素晴らしい失恋

subarashii shitsuren

素晴らしい失恋
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神10
  • 萌×25
  • 萌8
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
8
得点
94
評価数
23
平均
4.1 / 5
神率
43.5%
著者
西田ヒガシ 

作家さんの新作発表
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媒体
漫画(コミック)
出版社
竹書房
レーベル
バンブーコミックス 麗人セレクション
発売日
価格
¥562(税抜)  
ISBN
9784812467787

あらすじ

仕事はできるがこと恋愛に関しては誠実度ゼロ、とっかえひっかえ女とのドライな関係を繰り返す新任課長・内藤だったが、その行動の裏には実は上司である日野田部長への言い尽くせない想いと狂おしいまでの渇望が渦巻いていた。
そしてそんな彼の情動は、ある日彼に恨みを持つ見知らぬ男からレイプされるというアクシデントにより、思わぬ形で部長の心を動かすことになってしまい――!?

表題作素晴らしい失恋

振られた妹の復讐をしに来た男
部長に片思いする新任課長

同時収録作品オレの社長 僕の秘書

秘書
倒産危機にある会社の社長

同時収録作品快楽の地

現地通訳案内
海外出張の会社員

同時収録作品乞う者

同時収録作品いちばんの愛

社長
社長秘書

その他の収録作品

  • 恋のカタチ

レビュー投稿数8

“素晴らしい”失恋…

あまりの切なさに涙が止まらなくなりました…。
“素晴らしい失恋”……まさにそうだと思います。

どうしようもなく部長に惹かれているのに、「大したことない、どこにでもいるオッサンだろ」といいながらも部長の声や視線の全てを意識したり、部長に誉められて小犬みたいに無邪気に喜んでしまう内藤が可愛らしく、恋してるなぁと思います。
部長を想って「俺を抱きしめてほしい――俺を抱いて…。」と願う内藤が切ない。

男にレイプされてショックをうける中、
「部長ならきっとやさしく愛撫してくれて、ギュッと抱きしめてくれて…。
俺はどうかしてる、部長はホモじゃなくて奥さんも子供もいて…。
夢見るくらいいいだろ……。夢の中でくらい…。」
と内藤が部長を想うシーンが切なくて胸が苦しくなる。
そんな切ないシーンのあいまに西田東のギャグがきいていて笑わせてくれる。
なんだかほっとします。
ラストシーン
「――俺は妻を愛している。誰にも壊させない俺の大事なもの達だ。…だから壊さないでくれ。…頼むよ 内藤 俺一人じゃ自信ないから……。」
と部長が内藤に告げ、やさしく抱きしめるシーンに涙が止まらない。

「―俺がずっと好きだった たぶん今までの人生で一番好きだった――俺の理想の人…
強くて度胸があって、やさしくてカッコいい……俺が惚れるのも無理はない。」
「あの人を好きになってよかった…。」
という内藤の言葉に切なさで胸がいっぱいになってしまう。

失恋して切なくて苦しくて、それでも幸福感を感じるラスト、素晴らしいです。
男たちの精一杯恋している姿に感動しました…。

4

物足りなさ加減がたまらない

一分の隙もなくフルメイクで気取った服装の人よりも、ジーンズにTシャツ、ちょっと髪の毛がはねてるぐらいの人の方が、友達になりたいと思うのと似てるような気がします西田作品。
社長と課長(飼い主と仔犬)、若社長と秘書(新しい飼い主と番犬)、現地通訳と出張リーマン、義兄と義弟、最後がまた社長と秘書。
正直悶え死にそうに・・・。
リーマンものが特別に好きってわけじゃなかったんですが、若く美しい社員同士の☆;+;。キラキラ~・゚・。;+;☆じゃなくて、オジサマに恋する若者ってのが、たまりません。
概ねシリアスで重たい感じの作品ばかりでしたが、くすっと笑える箇所が少しだけ用意されていて、そのバランスもまた絶妙でした。
帽子ゲロや、納豆撒いちゃうとか(笑)帽子の方は本筋に必要ないようでいて、レイプ犯の人の好いところを的確に表現している重要イベントになってますし、納豆もまた然り。こっちはちょっと強引だけど。

短編ならではかもしれませんが、すべてがあとを引く感じで、続きでもう1冊、いやもう2冊ぐらい読ませてほしい!

