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anata ni nita otoko
2003年にビブロスから発行された単行本「禁じられた友情」に収録されていた「禁じられた友情」と「あなたに似た男」シリーズのタイトル作と「君に似たひと」、そしてそれぞれの作品に関連する同人誌から3作品が加えられています。
単行本「禁じられた友情」に収録されていた作品についてはそちらの方でレビューしたので割愛します。
私はなかなか同人誌を入手出来る環境にいないので、このように商業誌で同人誌の作品が読めるというのは嬉しい限り。
タイトル作の同人誌は「ぼくに似た人」と「life」が収録されていて、少し逞しく成長した優が見れました。
潔癖症でちょっとなよっちぃ印象を与える彼ですが、内面は確実に強く成長しています。
これらかの長い将来を考えてる2人だなと思いました。
「禁じられた友情」関連では同人誌から「禁じられた愛情」が収録されています。
これは主人公2人が出会った頃のお話。
これまで南の家庭環境が分からなかったのですが、このお話で少しだけ触れられています。
なぜ全寮制の学校に来たのか…彼も決して恵まれた家庭環境ではなかったようです。
そんな2人がこれからもお互いに支え合っていければいいな、と思った作品でした。
梅太郎さんの初めての文庫版です。2つのシリーズが収録されています。どちらも切なくて、でも優しくて温かいお話です。
『あなたに似た男』シリーズ
大学生で潔癖症の優は、最近友人の西尾が彼女といるのを見ると、訳もなくイライラします。
そんな優がアルバイトを始めたのは、西尾のおじさんの加島の喫茶店でした。加島は、優がどれだけ掃除をしても、お金が触れなくても、優を認めて他の人とは違う物の見方を教えてくれるのです。
最初は、西尾に似てるから西尾を想像して見てたのに、いつしか加島の中に西尾を見なくなる優。なぜか加島なら触られてもキスされても大丈夫だった時から、答えは出てたんだろうけど。
そして、心の中にストンと落ちてくるのです。加島に似た人はどこにもいないと…。
加島の大人の包囲力で、優を愛するのがキュンキュンきます。優も、加島の影響でだんだん変わっていくのが良かったです。
お互いがお互いを大切にする様子に、こころが温かくなります。
もう一つのお話の『禁じられた友情』では、心に傷を持った二人が、相手の存在によって強くなれるお話です。このお話の方が切ないです。
密かに好意を寄せている友人の紹介で、喫茶店のバイトを始めることになった優。
その喫茶店のマスター(友人の叔父)は、驚くほど友人に似た男性だった―。
潔癖症で、1日に何度も手を洗ったり、一生懸命掃除ばかりしている優を
とても優しい目で見つめてくれるマスターがとにかく素敵です。
『お店にお客さんが払ってくれたお金はね、この店が好きだよって証拠なんだ。
ありがとうって気持ちのこもった愛しいお金なんだよ。』
お金を触るのが苦手だと告げた優に、そう話したマスター。
その後、お客さんからお金を受け取れるようになった優。
人を否定しないって、美しいことだなぁ…と思います。
どんどんマスターに惹かれていく優が可愛いです。
そして、ゆっくりと確実に人として成長していく姿も
好感が持てました。
ちょっぴり切なくて優しい、読後感が良いお話です。
『あなたに似た男』シリーズ
潔癖症なメガネ受けと、喫茶店のマスターなオトナ受け、優しい恋のお話。
攻めが「受けの潔癖症を治す」んじゃなく、「受けの潔癖症をまるごと受け入れて、楽しむ」のが凄く良かった。
互いに何かを我慢するわけじゃなく、受けは思う存分にあちこちを磨き、攻めはその様子を「可愛いなぁ」と眺めてる。
そんな構図のなかで、受けの潔癖症が少しずつ改善されてくるんですよ。
ラスカル化してるときの受けがやたら可愛い。
心がホカホカするシリーズでした。
『禁じられた友情』シリーズ
繊細で、すごくいい作品でした。
心に傷を持ってる高校生の男の子二人が、互いの傷を癒し合う話。
脇役も、脇らしい魅力でいっぱい。
これが商業雑誌だと難しいのかー。なんでだろう?攻めがオカマ喋りだからかな(オカマ喋りには事情があるんだけど)。