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cut
生きることを諦めかけている二人。
トラウマがここまで、人を追い詰める。
本当に読んでいて心が痛くなり、涙が溢れ出る作品でした。
それまでは、どちらかというとエロ系中心の軽い話が好きだったけど、川唯作品を知ってストーリーがしっかりしてるのも、いや、しっかりしてるから面白いと再確認。
最後、お互いが未来に向けて歩き始めたのをみて、普通に感動してる自分がいました。
また、最後の最後描き下ろしで、お互いを思いやるシーンが甘酸っぱくて何度読んでもニマニマしてしまう。
二人にはこれからずっと幸せでいてほしい……そう思う作品で、私にとってBLの見方を変えてくれた大切な作品。
改めて、川唯作品の世界観は独特だなあ、と感じさせられるお話でした。
そして、やっぱり好きな作家さんだなあ〜と嬉しく思います。
近親相姦に、PTSD…自傷行為、虐待、SMに家族崩壊…
それぞれトラウマに苦しむ高校生
2人のお話です。
幼いころからの痛い傷を抱えて生きてきた英二 × 千秋 。
お互いの傷を感じ取り、惹かれあい、2人一緒に過ごしていく中で、葛藤し合う2人が印象深い作品です。
決して、簡単に傷が癒えるわけではないけれど、お互いに、その痛みと共存しながら、彼達らしい結末を迎えた事が、とても救われたし…感慨深かったです。
川唯作品の中でも、お気に入りの一冊です。
ただ、本当に、リアルな、重たいお話なので、好き嫌いは出てしまう作品かとは思います。
普通トラウマ同士だと、ドロドロになりそうなんですけど…
この2人の場合は、傷を舐め合う感じではなく、
お互いの苦しみや痛みを共感しながら、上手く、互いの足りない部分を補充しあっていきます。
共感しあえる存在を得たことで、強くなっていった感じでした。
涙ばかり流す2人が、なぜか綺麗に見えるから、どんどん心奪われ、作品の中に引き込まれてしまいます。
1番救われたのは、お互いに、恋心を抱き、大切にして守りたいっていう気持ちを、強く持っていた部分。
好きという気持ちが、お互いに抱えていた恐怖を、払拭してくれたんだろうなあと思います。
人生幸せだなんて感じたことのなかっただろう2人が、
二人で生きていくために、未来へ踏み出そうとする姿が、とても嬉しかったです。
完全なるパッピーエンドな終わり方とは言えないけれど、
最初読んだ時は、想像もできなかっただけに、彼らにとっては、晴れやかな、最高のパッピーエンドだったと思います。
エピローグで、お互いが、お互いを思いあいながらの行動が、とても幸せそうで、微笑ましく、
最後は、自分自身も嬉し涙で読み終えれたことが幸せでした。
繊細で、痛くて、せつないお話だけれど…最後は幸せを運んできてくれる川唯作品!
今回も素晴らしく…素敵な作品でした。
うまくレビューしきれていないと思うんですけど…
ぜひ読んでみて、神評価の理由が分かって頂けたら嬉しいです。
オススメしたいです。
切なかった…というか痛かった。
受けと攻めの過去がすごい切ない。
「Cut」というタイトルの通り2人の腕には傷があります。
その理由がまた切なくて…。
ただ受けの方はリスカです。苦手な方注意。
あまり詳しく書くとネタバレになってしまうのであれすが、受けも攻めも両親とうまくいってなくて。
受けは父を事故で亡くし母親に嫌われ、義父と体の関係があります。
攻めの両親もちょっとおかしくなってて。
攻めが自分の辛い過去を語るとき、まるでおとぎ話をするようにしゃべっていたのがすごく切なかったです。
すごく鬱屈として切ないですが、最後はハッピーエンドなのでちょっと泣けました。
お互いの傷は消えないけど、心の傷は癒えたんじゃないかと思います*
親という逃れようもない存在によって深く傷付けられた少年2人が、心を通わせる。
未成年で、まだ自分の足で立てない2人が持っているのは、自分の体だけで…。
という深刻極まりないストーリーは、その昔、よくドラマで見かけたような気がします。
贅沢な暮らしにしか興味のない母親に邪険にされ、初対面から自分に色目を使ってきた再婚相手に体を差し出すことで母親に復讐しているつもりの千秋。
自分を生んだ母から一度も愛情を受けたことがないばかりか、殺されそうになったことで自分はいらない存在だと、実母の兄の家族にも馴染めない雪村。
とにかく苦しい。
泥沼に足を取られて抜け出せないみたいな状況。
そこから抜け出すのは1人じゃ無理で、引き上げてくれる相手が必要だけど、その相手も違う泥沼に足を取られているのだから、ダブルでしんどい。
タイトルの『CUT』は、実母に切り付けられた雪村の体中に残る傷であり、現実逃避するために自傷する千秋の手首の傷であり、「親」という切れない縁を切ることや、笑顔を貼りつけて浅く軽く付き合ってきた友人を切ること、いろいろなところに繋がっていました。
そうしていらないものを切り捨てたあとに残るもの。
それこそが一番必要なものだというような。
とにかくこちらの心まで切り刻まれるような痛い作品でした。
トラウマを抱えた高校生二人の恋の話です。
二人とも親との間が上手くいってなくて、虐待されてひねくれている。
互いの傷を舐めあうようにしてカラダの関係がはじまり、やがてあたたかくて落ち着いた関係へと結実していく。
全体的にシリアスで重苦しいです。
正直あまり好みではありませんでした。
トラウマものに食傷してるというのが一点。
虐待する親の側の描き方もナンダカナァと思わされる箇所が多かったし。
あと、殴りあいの場面での絵に動きがなさすぎて、もうちょいなんとかならないものかなと思ったりもしました。