2

普通のオヤジなのにハマる

5作品の短編集と描き下ろしが収録されています。すべてリーマンものです。読後に見るとカバー下がちょっと切ない…。

「素晴らしい失恋」
内藤は恨みを買った女の兄にレイプされてしまいます。そのことをきっかけに部長への思いを自覚してしまい…。レイプした男なのに、なぜか憎めない役回りにしてしまうのが作者様の見事なところだと思います。内藤をふる部長、格好良かったです。

「オレの社長 僕の秘書」
新社長の松永(攻め)を支えようとする秘書の小南(受け)。ですが、倒産の金策作りに松永は男に抱かれようとしますが…。
倒産はしたけれど、二人でいれば幸せ。道端で納豆をかけられるとか何でじゃとは思いますが、そこを楽しめる人にはお勧めの作品です。攻め受けが読みはじめと反対だったのも面白かったです。

「快楽の地」
天野(受け)は出張先の海外で、通訳兼案内係の田中(攻め)と出会います。田中に惹かれる天野ですが、現地人にレイプされ、それを田中に目撃されて…。
二、三日の短い滞在期間中の話なのですが、惹かれていく過程が自然で良いと思いました。

「乞う者」
事故死しためぐみの一周忌。墓の前で、元夫の智之と、弟の明彦は…。
思い題材なのに、短いページできれいにまとめられています。ストーリーテラーだと思いました。

「いちばんの愛」
秘書の正木(受け)は、白崎社長(攻め)が好き。だが、妻子持ちである彼への思いは叶うものではない。それでも彼にとっては…。
正木が映画館で男を漁っている姿を故意に教える、そしてそこへ社長が行って抱いた後で、ラストはこう来たかという感じでした。

「恋のカタチ」
「素晴らしい失恋」と「いちばんの愛」でフラれた若者二人が屋上で話します。恋をしましょう、と空を見上げますが、この二人では恋愛にならない気がしてます。

みんなそれなりに年を重ねた大人。だからこそ、好きだという思いだけではうまく行かないこともある。ギャグテイストだけど切ない、でもそれだけでは終わらず、希望や光がある。そんな作品群でした。好き→エッチ→ハッピー、という王道パターンに飽きた方にお勧めです。

1

沁みるなぁ…

麗人の西田先生の短編集はどれも傑作。
本作は6作品収録。タイトル通り失恋というか切ない話が多い。

「素晴らしい失恋」
押し殺した心の奥に抱かれたい願望をいだく傲慢リーマンの内藤。
自分にキツく当たる部長が気になって。
女性に対してクズ野郎だったので知らぬ所で恨みを買い、ある晩突然押し入ってきた男にレイプされるが…
なんというか、超展開ですかね。でも心にグッとくるラスト。

「オレの社長 僕の秘書」
無能な二代目社長と、前社長からの秘書。
会社の危機というシリアスな舞台ながら、展開はギャグ。

「快楽の地」
商談で東南アジアの国にやってきたカタブツリーマンと、案内兼通訳の日本人。
気晴らしにと出かけた店で男たちに連れ出されレイプされるが、違う空気と風土の中で悪夢のはずが男への恋に変わる…
でも日本ではどうかしらね…?

「乞う者」
姉の夫を誘惑(?)した晩、どうやら姉が見てしまったらしい。
だが想定してなかったのは、その後姉が事故死したこと。
2人の苦しみは2人で抱えていくしかない…切ないです。

「いちばんの愛」
社長秘書は隠れゲイ。彼が仕える社長はいつも思わせぶりな言葉や視線を送ってくる。
秘書は社長の勧める見合いを受けようと言い、身辺調査がある事をわかっていてわざと映画館で男を漁る…
叱責されて秘書を外れるが。
この結末はほんと心を抉りますね。どうすれば良かったのか。誰も間違ってはいないけれど。

「恋のカタチ」
多分「恋をしましょう」の2人。恋のカタチってtnk型の雲…?

0

オヤジ、オッサン、おじ様、どう呼んでもボーイではないけれど

コレもBLって言っていいのかな?
ボーイズは欠片もいないし

BLって簡単に括るけど、「男」は、「男の子」ばかりじゃないわけで
萌えポイントも十人十色
書きたい物を書こうとしたら、必然的にこうなった

そう「西田東」ってだけでも明らかなように、
全編、コレ、みごとにオッサンしか出てこない。
「平均年齢」にしちゃったら40代?  みたいな

で、この、オッサンへのラブが切ない
絵柄もストーリーも地味なんだけど、それ故のリアルさが魅力。
だからといって、ガチ向けでもない。
その微妙な匙加減が、巧まずして絶妙。

BL読みの中だけで読まれるのはもったいない
朝日新聞の夕刊とかに書評が載るような、大人なマンガ読みさんにこそ読んで欲しい。

3

ともふみ

この本だけまだ未読なんですが、レビューで書店に走りたくなってしまいました。
どの単行本かは思い出せませんがあらすじにメンズラブと書かれていて、確かに…と激しく納得した記憶があります。
BLだろうがMLだろうがSL(シルバーラブ 笑)だろうが西田さんについていきますが☆

良作を描かれる漫画家さん

西田先生の作品の評判は聞いていながら、初めて読みました。
絵がヘタとは思わなかったです。イラスト的なキレイさはないし、カオやカラダなり、美しく描けてるかというと、そうは言えないかなあとは思うのですが…、
ストーリーも生真面目に構成してあるように、絵も生真面目に構図がとってあるなあ、という印象を受けました。

注目すべきはなんとオヤジたちが生き生きとし、かわいらしく、人間的であることか!

