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shio nari
人魚とか精霊とか。今回はちょっとファンタジーチックなお話多め。
みなみ先生らしいファンタジー風なお話でした。面白かった。
表題「汐鳴り」。父親がいないことから島の人間にさげすまれてきた受。母親を亡くしてからそのあたりは酷いものになった。海に入れば海が荒れるから漁にも参加させてもらえず、”雨乞い”という名目で身体を犯されれば雨が降ることから、いつも慰みものにされていた。
そんなある日、海岸に打ち上げられていた一人の男を拾う。みたこともない髪色ときけない口。その男の正体とは・・・!?
シリアス系でちょっとシンミリしてしまうんですが、これはこれで面白い。
人魚が男ばかりってのもどうよ・・って話ではありますがw
海が荒れ、雨を降らせる理由。
ちょっとキュンとした。
■ジャガーの精霊
奥地にある未知の薬を求めて探索に入った。
そこでであった案内係の地元の男。
得体の知れない能力の真実は・・・?!
不思議な力に守られた一族と~なお話。
最後のオチが好きです。
結局かよwな感じもありますが。
■鬼の女房
格闘家×格闘家ですw
好きな相手ができて、暴力振るえなくなってしまうとかw王道ではありますが好きですv
ベタぼれ具合がいいw
裸エプロンっっwエプロンに色気がなさすぎて逆に面白い。
全体的にエロが弱いのが寂しいです。
ストーリーや世界観好きなんですが、シーンが弱いのがなんとも。無いわけじゃないんだけども。
沖縄のヨナタマ伝説をヒントに作られたお話だそうです。
人魚伝説ですね。
とても切なく哀しいファンタジーなんですが、みなみさんの絵にぴったりで、その世界を堪能できました。
泣くと雨が降ると、雨が降って欲しいとき、神事と称して凌辱されるイクは、村のつまはじきもの。
そんなイクが、肌の色も髪の色も普通の人と違う歩けない青年を拾うのです。
今まで誰にも相手にされず一人ぼっちで生きてきたイクにとって、家でまって、優しくしてくれる存在があることがとても嬉しくて。
イクの境遇は、あまりに惨めで悲しくて、ほんの安らぎも許してもらえないのが理不尽で、切なくなります。
イクの生い立ちが明らかにされる時、イクは迎えられるべき場所へ帰っていくのですが・・・
ギリシアの伝説の“海の馬”をモチーフにしたというその絵が素晴らしく、目をひきます。
西洋と和が融合した瞬間のような、その迫力の画力に作家さんの力量を見る気がします。
イクにとって幸せな終わりであったことを願いました。
『ジャガーの精霊』・・・コメディ?シリアス?
南米へ新薬を探しにやってきたメルヒオルを助けたのが謎の男ティカ。
彼は千年以上生きているジャガーの精霊なのでした。
というファンタジー。
マヤ文明と遺跡を舞台に、メルを自分のものにしようとするギドも絡んで、アクション冒険活劇風に展開するのです。
トラウマがあるメルですが、何だか天然な雰囲気もあって、トラウマがさほどトラウマに思えない難点が・・・
ティカも千年以上生きているくせに、やけに人間くさくて、ごくごく普通のイイ人だった。
エロ度は薄いです。
『鬼の女房』『新妻鏡』・・・とっても強いヤマトナデシコ!?
格闘の試合で負けたリベンジを果たそうとその相手エリーに逢いに外国にやってきたタミヤ。
すっかり女房のようにせんたく、つくろいものとかいがいしく働き、しかもエロいし色気はあるし、言うことなしの存在だけど、エリーはちっとも試合をしてくれない。
それには、エリーが自分の中に潜む獣が愛する人を壊してしまうのを恐れるためという、タミヤラブのせいだったという理由があるからなんですが。
結果として、一見タミヤがつつましやかな女性の如く下手に出ていても、エリーが尻にしかれたような状態になっているので、タミヤが勝ってると思うよ、、
せっかく裸エプロンの登場なのに、エロくない!
絵が綺麗すぎてエロをほとんど感じないのが残念かもしれない、、でもやっぱり、バラエティに富んでいてストーリーとか好きです。
表題作が素敵です。
沖縄のヨナタマ(人魚)伝説のイメージから産まれたという切なく美しいストーリーと華麗な絵が合っていました。特に海を駆ける馬のシーンの絵はすばらしい。
個人的な好みで言うならば、もう少し「沖縄感」のある舞台設定でも良かったのかなぁという気もします。(作者さま的には、沖縄の伝説を元にしたとはいえ、舞台が沖縄というわけでもないのかもしれませんが)なんというか、神事と称して性的なことが行われるという設定などから映画「ウンタマギルー」などのような濃密なねっとりした空気感(重く、手でかきわけて進まなければならないような)があると、どうだったのだろう?なんて。(沖縄と言っても、ヨナタマ伝説は伊良部の方なので、島が違いますけど)
でも、みなみ恵夢さんの正統派少女漫画的な端正な絵柄だと、こういう無国籍なイメージで良かったのかなぁ……。
残りの2作は、悪くはないのですがシリアスなストーリーなのかコメディなのかのバランスがちょっとびっくりさせられる感じで乗り切れない部分がありました。絵はキレイなんですけどね。
美しい一冊でした。
4作品収録。
「汐鳴り」
人魚伝説がモチーフの、悲しくつらい物語。
舞台は、昔の日本のある島の漁村。
イク、という青年が一人、海辺に隔離されて暮らしている。
そこにある日、異人?が流れ着く。歩けず、口が利けず、長い銀色の髪…イクは一人で彼の面倒をみるが、そんな時、村の男たちがドヤドヤとイクの住まいにやってくる…
イクを犯し、涙を流すことで雨が降るのだ。イクは、雨乞いの神事の生贄だった。
…イクは漁業しか生活の糧の無い村に生まれながら、彼が海に入ると海が荒れる。それが海の神を怒らせるとされて忌み嫌われ、そして異人を住まわせていることがバレて男たちに襲われ…
こんな辛すぎる生活から逃れて、自ら海に沈むイク。
イクを迎える銀色の髪の海の神たち。彼らは波を走る海の馬。津波となって村の何もかもをさらっていった…
イクにとってはやっと静かな世界に行けたのかな。
絵が美しいから余計に哀しいお話です。
「ジャガーの精霊」
マヤ文明の神話と絡めた物語。
新薬を探しにユカタン半島のジャングルに探検しに来る欧州人と、現地の謎の男の話。なんだけど、精霊の木とかジャガー人とか薬物とか、シリアスとコメディ部分の話がごちゃついてわかりづらかった…
「鬼の女房」
強い格闘家だったエリーを追って、もう一度戦いたいとわざわざ日本からやってきたタミヤ。
まめまめしく働き、日本人の奥ゆかしさがまるで新婚の奥さまのよう。
エリーは今は格闘技をやめていたのだが、田宮の情熱にほだされて〜
「新妻鏡」
エリーx田宮続編。
一緒に暮らしている甘々な2人。だがそこにエリーの元カノ・アニタが訪ねてきて…
このアニタのカネ絡みの騒動に巻き込まれる話なんだけど、所々のギャグが邪魔になってイマイチ。
絵柄は綺麗。
とにかく表題作の「汐鳴り」一択ですね。総合「萌」で。