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faraway
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
表題作、
読みながらうずうずするような、
少し恥ずかしいような、
懐かしい感覚がありました。
新装版の描きおろしなのでしょうか?
プロローグ的な位置に配された数ページ。
ランニングするトモとカジタの後ろ姿を描いた
映像みたいなシーンが印象的。
短編集ですが、
表題作【ファーラウェー】と
連作の【オーバーザレインボウ】が一番好み。
さすがに10年くらい前の作品だからか、
新装版の表紙の絵と中身の絵は違っています。
私は表紙の感じがすごく好きだったので
今この人がまたこの話を描いたら、
きっともっとぐっと来るんだろうなぁ
という感じがしました。
だから、日の出さんが今現在描いている
物語を見てみようかなーと、
読後の今は思っています。
ただちょっと、この頃の絵柄と台詞に
苦手な部分が多くありました。
特に【河川敷はひみつきち】のショタっぽさが
自分はどうしても拒否反応が出てしまい…
ショタっぽいかわいい絵でエロエロっていうのが
自分にとって地雷のようなので、
単に好みの問題ではありますが。
エロシーンで局部全消しなのも、
「イケナイコト」感が
私の中で煽られて苦手でした。
あとは発表時期ゆえに感じる
言葉遣いとか設定の現代とのズレかな…
ちょっと古さを感じてしまい
気になってしまった。
私の好みにはちょっと合わなかったのだけれど、
青臭くて照れくさい男の子同士の恋話が
好きな方は好みにハマるように思います。
男の子の「性」がどの作品にも描かれていて、
でもそれがなんだか瑞々しいというか、
青春ゆえのまっすぐで恥ずかしい感じに
溢れているのです。
を、描かせたら抜群のセンスをお持ちの作家さんだと思ってます!
この作品でもそこんとこが遺憾なく発揮されてる。
けっこう我がままな読者だという自覚はあるんですが、相性がいいのかこの作品に出てくる少年たちは、ただただ見てるだけで楽しいです。なんも言うことはない。
コマの見せ方、間、余韻、モノローグ。そういうもののセンスもステキです。
そして、キャラたちのありのままのごく自然な思考がイイ。すごい肩の力が抜けた感じ。少年らしいあどけなさや狡賢さ、投げやりなところを形にするのが非常に上手いです。だから、しゃべり口調も違和感なく、会話がとってもナチュラルです。
マジで、これがデビュー作とか…いま考えてもビビります。
■ファーラウェー/オーバーザレインボウ
表題作。バスケ部エースで目立つ高校生×家庭に難ありの高校生。
家庭に難ありの高校生とか出てくると、その問題をすごく深刻に描こうとする作品って多いですが、これはそういうところがなく、ひとつの事実として淡々と描かれてるのがいいです。無闇矢鱈に不幸ぶらない。同情を誘おうとしない描き方がすごく好きでした。
なんとなく惹かれあう高校生たちの、その“なんとなく”の部分をとても上手く表現しています。せつなくてキュンとなる。とっても好きです。
■スリーピーススピリッツ
これも、表題作と比較できないくらい好きです。なんだろ、このお方…。マジで人間を描くのが上手です。
イギリスのロックフェスで出会った日本人同士の話。
無遠慮、無作法のむっさい男×見た目キレイで精神的にややヘタレな男(ゲイ)。
会場でたまたま出会って、攻めが一方的に受けを気に入ってなぜか行動を共にする。しかもゲイだってことを早々に言い当てて軽くキスとかしてくるフリーダムさで受けを翻弄し続けます。傍若無人で型にはまらない攻めがホントかっこいい。このカップルもすんごい好き!
■河川敷はひみつきち
高校生同士。他の生徒から恐れられてる一匹狼タイプ×脅されてさからえない羊タイプ。でも、受けは攻めの本質をちゃんと理解してて、脅されてる体で本当は攻めとの関係を望んでます。鬱屈した高校生の足掻きみないなものが好き。
■メムル街のアストロノーツ
『河川敷はひみつきち』のSF風パロディ。自分の作品キャラでパロディって面白い。人工が減少し、人間を保護するためにいろいろ制約が増えたという設定。ロボットに管理されてる感じで、そっから脱走しようとする二人の話。受けの子が病気になってたんだけど、その治療薬は体液でした(もちろん攻めのw)
■アザミヶ原18号線
忠犬タイプの高校生とキレイで穏やかな教師。純愛って感じです。人も街も国も、壊れ再生して大きくなっていた昭和の時代。生まれ育った家を取り壊されることが決まった教師が、消極的だけど緩やかに時代の流れを受け入れていく描写がせつない。
なんでもないように描いてるけど、すごく奥が深いです。
どの短編もどのカップルもそれぞれ味があってイイです。すごく中身のつまった短篇集だと思います~(-ω-●)♪
《個人的 好感度》
★★★★★ :ストーリー
★★★★・ :エロス
★★★★★ :キャラ
★★★★・ :設定/シチュ
★★★★★ :構成
同タイトルの旧版との違いは
同人誌作品『メムル街のアストロノーツ』が加わっているところ。
表紙は書き下ろし。
全体を通してやさしく切ない、でも幸せな気持ちになれます。
以下はネタバレなしの寸評です。
『ファーラウェー』
『オーバーザレインボウ』
表題作とその続き。
初期の作品なので絵は上手いとは言えません…が
丁寧に描かれていて初々しさが線にもでている感じです。
キャラがどこかあどけなく可愛らしい。
ストーリーのほうも何か大きな動きがあるものではないのですが
主人公の感情の機敏がよく描かれていて
読了感はとてもいいです。
『スリーピーススピリッツ』
失恋から立ち直り話。
攻めの子は性格のカラっとした包容力のあるワイルド系。
Hシーンも含め男前でよかったです。
『河川敷はひみつきち』
受けの子がショタっぽい容姿なので中学生同士かな?
幼馴染。H度は高め。
『メムル街のアストロノーツ』
同人誌作品。ファンタジーもの。
『アザミヶ原18号線』
生徒×先生という組み合わせはあまり好みではないのですが
これは応援したくなりました。癒されます。
・あとがき
以上です。
切ない初恋物語。
リリカルな少女マンガのセリフとかわいい表情と。
BLのセックス描写とが
絶妙に融合している表題作。
旧版に掲載の作品に、同人誌のスピンオフ作品を加えた新版。
表紙は新たに書き下ろしたのか、明らかに絵が上手になっている。
この表紙の表情もいいけれど、本編のデビュー当時の絵の拙さが、むしろ幼い恋のぎこちなさを、より盛り上げる効果になっている。
表題作の他も「スリーピース~」以外は高校生が登場するお話。
どれも、幼くて、甘酸っぱい、希望と絶望に満ちた作品。
初めての日の出ハイム作品です。
絵がきれい。大好きな絵だ。とくに笑顔が好きで、ストーリーを追いかけるのを放置して、しばらく見惚れてしまいました。
美しい詩を読んでるような短編集でした。
誰もが心の奥に持ってる、青臭くて綺麗で純粋な部分をコチョコチョくすぐられてるような感じ。結構エロいのに、この読後感は不思議な感じ。