わたしはこの短編集では『いちばんの愛』が』好きです。
社長に思いを寄せるゲイの秘書。
社長は秘書の気持ちや性向に気がついているのか、いないのか…と、やきもきさせ、
ラスト、社長は妻への思いをとつとつと語ります。
「おれはそんなあなたを好きになってしまったんだから」という秘書の涙がせつない。
 大人な内容でした。
今後もこの作家さんに注目してゆきたいと思います。

3

(自分が)歳を取ればとるほどファンになる

萌萌。(MAX:萌萌萌:神に近い)
今更なんですが、心底メンズラブを描かれる作家さんだなあと。
それをつくづく感じさせてくれる、MLの宝庫のような1冊です。

「素晴らしい失恋」
女性とドライな関係ばかりを続けながら、既婚者の上司に密かに焦がれている主人公。
恋愛成就がお約束と言ってもいいBLですが、それを裏切るタイトル通りちょっとビターなお話。でも、ほろ苦さの中に独特のユーモアや暖かさもあり、優しい余韻で締めくくられます。
こういう成就の仕方も素敵ですね。
心からこの人を好きになって良かった、こんな人だから好きになったんだと思わせる部長の言葉に私ももらい涙。

「オレの社長 僕の秘書」
メンズなのに、ものすごーく可愛い二人でした。
倒産スレスレの会社を引き継いだ元社長の息子と、その秘書の金策奮闘という結構世知辛い内容なんですが、例の茶目っ気全開の西田節で、とてもチャーミングなお話に仕上がっています。
この脱力しちゃうようなノリ、ほんっっっっっと好きだな。
なんなん、うっかり納豆まいちゃってとか…うんうん、よくあることですよね!って、コラーーーー!!(笑顔)

「快楽の地」
堅物リーマンが出張先の外国で遭遇した出来事と、男。
隙無し堅物スタイルと、髪の乱れた眼鏡無しの受けのギャップがたまりまてん。攻めの後ろ姿ひとつで終わらせるラストのあっさり具合もイケズでいいです。

「乞う者」
亡くなった妻の一周忌を機に再会する、元夫と弟。
乞う者とは誰のこと?何を乞うのか?そんなシリアスな恋です。
西田さんは時々こういう死者が繋ぐ二人の話を描かれるのですが、必要以上に死者を美化したり卑下したりせず、生き残った主役たちの目を通してのみ死者を語らせるところが、人間を描かれている方だなあと感じます。

「いちばんの愛」
ぐっときました。
既婚のノンケ社長(攻め)←ゲイの秘書(受け)というデジャブなシチュにデジャブなカプですが、プロットは絶対デジャブらないし、且つ印象的なところが相変わらず凄い。
自滅的な秘書の行動、ぶるぶると震える手、獣のようなセックスの後の額へのキス、決して秘書と目を合わせようとしないままの社長の涙ながらの妻への告白。
そういうひとつひとつのエピソードが、好きだという気持ちのみで何もかもを割り切ることができない大人のしがらみと不器用さを、よく表わしています。
そして、その不器用さに振り回される彼らが、なんだか愛しく感じられて仕方ありません。

西田作品はいつも、人間的な弱さに寛容的なんですよね。
積極的に肯定しているとかではないんだけど、絶対に否定しない。
それは突き詰めれば、どの人間も否定していないことに繋がっていて、例え対立するような立場のキャラでもそれは同じ。
この寛容は、歳を重ねれば重ねるほどしみじみと響いてくるものがあります。と思います。なんせ、西田作品に出会った頃の6.7年前は、そんなにファンじゃなかったしなあ。
同じようにぴんとこなかった人は、数年たってからまたチャレンジして欲しいです。

そしてあとがき漫画がないのがさみしい。代わりの書き下ろしミニ漫画「恋のカタチ」が収録されてます。
……って、またでた!他コミックの書き下ろしミニ漫画。
なんで同じコミックじゃないの……

3

相変わらずの西田節

この本も、オヤジ好きリーマン好きにはたまらん一冊になってます。
西田さんといえばオヤジ、オヤジといえば西田さん。鉄板ですね。
もう絵が下手なんて思わなくなっちゃったよw
短編集です。

どれも秀逸で粒揃いの真珠のような作品ですが、やっぱり表題作が一番良かったです。
女遊びを繰り返してる主人公が好きなのは、妻子のいるノンケな上司。
ある日、主人公は押しいってきた男にレイプされる。その男は、主人公が遊んで泣かせた女(後で誤解だと分かるんですが)の友達でした。
ラストでこの三者の思いがぶつかりあいます。誰もが優しくてジーンとしました。
この表題作、続編が読みたいよ。

2

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