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砂原糖子さんのデビュー作が、ルチル文庫より復刻版で登場。
復刻版には「シンプル・デイズ」という、商業誌未発表作品も収録です。
主人公は傷心で都会から海辺の町へ逃げてきた、
無気力美人のコピーライター浅名。
そんな彼の頑な心を溶かす王子様は、年下のサーファー永倉。
特に派手な展開があるわけではないですが、徐々に気持ちを近づけていく二人の姿が、
穏やかな海の日差しのように描かれています。
「デビュー作には、その作家の全てが詰まっている」
と、よく言われますが。それを実感した作品でした!
グルグルと悩み、自分の世界に閉じこもる受け。
そんな受けを外界に連れ出す攻め(ある意味、理想の王子様)。
攻めによって受けが前向きに変わっていくような流れ……
砂原作品の原点・醍醐味が、この作品に詰まっています。
大好物の年の差もの。そして年下攻め。
砂原さんのデビュー作だそうですが、面白かったです。
特に目新しい感じもなく、些細な日常をひたすら繰り返すという手法ですが、それゆえに緻密な心理描写に作品世界に惹き込まれる。
同じありがち設定でも、心の揺れ動きで差が出るというか、個性が出るもんだなぁ……と。
年の差にぐるぐる悩んだり、諦め癖がついてる受の懊悩もいいですが、対照的な攻の底抜けな明るさもいい。
しかもこの攻の家庭環境は複雑なんですが、そんなことはひとつも表に出さないのがまた……。
そのくせ受以上に愛情に飢えてて、心の底では「帰る場所」を必至に求めてあがいてる姿に身もだえしました。
年上受相手に、大人ぶろうと一生懸命なところもきゅんきゅんします。
作品を通して特にドラマチックな展開があるわけではないです。
まるでタイトルの「シンプル・イメージ」のように、無駄を省いたゆえに浮き上がってきた、キラリとした心の動きに注目です。
砂原先生のエロが好きなんですが、デビュー作にしてエロがエロい。素晴らしい。
失恋と同時に仕事を辞め、都心を離れて海岸沿いのマンションへ引っ越してきた浅名。フリーランスのコピーライターとして細々と仕事を続けていた彼は、毎日のように近所のコンビニに通っているうちに、店員の一人と顔見知りになる。屈託のない、九歳年下の明るい永倉と親しくなっていくのだが…。
ストーリーはスタンダードな年下攻めモノだと思うんですけど、攻めより大人なはずの受けの、揺れまくる恋愛心理がメインに描かれています。アラサーとはいってもまだまだ若いっす。そりゃわたしも十代、二十代前半くらいまでは三十歳は大人だと思いましたが、今じゃこの浅名は頑張って大人しちゃってるように見えました。オッサンだなんてとんでもない。
浅名はなんだかんだ後ろ向きな性格。恋には一途で、心が伴わないセックスを好まず、潔癖で頑なだったんですよね。けれど、惚れた相手に崩されてからは、感じやすくってすぐにイっちゃう身体になってしまうという…。最後に収録されている「シンプル・デイズ」にサラッとぶっ込んでくれています、ホットな濡場を。こういう受けは実にけしからんです。←もっとやれ的な。
浅名が恋に落ちちゃった相手は、えートコのボンなんですが、浅名に隠していることがあったりして、ちょいちょい浅名はショックを受けるんです。でも永倉は彼に嘘をついてしまうくらい真剣で、浅名の仕事の元パートナーである砥綿に猛烈にジェラシーしちゃいます。その後のエッチのまぁエロエロしいこと。
仕事終わりに砥綿と飲んで帰ってきた浅名。マンションの外で砥綿が浅名の髪を梳くところを見ていた永倉が、部屋に入ってから浅名の気持ちを確かめようと、砥綿が髪を触った部分にチュッチュするシーンに萌えました。永倉が早熟すぎてちょっとビビるけども、若さゆえの万能感がカッコイイ。その反面、表には出さない必死さにハラハラさせられたりして。
嫉妬から先行きが不安になったり、喧嘩したり…。恋愛に大人の分別は全く役に立ちません。やっぱり、心理描写をしっかりと踏まえた上でのエロが熱いんだな〜、って思わせてくれたお話でした。
全編に海の香りが漂う良作でした。表紙のイラストからみると、まさか攻めが高校生だったとは思わなかったんですが、航本人も子供だか大人だかわからない、境目の人だったので“高校生じゃ幼すぎるしなー”と思わずに読めました。周囲の人間関係を考えると、大学生あるいはフリーターの設定ではちょっと無理が出ちゃうんだろうなとも思いました。(どんだけ大人好きなんだ私)
もう一人の主人公浅名(30才)が流され侍で、「自分はどこ?自己アピールしなくていいの?」って言いたくなっちゃうくらい「自分が引いて上手く回れば、我慢くらいなんのその」な人なので、3歩進んで2歩下がる状態。でも、私もどちらかというとそんなタイプなので、なんだか結構入れ込んで読んじゃいました。「どっちでもいい」という考え方は、時として相手任せで無責任な感じですが、「あなたの意見を尊重します、私はどちらも嫌いではないので」という意味だとすれば、遠慮深いともとれます。遠慮が美徳とは思いませんが、自分の意見に絶対の自信を持てない場合、こうなっちゃっても仕方がないですよね。
