転移従者は血と剣で魔力なし王子に愛を誓う

tenijuusha ha chi to ken de maryokunashi ouji ni ai o chikau

転移従者は血と剣で魔力なし王子に愛を誓う
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神4
  • 萌×23
  • 萌1
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

256

レビュー数
4
得点
37
評価数
10
平均
3.9 / 5
神率
40%
著者
四ノ宮慶 

作家さんの新作発表
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イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784344854598

あらすじ

ごく普通の会社員だった榎本祐樹(えのもと・ゆうき)は事故に遭い、気がつくとリュミエナード王子の専属従者・グレイナスに転移していた。膨大な魔力を有するにもかかわらず、王位争いに巻き込まれまいと魔力を失ったふりをして生きていた王子に、過去の従者・グレイナスは密かに思慕を抱きつつ、それでも王になって欲しいと願っていた。そんな彼の願いを知った転移後のグレイナスだが、榎本だった頃の性格から時折、王子と主従の垣根を超えたコミュニケーションをとるようになり!?

表題作転移従者は血と剣で魔力なし王子に愛を誓う

25歳,会社員,グレイナス,23歳,辺境伯次男でリュミエナードの従者
19歳,イルドネア王国第一王子

その他の収録作品

  • 氷炎のリターレーゼの宝物

レビュー投稿数4

溶け合う二人の人格。最高にグッ!とくる主従ファンタジー

や〜、最高に萌えて気持ちの滾る異世界×主従ファンタジーでした…!

カワイチハル先生のイラストも表紙から何から全部が全部麗しく、物語の展開にわくわくドキドキしながら一気に300ページ弱(275P)を読み切りました。

四ノ宮慶先生の作品を読むのは初めて。
あとがきによると、デビューされて今年で15周年とのこと!おめでとうございます✨
15年書き続けていらっしゃるなんて本当にすごい…

タイトルそのまま、現代の会社員として過ごしていた祐樹(ユウキ)が元の世界で死んで異世界に転移し、気付けばリュリュことリュミエナード王子(受け)の従者・グレイナス(攻め)の体に。

王位争いに巻き込まれないようにするため、自身の持つ膨大な魔力を失ったふりをして生きていたリュミエナード王子。

従者・グレイナスは密かに王子に思慕を抱きつつ、それでも王になって欲しいと願っていたのですが、そんなグレイナスの気持ちを知ったユウキ(グレイナスの体)はグレイナスとは異なる性格をちらつかせつつ、少しずつ王子との距離を縮めていってー

と続きます。

まず、激しく萌えたのが”血と剣の誓約”のもとに結ばれる主従関係。
主か従者のどちらかが死ぬまで解くことができないという、重く深い誓約です。

誓約の儀式のもと、グレイナスはリュミエナード王子の「リターレーゼ(誓約をした従者)」になるのですが、その儀式がまたこう、胸高鳴ってしまう神聖な儀式なんです。

主が従者の胸に剣で傷をつけ、従者がその血で主の名前を記すー
跪いたグレイナスと、わずかに血の滴る剣を手に持つリュミエナードのイラストを見ながらうっとりしてしまいました。

そしてこの物語ですごく面白いなと思ったのが、転移後も元の体の持ち主であるグレイナスの意識・思念が完全に消えたわけではないというところ。

意思の主体はユウキにあるものの、二人(ユウキ&グレイナス)の人格や心が、物語の展開とともに溶け合い融合していくような感覚なんですね。

グレイナスが秘めていた熱い恋心と忠誠心、ユウキがもともと持っていた感情表現豊かな部分。そういったものが融合して、ユウキとも元のグレイナスとも少し違う、新たな”グレイナス”とも言えるキャラクターになっていく過程がとても自然に描かれていて、物語の世界に惹き込まれました。

そしてまた、魔力を持つことをひたすら隠し続けていたリュミエナードがその魔力を解放する瞬間というのも、胸熱の展開で…!
攻め受け共に、互いを守ろうと力を尽くす姿に心震えました。

元の世界で”日和見主義”とバカにされていたユウキと、大切な人を守るため自らの能力を隠し、周囲から失望され一段低く見られていたリュミエナード。
攻め受け双方の変化と成長になんとも気持ちが滾ってしまう、異世界魔法ファンタジーでした✨

ちなみに…電子限定おまけのSSでは、二人が体を重ねた時の元グレイナスのツッコミ、思念が読めるのですが、それがおかしくてニヤニヤ(。-∀-)

四ノ宮慶先生、初めましての作家様でしたが既刊もぜひ読んでみたくなった〜!

