駅名コンビ2人の、 予測不可能なハードボイルドBL!

中野くんと坂上くん 上

nakanokun to sakagami kun

中野くんと坂上くん 上
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神6
  • 萌×22
  • 萌3
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

263

レビュー数
4
得点
47
評価数
11
平均
4.3 / 5
神率
54.5%
著者
エムロク 

作家さんの新作発表
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イラスト
yoco 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川文庫
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784041142936

あらすじ

東京都中野区、最寄り駅は中野坂上。
海外俳優のような容姿を持ちながらもドライで合理主義なアラフォー会社員、中野湊は、
他人と深くかかわることもなく淡々と日々を過ごしていた。
ところが、地元のバーで坂上(さかがみ)と名乗る青年と出会った翌朝、
目覚めると何故か部屋に彼がいて、なし崩しに居着いてしまう。
本名も素性も不明な居候との生活が半年を迎えた頃、
期せずして2人の関係が変化するとともに衝撃のアクシデントが訪れ、
中野の日常は思いも寄らない方向へと劇的に変わっていく――。

表題作中野くんと坂上くん 上

会社員,プライベートバンカー,37歳
中野の同居人,30歳

レビュー投稿数4

こういうの助かる。

文、展開共にスタイリッシュ、本当にこういうの待ってた。映画とか海外ドラマよく観る人やったら好きなんじゃないかなあ。露骨なイチャイチャ描写はなくて、一日の終わりにご褒美程度にある感じ……
2人の周りの人間関係やキャラクター、風景描写が上手くて読みやすい。読んでて楽しい。
伏線多いのにちゃんと回収して納得いくし面白い。読む苦痛がない。
大人同士の恋愛良いなあ。
読んでてめっちゃビール飲みたくなる。オムライスも食べたくなる。
今日はね、レンチンオムライスにハイネケンです。

2

荒唐無稽な展開に圧倒されつつ

めちゃくちゃラノベだ、と思ったら元はWeb小説だった。
なぜか家に居着いた相手が銃で人を撃ち始め、元カノが夜襲をかけてドンパチし、同僚が実は護衛でしたという始まり。その後も裏世界(?)の個性的なキャラがどんどん登場し、主人公はなぜこんなことに巻き込まれているのか?と気になる。
トンデモ展開に圧倒されつつ、坂上のキャラがとても魅力的で楽しく読めた。

主人公の中野は何事にも動じない、淡々とした語り口の視点主。坂上以外は、たとえ知り合い(元カノ)が流血していても知らん顔。思ったけど言わない、という心理描写が多く、理屈っぽい印象。
平凡な会社員なので戦えず、実際にはただ護られているだけなのに、常に平常心なおかげで坂上と対等感があり、良きカップル。

坂上は感情表現が苦手で、裏で何をしているか分からない。中野視点ではそう描かれていたが、「幕間」で入る坂上視点の過去から現在へのエピソードでは、気弱な人間らしさや思い出を大切にする可愛らしさが見られる。

中野が狙われる理由は、上巻で明かされていた。期待を煽られていただけに、これは正直微妙というか、あまり興味を持てない内容。いきなり出てきた敵と感情的な因縁ゼロの相続ゲーム。まあ国をまたいだ派手な喧嘩が見られそうなのは楽しみ。

引っかかったのは簡単に人を殺し、その扱いが軽いこと。目撃した中野が殺人を気にしていないのも怖い。それでいて女性という性には説教臭く物申す中野、ここには無関心を貫かない謎。

BL的には坂上が初恋の人に再会し、中野は情が移りほだされからの沼(ハマっちゃった)って感じなのかな。すんなりヤってイチャついていて、たまに中野の嫉妬がダルい(笑)。
ヤりながら人を撃つ坂上と、そのままヤり続ける中野にはびっくりした。

上巻は中野がピンチか?てところで終了。テンポ良く進み、読み応えは十分。
坂上側の事情や裏のネットワークがとても面白そうなので、下巻ではそこらへんも詳しく描かれると良いな。

0

ちょっとキュンとする、コメディタッチの暗殺者の小説

テンポよく読めます!さっぱりとした読み心地なので、サクサク読めました。
サラリーマンの中野の家に、居候となった坂上。
帯で2人の関係はわかっていても、なんで?どうして?こうなっているの?と思うと、次々ページをめくってしまいます。
脇役も面白いです。
でも、1番変わっているのは主人公。さっぱりした性格がよかったです。
濃厚なラブストーリーを読みたい方は物足りないかも。
確実に2人の間に育っていく感情はあります。
戦闘シーンも軽めです。
心を抉られたくない時におすすめです。

0

奇妙な同居生活

非BLレーベルから出版されていますが、BL作です。
同居もの+ハードボイルドの文字とyocoさんの素敵なイラストに惹かれて購入。

バーで出逢い、気が付けば中野の自宅に転がり込んで棲みついていた青年・坂上。
坂上というのが本名なのかも定かではなく、名前どころか職業も知らない彼との奇妙でスリリングな同居生活が綴られていきます。
ふらっと現れたかと思ったらまたふらっといなくなる、猫のようでいて謎めいた坂上との生活をなんだかんだで自然と受け入れている中野の図を眺めていると…

序盤も序盤。突然の展開にえっ?となってしまうんです。
どういうことなのか。いったい何が起こっているのか?
読みながらこちらは混乱の最中だというのに、主人公である中野は動じていない不可解さ。
命の危険を感じる物事に巻き込まれていても、不思議なほどにあまり感情の起伏がなくて、ちょっと得体の知れないなにかをずっと噛んでいるような変な感覚になるんですよね。
次第に坂上との同居生活がスリルあふれるものになっていくのですが、とにかく謎が多いので疑問を抱いたまま読み進めることになります。

何かに巻き込まれる主人公というのは、一般的にはもっと慌てたり疑問を強くぶつけたりしそうなもの。
ただ、中野はそれをしないんです。
次々と襲い来る危険の謎が分かりそうで分からない+中野の独特な思考もあいまって「なんだかよく分からない」が続く居心地の悪さにもやもやしました。
嫌ではないもやもやというか、変な気持ちにさせられるというか。
妙に気になってしまう独特の味と雰囲気があります。

BL的な萌えどころとしては、甘みは少なくドライ。
恋人関係ではない。でも嫉妬めいたものはある。
この辺りかなと思います。
秘密基地のような住処での同居生活の中で、少しずつ育っていく中野の情緒も見どころでしょうか。
謎多き坂上視点もすごく良くて、ああー…なるほどそうだったのねと頭を抱えました。
これは読んでとしか言えませんが、ぐるぐるとした内面が伝わる文章で私は好きです。
オムライスが良いんですよ…

個人的には、後半の展開は特に面白かったのに、説明の多さとごちゃつきでだれてしまったのがもったいないように感じます。
WEB上で連載されていたそうなので、少しずつ区切っていたものをあわせたらそうなるのも仕方がないのかな。
上巻ラストで失速してしまい、うーん…と思いつつ、彼らの続きを最後まで見届けたいです。

1

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