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shitsuren yuusha ha baumkuchen no yume o miruka
勇者として異世界に召喚された後、悪神を倒して元の世界に帰ってきた和音(受け)と、いきなり行方不明になってしまった彼を探し続けていた慶吾(攻め)が気持ちを通じ合わせるまでの、現代にほんのりファンタジーが混ざった物語。
主役二人はもともと幼馴染で、美琴という女性の幼馴染も含めた三人で、仲の良い親友どうしでした。ところがある日、とある事情のために美琴と慶吾は偽装結婚することになります。何も知らされていなかった和音は、慶吾への恋心を抱えたまま、失恋したと思い込んでふたりの結婚式に参加し、その帰り道でバウムクーヘンを食べていたところをいきなり召喚されてしまいます。無事に勇者として悪神を討つも、死に際に何の呪いかも分からぬ呪いをかけられ、不安を抱えつつも元の世界に帰還となりますが、帰ってきたのは召喚時点から五年も後の世界でした。間の勇者業の話は語られず、現代世界に帰って来てからが本編となります。
●好きだった点
両片思いのすれ違い感あふれるふたりのもだもだが、切なくも萌えました。
五年間和音を探し続けていた慶吾の愛や、いつまた彼を失うか分からず軟禁に近い溺愛で和音を包む姿は、慶吾の心情を想うとかわいそうながらも、ひたすら献身的でじんと来ます。一方の和音も、叶わぬ恋心と知りながらも、慶吾の態度に期待しては噂話に振り回され、事あるごとに身を引こうとする健気な態度が切なくてかわいいです。
悪神のかけた呪いのせいで迎えるラストの展開は、ひたすらに切なく胸が苦しくなるものでしたが、愛を取ってそれ以外のすべてを捨てるとでも言うべきラストが、切ない物語好きの私には刺さりました。後味の苦さ切なさや、その後のふたりがどうなるかは想像に任せる物語の閉じ方は賛否両論ありそうですが、そのウルトラハッピーとは言えない終わり方が個人的には好きでした。
●気になった点
それがなければふたりのすれ違いが始まらないとはいえ、三人ぐるみの親友だったというのにそのうち二人して「言わなくても分かっていると思っていた」で結婚式まで行ってしまうのは、あまりに友人として水臭すぎやしないかとちょっと気になりました。
また、タイトルの物珍しさに惹かれただけに、バウムクーヘンが何か伏線になってくるのか!?と最後までどきどきしていましたが、これといって特にそういうことはないのも、勝手に警戒しておいて何ですがちょっとだけ肩透かしでもありました。
以上になります。色々書きましたが、とても読みやすく一気に読めました。
あっと驚く展開があるわけではありませんが、素直に話が進んでいく恋愛オンリーのさらっとした物語です。両片思いのすれ違い、逃げる受けといったテイストのお話が好きな方には刺さること間違いないと思います!
タイトルの”バウムクーヘンの夢”という文言に興味を惹かれ、手に取ったこちら。
召喚された先から元の世界へ戻ってきたら、なんと5年も経っていて浦島太郎状態ー
というところから始まる、初恋・失恋相手とのやり直し物語です。
ちょっとざっくりで粗いなという部分や、都合いいかな?と思う展開はあれど、面白かった〜!
「萌」と「萌2」の中間ぐらいな気持ちで、迷ったのですが…ざっくりした部分や「えっそれでいいの?」と思う展開はやっぱりちょっと気になってしまう。。
気持ち的には、「萌え2」寄りの「萌」です☺︎
異世界に転生する物語は数多くあれど、勇者として活躍し、元いた世界に”戻ってきた”、しかも時間軸があちらとこちらではズレていてー
という設定・展開が珍しく、引き込まれて一気に読んでしまいました。
主人公は書店勤務の和音(受)。
中学で出逢ってからずっと片想いをしていた親友・慶吾の結婚式の帰り、 失恋の悲しみに浸りながら引き出物のバウムクーヘンを食べていたところ、突然勇者として異世界に召喚されてしまいます。
異世界で一年間勇者として活躍し、無事魔王を打倒した和音。しかし魔王を倒す直前、ある”呪い”をかけられており、その呪いがかかったまま、 元の世界へと戻ることに。
そして戻った元の世界では5年の時が経過していたことが分かり、愕然とする和音。
戸惑いながらも、無事の帰りを歓迎し迎えに来てくれた片想い相手の慶吾と流れで一緒に暮らすことになるのですがーー
と続きます。
慶吾の結婚の真相、そしてそれに関連するのですがその結婚の真相を「言わなくても理解してくれてると思ってた」という慶吾の終盤の釈明は「オイっ!」とツッコミどころ満載かなとは思うのですが;
戸惑う和音に一緒に住む家を与え、有無を言わせず同居生活を開始。そして囲い込むように甘やかす慶吾がツボ!もうこの二人、完全に両片想いだよね〜と、読者にだけ分かる慶吾の溺愛に、深夜にニヤニヤしてしまった(。-∀-)
そして、童貞くんだし奥手で何もできないかあ…と思いきや!
酔っ払って「据え膳は食う」と誘い受けしちゃう和音も意外で、おおっ、と驚き萌えた部分です❤︎
召喚先で魔王にかけられた呪いを受けての二人の決意は、個人的には「本当にそれでいいの?」と言いたくはあるし、そんな簡単にいかないよ〜なんて思う。駆け足だった感が正直否めず、少し残念でした;
そしてそんな決断をしたのなら、二人の”その後”が本編中で見たかった〜!!!
とはいえ、この先どうなっちゃうの??どう収拾つくの?と続きが気になり一気読みさせるパワーのあり、異世界トリップ”ならぬ”異世界出戻り”恋物語でした✨