1

新感覚異世界転生

異世界転生ものというと、私が読んでいる限りでは転生者が受け側でした。が!!
この作品は、なんと攻め側への転生。

そうだよね、攻め側あっても不思議じゃないよね。てか、攻め側作品なんでこんなに少ない?…とか思うところがいっぱい。いや、そう思うくらいめっちゃ良かったんで、もっと攻め側転生増えて欲しいなと強く思いました。


作者さんにとっての初めての異世界作品とのこと。初めてアプローチしたとは思えない面白さでした( ˃̶͈̀∀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
異世界転生の王道ではなく違う角度から攻めてるところにワクワク!最後までその勢いで楽しめたところが最高に良かったです。
攻め側転生も、転生先の身体の持ち主の意思が生きてるというのも、今みであまりなかった設定です。気にはなってました、転生してきた者は良いけど、元の身体の持ち主の魂はどこ行ったんじゃいって。

この作品では、転生者であるユウキと元の身体の持ち主・グレイの2者の意識が存在しています。厳密にいうと、実際に喋ったり動くのはユウキで、グレイ自身は感情をユウキに感覚的に伝えるにとどまります。なので、どっちかっていうと身体の支配権はユウキ寄りです。
グレイの感情的なもの、感覚的なものはユウキにダダ漏れなので、ふとした瞬間にグレイの感情に沿って行動したりなんかもしますので、そこまでユウキにコントロールされてる訳でもないです。一心同体的な感じかな、どっちの感情も意思も融合してるって感じです。


グレイの主人は、王子のリュミエナード。グレイの幼馴染であり想い人です。
ユウキは転生直後から、グレイのリュミエナードへの愛を身体を通して感じることになるのですが、"グレイ"はユウキでありグレイです。グレイの感情に引っ張られていたリュミエナードへの好意がユウキの感情にも伝播していくと、ユウキ自身もリュミエナードのことを好きになっていくんですよね。

うーむ。これは新しい三角関係だな、と思わなくもない(笑)
でもグレイとユウキが合わさって"新生グレイ"となっている現実では、不穏な感覚ではないです。2人で1つ…混ざり合ってるという感じなので。
魔力を失ったリュミエナードに対する不敬を、それまでのグレイは苦々しく思いながらも耐えて見守ってきたけど、新生グレイは咎めます。護衛や侍女に柔軟に接するようになるのもユウキが転生したことによる新しい変化です。

こういう変化があってこそ、グレイとリュミエナードの両片想いに動きが出てくるわけです。ユウキが転生しなかったらこの2人はずっと両片想いのままだったろうなぁ…と想像に容易い。
ユウキの意思がそこに入ることで、リュミエナードとグレイの恋心が加速していく楽しさに自然と顔が綻びました( ´∀`)

ただ1点思うのは、グレイは実体でリュミエナードを愛したかったと思ってないのかなってこと。
感覚としては伝わるけど、実際に触れてるのはユウキなわけで、そこに関して言えば嫉妬案件ですよね。いくら融合体とはいえ、あとからきた男と好きな人がセックスしてるのを見るのは嫌ではなかったんだろうか。自分の手で色々したいとかさぁ……思わなかったのかなって。
まぁ、でもグレイもリュミエナードもハジメ同士だったので、経験者のユウキがベッドでリードしてくれたことは良かったかもですね(笑)


そうしたちょっとだけ細かいところは気になりましたが、ストーリー的には問題ナッシング。ウブな恋愛パートも、王太子継承問題が絡んだ事件パートもスッキリとした読後感でたくさん楽しめました♪

