呼ばれる書物を探し、見つけてくるように言います。
書物を秘密裏に探し、その結果を知らせるため定期的に会うようになる二人。
そのうち少しずつ距離が縮まり、灯雪は翠延に対し恋心を抱くようになりー
と続きます。
この、物語のキーとなる「温旺家記」とは一体何で、どんなことが書かれているのか?
探しても探しても見つからないこの書物は、どこにあるのか?そもそも実在するのか?
そして正妃がこの書物の存在を知ってしまったことで、灯雪と煉旺に迫る危機とは…
そんな謎解きのようなサスペンス要素に大興奮。(*゜∀゜)=3!!
そして、帝の弟である翠延 × 姉の喪が明けたら帝の妻となる予定の灯雪という、
”禁断の関係”にこれまたドキドキするし、萌える…!
しみず水都先生もあとがきに書かれていますが、「兄弟間で受けを取り合う」って
シチュ、最っ高に萌えるし滾ります。
で、しかもそこに更に、女装している灯雪の秘密が帝(や周囲の人々)にも
いつかバレてしまうんじゃないか…
バレるとしたらどのタイミングで、どうやって!? というハラハラが加わり、
約300Pとボリュームのある一冊を貪るように読みました。
最後の最後、身分差があるため翠延の妾扱いとなるしかなく、
甥っ子・煉旺とも自由に会えなくなる…という悲しみからのどんでん返しも良かったー…!
(実際ちょっと予想はしていたものの)ほっとすると同時に「良かったね…!」と
グッと拳を握っていました。
攻め受け二人のキャラにもグッときました。特に受けの灯雪の”美人でカッコいい”姿!
健気美人でいじらしいけれど、可愛い甥っ子を守るためには迷わず体を張り、
傷つけられても怯まない姿に最高に心が燃えた〜!☺︎
と、えち描写は割と少なめながらも個人的にたぎるシーンいっぱいの
手に汗握る中華ファンタジーでした・:*+.面白かった〜!