あーちゃん2016
Love Affair
2023年春のJ GARDEN新刊。今頃読み返したのですが、やっぱりどれも強烈、めっちゃ好き。ちょっと強烈なのが1つあるので萌2にしました。さすがと唸ります。
1.杉原理生先生 甘露の日和
なんだろうなあ、ほんとにその辺にいそうで。
いや、尋常じゃないレベルの美の方と、可愛い系美の大学生なんで、そんじょそこらにはいないはずなんだけど、そのモダモダ感が本当に身近に感じられて、そしてその各々の個性が「生きてるじゃん」って思えて、唸りました。
瀬尾は、大学生ごろにモデルしていて、今は芸能界と無縁な生活なんだけど、チョコレートを袋いっぱいもらってくる&あっちこっちで告られる圧倒的な「美」の方。チャラ男じゃないです。ペラペラしゃべる方でもなく、周りが盛り上がっても一人クールでそっと側にいる感じの方。
和巳は、兄の友人である瀬尾が、安田(同じく兄の友人、陽キャ)に惚れているのではと、幼心に心配していて、モデルやっていたころは掲載された雑誌を5冊買っていて、勤め先もちゃんと兄から情報入手していて近所のカフェにアルバイトして、とさりげなくストーカー? 好きってはっきり認識していないです。幼い頃から独特の感性の発言あるんだけど、兄や兄友人たちからは可愛がられていた方。
あー伝わらないなあ、この二人の独特のユニークさが。杉原先生らしい、ちょっと癖ある二人なんですよう、めっちゃ楽しい。そして自分的には想定していなかったカップルになったので、さらに楽しかったでした!
2.となりの夜くん 名倉和希先生
これもめっちゃ面白い!引きこもり同人小説書いているおデブ大学生(浪人留年あり)が、隣に越してきたスレンダーマッチョなキレイ系に、「ドキ」っとしてからのお話!初対面でいきなり「デカいな」というスレンダーマッチョとデブ→頑張ってダイエットして痩せた男の知り合うまでの過程のお話です。
3.夜のラビット 木原音瀬先生
これが個人的には強烈でした。さすが木原先生。
宮本雫:颯太と同居している編集者。アクシデントにより失明している。
国友颯太:世界でも数少ない「蔓科」の人間。ほくろから蔓が生え、1か月ほどで抜けて、また生えるというサイクルを50歳ぐらいまで繰り返す病気持ち。蔓科の特徴として声がすごく良いというものを生かし、オーディオブックの分野で大人気。
蔓科って設定がねー、この間出されたご本でもあったと思うんですけど、植物が芽を出し成長するってのに、何かを感じられるんですかね?わーすごい・・・と思う終わり方でした。
三人三様で、ほんと面白かったです。秋のJ庭でも合同誌出されるかなあ。楽しみ!
夜をテーマにしたアンソロジー。
どの作品も読み応えがあり、とても面白かったです。
本のタイトルが「Love Affair」で、恋愛関係という意味なのに、勝手に一夜のアバンチュール?などと思って読み始めたら、作品すべてが純愛だったので余計に心が洗われるような気持ちになりました。
杉原理生先生「甘露の日和」
小学生のとき家によく遊びに来ていた高校生の兄の友達のうち、瀬尾のことが何年経っても忘れられない和巳。
高校を卒業したあとの瀬尾の近況も、兄を通じて聞いていたが、会う勇気は持てずにいた。
大学生になった和巳の務めるカフェに、瀬尾が買い物に来て偶然再会する、というお話です。
子供の頃の淡い初恋と思えば微笑ましいのですが、二人ともきらきらしているのにどうも薄暗さが漂っていて、作品の後どうなるのかがとても気になります。
瀬尾の語り口調がなんとなく理屈っぽいのも影響しているかもです。
名倉和希先生「となりの夜くん」
まさかのダイエット話でした。
それまで自分の外見にこだわらず、食べたい物を食べたいだけ食べていた24歳の大学生が、アパートの隣に住む全身黒ずくめのかっこいい男の人に恋をして、運動して痩せていくお話。
隣人の名前も知らず、勝手に「夜くん」と名付けて、ベランダでの朝の一服を盗み聞きするなどちょっと怖くもあるのですが、夜くんに影響されてウォーキング→ランニング、外食→自炊、体質改善へとわかりやすく行動していく様子に、応援する気持ちが湧きました。
二人の関係はまだまだこれからなので、続きがあれば読んでみたいです。でも、恋愛に発展しなくてもよいかも、などとも思っています。
木原音瀬先生「夜のラビット」
蔦が生えてくる蔦科のsouは、たぐいまれな美しい声を持つ。
主人公は、souの兄の部下である宮本雫。雫は怪我で両目の視力を失い、家族もおらず一人で暮らすことが不自由であることから、部屋が余っているsouの家に住むことになる。
雫とsouは惹かれ合い蜜月の日々を過ごすが、雫が角膜移植手術を受けたところから二人の関係に変化が訪れるというお話。
知らなかったのですが、同人誌「Botanical Love」に掲載されている「夜のラビット」の続編だそうです。そのお話を読んでいなくても十二分に楽しめました。
見えないことでうまくいっていた関係が見えることでここまでこじれる、しかもその理由も納得できるもので、両方の気持ちが分かる。読後に唸りました。
前作の「夜のラビット」も気になるところですが、単体でもまったく問題なく、このお話のその後がもしもあるようなら是非読みたいです。
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