55ページで「自分は…淡白とは違うのかもいれない。 欲しがる勇気がないばかりに、諦めるのに少し長けているだけだ。」って言っています。私の心の代弁者だと思った台詞です。
そして、航の超能力並みに浅名の心を感じ取る力をすごく嬉しく感じました。顔色を読むってやつですよね。全てを見透かされるのは怖い気もしますが、なかなか自分を出せないタイプの人間にとったら、輝ける存在だと思います。
航の将来を考えても、まだまだ多難だと思いますが、幸せになって欲しいなと思うカップルでした。
砂原糖子さんのデビュー作らしいです。デビュー作とは思えないぐらい完成度が高かった。
丁寧で透明感のある文体、緻密な心理描写、優しくてもろいのに、芯は強い登場人物etc、砂原糖子の源泉を堪能しました。
主人公(受け)は30歳らしくない30歳でした。仕事はできるし、セックスの経験値もそこそこあるのに、恋愛に関してはダメダメだ。ウジウジと年齢を気にし、焼き餅をやき、しかもその感情をうまく相手に伝えられず。こんなオトナに惚れてしまった高校生が可哀想だw
ただ、だからこそ、相手が高校生(攻め)だというのに、二人のシーンではぜんぜん年の差を感じなかったです。攻めは爽やかな好青年でした。心の疵はありますが、それを隠して処理する能力がある。こんな高校生もある意味やだw
でも、カップルとしてはお似合いです。
『シンプル・デイズ』は蛇足だと思ってしまったけど。
年下攻で押しが強い子が好きなので、とても好きな一冊です。
これのノベルスから、砂原さんを作家買いし出したくらいです。
ただ、文庫になった時にあらためて読み返してみると、けっこう攻の設定は激しくBLでしたね。なんちゃってセレブというか。受の仕事にもバブルな時代の香りが。
今の砂原さんの作風だと、ずいぶん普通のBLっぽいというか(苦笑)
振り返ってみると、いかにもBLらしい設定の中で、微妙に外しのある展開が好きだったのかな、と思います。
砂原さんのデビュー作。
田舎町といっても比較的都心にも近そうで、いわゆる閉鎖感のある田舎ではないです。
海があって夏は観光客でごった返すけど漁師街じゃない土地柄もあるでしょうが、海風が吹き抜けてる感じ。
長く密かに想っていた相手が結婚してしまい、浅名[受]は海岸のある田舎へと引っ越してきます。
そこで毎日通うコンビニの店員永倉[攻]から話しかけられ、最初はそれを鬱陶しく感じるも次第に彼の存在が日々大きくなっていきます。
最初から30代の浅名と、学生バイトの永倉で年下攻だとは分かってたんですがまさか高校生とは!!
そこはちょっと意外でしたが、高校生的な面を見せる事はほとんど無いですし浅名の感情を読み取るのが上手くむしろ強引過ぎない程度に引っ張っていく永倉は最初名乗っていた通りに大学生位って感じで読みました。
挿絵も大人っぽいしなー。
読んでて、ここはちょっと良いなあと思ったのは、浅名のかつての想い人である砥綿は妻子ある身ですが、その結婚生活がちと上手く行かなくなってこれはひょっとして砥綿が浅名に?って雰囲気が少し出るんですが別にそんな事はなく普通にどこまでもノンケで家庭を持つ男なのが良かった。
そこで浅名に行っちゃう展開ってよくありがちじゃないですか。
そう行かなかった匙加減がなんか好き。
基本的に浅名は受動的性格なので、永倉とはお似合いかなって気はします。
さてさて、砂原作品であります。
わりと可愛いというか、読後が爽やかで心地良い作品が多い印象。
とかいいつつ大して数読んでないんだけど*_ _)。o○
お話は、傷心で田舎町に引っ越した受が、わりと強引というか、年下の男にやたらと懐かれてしまうところから始まるピュアラブ~な作品であります。
なんというかねぇ、強引といえばまだ聞こえがいいのですが、ずうずうしいというか、ズケズケしいというか。
受け入れられるかられないかの微妙なところかなと私は思ってしまった。
今回の作品では、そのずうずうしいまでの懐きっぷりにトキメイてしまう受だったわけですが、強引過ぎるのもどぅよと私は思ってしまいました。
年下のワンコ・・・と見ればわるくないですが、過剰すぎるのが・・・。
でも社会人を高校生が攻めるという設定は嫌いじゃないw
後半からのラブモード。
田舎町に慣れ、恋人関係にも~からな話。
やっぱり甘いのは好きですね。
受が幸せそうに、うれしそうにしているのを見ると癒されます。
うまうまw
1冊すべて表題作カップルの話です。浅名(受け)の視点で進みます。
「シンプル・イメージ1」で二人は恋人同士になり、
「シンプル・イメージ2」で不安を抱きますが未来へ歩む決意をし、
「シンプル・ライフ」は引っ越して3年後のラブな暮らしです。
航(攻め)は、文章では年下らしい若々しさが会話や描写に垣間見えているので年齢に納得ですが、表紙イラストでは高校2年生は無理がある大人な落ち着きぶりで騙された感がありました。でもカッコイイですけれど。
長い片思いに疲れた美人受けを癒す年下男前ががお好きな方にお勧めだと思います!浅名が航に惹かれていく過程も悩む経緯も自然ですし、切ないながら全体的に明るさを感じる素敵な作品です。
ただ、航は17歳ながら既に年上女性の家へ転がり込んでいた過去がありますので苦手な方はご注意ください。