1

大切で唯一の貴方のために

今回は王族専属従者と第一王子のお話です。

受視点で魔力を隠す受様が異世界転生者だった攻様と
想いを通わせて立太子するまでと
攻視点での番外編を収録。

イルドネア王国は隣国と長く戦いが絶えませんでしたが、
20数年前、現王と魔法使いの正妃の活躍で侵攻が退けられ
講和条約が結ばれます。

正妃が怪我により子を成せなくなったため
王は2人の側妃を迎え

第一側妃を母に第一王子である受様は
美しい容姿とともに魔力の全属性をもって生まれ
「イルドネアの希望」と呼ばれました。

ところが4才の時の茶会にて
受様が手にした毒入り菓子を口にした母妃が倒れて
魔力暴走を起こします。

母妃は一命を取りとめ元気になりますが
魔力暴走を起こした受様は魔力を失ってしまったことで
「魔力なし王子」と蔑れる存在となります。

実は受様は魔力を失っていませんでしたが
犯人が明確にされずに事件が幕引きされたことで
受様が王になるのを望まない人物の存在を知り
魔力を秘匿することにしたのです。

そんな受様には血と剣の契約で王族専用従者となった
攻様がいつも寄り添っています。

攻様はまじめで堅物な性格で
王族専用従者になって以来10年もの間
受様の傍らから離れたことがありません。

受様は策を弄して実家に向かわせたものの
翌日には戻ってきた攻様は受が知る攻様とは
別人のように感じます。

体調が悪いのかと受様が伸ばした手は振り払われ
攻様はその場に倒れてしまいますが
攻様が攻様ではないという感覚が伝わってきて!?

ある事件がきっかけで魔力を隠す受様と
異世界転生者だった攻様の異世界転生ファンタジーです♪

攻様を見た医師は過労だろうと診断しますが
眠る攻様に再び手伸ばした受様が感じた魔力は
昨日までとは全くの別人のものに変化していたのです!!

そんな受様なので目覚めた攻様を追求するのですが
攻様は日本という国で生きていた人で
魂が転移したようだというのです Σ( ̄。 ̄ノ)ノ

攻様が前の攻様とは別人とわかる受様にとっても
半信半疑なものの信じるしかなく
転移したという攻様とともに過ごすのですが

今の攻様はストイックで堅物だった攻様では
見せない表情や口にしない言葉を発して
受様を落ち着かなくさせるのです。

受視点が主力ですが、
ところどころに元日本人な攻視点も入るために
攻様の今後と両片想だった2人の恋の行方にも
ワクワク&ドキドキなのですが

加えて自身の血筋を王位につけたい第二側妃親子が
受様の暗殺を企てて攻様にも危機が迫りハラハラMAX!!

受様が王太子となる幕引きまで
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)/

受様の後継者問題は気になるものの
姉弟もいるのでいいのかな。

1

好きなジャンルだったのですが…

異世界転生や転移ものにはBLにかかわらず大好きなので楽しみにしていました。以前読んだ「二人の偽物アルファは執事アルファに傅かれる」の評価を神にしてたのも購入した理由でした。

だけど読み進めるうちに自分が求めていたものと何か違うと思ってしまったんです。ユウキとグレイナスの相違点ばかりに焦点が当たってて、殆どがそこに費やされている感じでした。もちろんユウキが異世界転移してグレイナスの中に入ってしまってるので、どちらかが消えてしまうのか融合されて1つになるのかの描写は丁寧に書かれてるのは好感が持てました。

ただ、実はグレイナスとリュミエナードは両片思いだと知ってしまってからは、この設定に抵抗感を持ってしまったんです。だってあまりに詳しく書きすぎててグレイナスとユウキは別人としか思えなくて、グレイナスの記憶があるユウキにしか見えませんでした。なので2人がやっと両思いになっても「グレイナス不憫」と感じてしまったんです。これならお互いに何とも思ってない関係が良かったと冷めてしまいました。

また王妃が子どもを産めなくなったから王は側妃を2人も娶ったのに、リュミエナードが王太子になってから婚約者問題は起きないの?ととても疑問に思ってしまったんですが、そこには一切触れないまま終わってました。異母弟妹がいるのでそこは問題ないとか、王と王妃はリュミエナードとグレイナスの仲は密かに認めてるとか一言でも触れて欲しかったです。

それと自分の大好きな周りの皆を傷つけたくないから魔力を失ったことにしてるって設定が駄目でした。幼い時なら分かるけど19歳になるまで隠すのではなく、成人した15歳あたりで魔力でもって戦って欲しかったなと思いました。

1

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