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表紙だけでは割にあっさり系の描写を連想される
でしょうが、描かれる性行為は結構濃厚です。
そして、受けと攻めの間に立ちはだかる障害は性の
暴走に中々ついて来ない互いの感情の他にもう一つ。
肉親に関係を知られ、仲を引き裂かれそうになります。
シリーズの終盤を飾る「君とボクの未来」はまさに
その辺りの苦悶を描くパートです。
読了後、敢えてその部分を軽く描かず、BL作品として
描ける限りの誠実な回答を出していたのだな、と
評者は受け止めました。
BLと言う枠の中で、受けと攻めの温度差について
誠実に描き切った佳品かと思われます。
1990年代後半〜2000年代前半のBL作品を読む機会があったので、じっくりいろいろ読んでみました。
時代なのか、クラブシーンで夜遊びしまくっている子たちの軽いカンケイ(カタカナ表記が似合う)や、ハードっていう言葉じゃ足りないくらいハードにえろすなのとか、わりと「感情」よりも「雰囲気のカッコよさ」や「えろすシーン」に重きを置かれた作品が多かったのかなあという印象を受けました。
感情が描かれていても「イタイ」ものだったり、ドSどころではない自分勝手な攻めが受けを仲間に林間学校(ごめんなさい。自分のiPadの予測変換にこの言葉が出てくるのが憚れるので)させたり、でもそれで受けは「やっぱりオマエ(攻め)がスキ」(カタカナ表記なんだよなあ)となったり、何だろう、等身大で「わかるー」とか「萌えるー」という世界じゃない、見世物のような設定が多い。
そういう世界を描くことで作家さんたちが「アタシ、ハウスミュージックガンガンのクラブでオールなカンジで、マジイケてるんですけど」と誇示しているような。
あとがきで描かれる作家さんたちの本人像もロングのソバージュにボディコンだったりビキニだったり、それ、どこのジュリアナトーキョー?という時代だったんだなあ。
前置きが長くなりましたが。
そんな「イケてる」時代が終わりかけに出版されたこちら。
率直に言って良かったです。
表紙の絵では「ショタ風のアレか」と思っていたのですが(失礼でごめんなさい)、DKの友達同士でキスする仲でありながら、片方は恋を自覚している、でももう一方は…、みたいな始まりで、きっちりと恋を進めていく様子が描かれていました。
DKの本能というか、快楽に流されがちな部分もえろす多めで表現されつつ、受けの戸惑いや疑念、期待からの失望、いろいろな感情がしっかりと描かれているので、今読んでも胸きゅんできると思います。
ただ、わたしが予想していた攻め受け設定が逆だったので、最初はちょっと違和感がありました。
自分のせいなんですけど。
最初の話で攻めが低身長に見えたんですよね。
さらにBLの掟なのかなというくらい女子モテは攻めの必須アイテムじゃないですか。
女子モテ、高身長=攻めと思って黒髪くんの溺愛コースを予想していた上に、小柄攻めは好みではないので「えー、そっちなの!?」とがっくりしてしまい。
でも身長に関してはコマによって伸び縮みしていたので、どうやら同じくらいのようでした。
ストーリー的にも
1) 俺はお前が好きだけど、お前は…?
2) 気持ちいいことに流されてるだけなんだろ?
3) 結局、女子なんだな…
4) 親バレ!俺たち、どうなるの!?
と、サザ○さんより1本多めな感じで読み応えがあります。
すれ違いでもだもだがメインなので、「そういうの、ちょっと今はいいや」というときにがおススメしませんが、じっくり1cp読もうかなというときにはいいですよ。
攻めが結構ふらふらというか、はっきりしないのですが、そういうところもDKらしくてうまいなあと思いました。
この作家さんの作品は3つしか読んでいないのですが、わりと全部今読んでも楽しめる作品だったので、一読の価値ありです。