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mato no hoshikuzu
ハッピーエンドでした。悲しくもあり激しくもある、男同士(そして女同士の百合もあり)の、中華マフィアモノの下巻です。
どうなることかと思いましたが主人公カップルはハッピーエンドです。良かった…!
私は最後のページの夜景を見たときに涙しました。そして肩を抱き支えながらふたりで撃つシーンも圧巻です。
姜氏の部下・余さんは確かに自分の復讐のために姜を見ていましたが、本当に尊敬していた部分もあると思います。なのであの泣き崩れたシーンはグッと胸にきましたね…。
そして老大にクソデカ感情を抱く唐さん。自分が大切にされていたことに気づかず、引き返せないところまで来てしまった感があってかなり悲しくなりました。でも最期はとても美しかったと思います。リウのこと、このときに…死ぬ瞬間に、意識してくれたかな。
とても寂しく、そして美しいお話しでした。
混沌としたレトロ上海と妖艶な都先生の絵柄が相性抜群で、一コマ一コマがめちゃくちゃエロい!
20〜30sのクラシカルな上海の色気が漂う、愛を渇望する孤独な悪人達の純愛BLでした。
愛情に恵まれず孤独な幼少期を過ごした二人が巡り合い、お互いの傷を癒していく様子にキュンとします。
何より、利用する為に近づき「俺たちの関係は対等じゃない、俺が上だ」と言っていた姜が軍服を着替える余裕もなく、月栄の元へ駆けつける姿にトキメキが止まらない…!
また、個性的な脇役達がとても魅力的で、中でも月栄の兄貴分・唐は素晴らしい悪役っぷりを発揮していました。
もう、唐と月栄そして前任ボス・老大の関係がクソデカ感情すぎるんですよね……
"唐を敬愛し兄のように慕う月栄"→"老大の1番になりたい唐"→"家族を奪った罪の意識から月栄を寵愛する老大"
この一方通行すぎる噛み合わなさ……見ていて切ない。
月栄に憎悪を向ける唐もまた、愛を渇望する孤独な人間だった訳ですね…
老大・月栄と過ごした幸せな日々を自らの手で壊してしまった唐。もう2度と"幸福"が手に入らないのなら、壊して、壊し尽くすしかない。
「手に入らないなら壊してしまえ!」と言う、悲しい考えに至るのが正に真の"悪党"。名悪役・唐に拍手!
最後までどう転ぶのか分からず、ハラハラ・ドキドキとページを捲る手が止まりませんでした。
そして、紆余曲折あった二人のエロは最高にエロい…!
濡れ場自体は少なめですが、1シーンから醸し出される半端ないエロスにエロ厨な私も大満足。
ストーリー、構成、イラストどれを取っても1級品で読み応え抜群の作品でした。
読後感も良いのにレビューが少なくて驚きです。
正に「もっと評価されるべき」作品ですね!
もっと多くの方に読んで頂きたい、隠れた名作BLでした。
▶︎シーモア/白抜き
まさにノワール。悪に染まったものたちの、愛の物語でした。
なんといっても、受けと攻めの心のやりとりが魅力的。
分かりにくいささやかなものですが、受けの言葉や攻めの表情に、愛の片鱗を見つけることができます。
血あり暴力沙汰ありのドロドロ展開ですが、そういう悪の要素をすっかりと忘れてしまうくらいでした。
下巻では攻めの過去が明かされ、自身の決意と受けに出会ったことによる心の変化の間で葛藤していく様子が描かれています。
上記と並行して描かれているのが、受けが身を置いている組織のいざこざ。
兄貴分の裏切りにより、2人はピンチに陥ります。
流血表現や暴力表現など多々ありますので、苦手な方はご注意を。
脇キャラが魅力的なのは、本作のポイントです。
兄貴分とその子分。受けのカモフラ愛人とその恋人(百合)。
彼らは物語に深く関わり、展開をより面白くしてくれました。
いざこざの中で自分の中の想いを固め、一緒にいることを選んだ2人。
恋人になる前から、小さな萌え要素がちりばめられていて、殺伐とした雰囲気の中でにやにやとしてしまいます。
物語と恋模様。どちらも丁寧に描かれていて、非常に満足度が高かったです。
薄暗さはありますが、ハッピーエンドは保証します。
気になった方はぜひ、お手に取ってみてください。