たからもの 下

たからもの 下
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×20
  • 萌0
  • 中立1
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
1
得点
1
評価数
1
平均
2 / 5
神率
0%
著者
やまかみ梨由 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
双葉社
レーベル
双葉文庫名作シリーズ
発売日
価格
¥619(税抜)  
ISBN
9784575725766

あらすじ

顔も頭もカラダもテクニックも最高の智。でも恋愛初体験の尚之は、とまどうことばかり・・・。さらに智の元カレ・ヒロトの出現で、尚之のココロはパニック状態!ふたりの恋の行方はどうなってしまうのか!?秘蔵蔵出し作品「クリスマス・スペシャル」も収録して"たからもの"ここに完結。

表題作たからもの 下

智,大学生
尚之,中学生,15歳

レビュー投稿数1

「わからない」がもどかしい

上下巻合わせてのレビューです。

電気も通っていない島でおじいちゃんおばあちゃんに囲まれて育った尚之(中学を卒業した15)が「修行」の名目で育ててくれた祖母に東京へ送り出されます。
尚之が信号機に登る冒頭シーンからぶっ飛んでいるのですが、テレビも電話も一般家庭にはない、さらに子供は尚之ただ一人という環境で育ったら…と考えると、常識の枠を外して読まないといけない作品です。

尚之の野生児っぷりは可愛くていいのですが、従兄弟の智(19)が絡んでくるともう…。
このうぶすぎる少年が相手にするにはスキルが違いすぎるというか、次元が違いすぎるのです。
高校時代から名を馳せていた遊び人のイケメン、男女どちらもOK。
尚之に手を出したのも最初はからかい半分のゲーム感覚。
攻めが「おれ、上手いから」っていう台詞をいう作品ってちょいちょいありますが、この一言に「経験豊富です」感が溢れてて、ヤリチンビッチ苦手派としては気持ちが萎む台詞ベスト5に堂々ランクインしてます。

振り回すつもりが振り回されて、からかうつもりが本気になって、というのは結構好きな展開なんですけど、いかんせん尚之がうぶ過ぎて。
何もかも「わからない」のです。
好きかどうか「分からない」。
信じてるかどうか「分からない」。
言葉が大事かどうか「分からない」。
この「分からない」が2巻通して続きます。

2巻の中頃になって、大人気ないおばちゃんは思ってしまいました。
「分かれよ」と。
そろそろ分かっていい頃でしょうが、と。
スタート時は何も分からない野生児でいいんです。
でも2巻の時点でもう1年東京にいるんですよね。
予備校で友達もできて、高校にも入って、そこでも友達ができた。
テレビも電話もある生活をして、高校入学時点で17才になる年なんです。
特に予備校の1年、女子とあれだけつるんでたら情報過多になるくらい情報入ってるはず。
なのに「分からない」んだよなあ。

ピュア担当なので致し方ない。
この作品は生粋の、天然記念物ばりのピュアっ子が、遊び人イケメンを本気にさせつつ、自分も初めての恋で成長していくのがテーマだと思うので、尚之のピュアっぷりを楽しむのが正解なんだと思います。
でも何だろう。
ピュアなんだけど、何かわたしが思うピュアと違う。
後先考えずに本能で「おわー!智が好きだー!」とぶつかっていき、当て馬風が出て来ても浮気疑惑があっても「おれはおれが好きになった智を信じてる!おれの直感が智を信じていいって言ってる!」くらいの真っ直ぐさじゃなくて、「分からないよう、ごはん食べられないよう、眠れないよう」という内にこもるタイプでした。
内にこもってくれないと心の成長ができないので、尚之が猪突猛進タイプだとテーマに合わなくなってしまうのは分かる。
でも尚之、分からな過ぎ。

というわけで、「何も分からない純朴少年が分からないことを理解しようともがく」姿を楽しめる余裕があるときに読むことをオススメします。
たぶん「電話もテレビもない、同世代もいない」環境で15年育つということがどういうことかをきっちり想像できないと「も、もどかしい!」と思ってしまうと思います。

個人的には同級生の誠太郎推し。
この子とくっついたら分からないことを一個ずつ一緒に悩んで分かるようになれたのになあ。

0

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