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yamada doumei
9作品収録の短編集。
「山田同盟」
鈴木と佐藤の第一次名字戦争の終結、その後追われた名字は地下に潜り…
本作は「山田BL」アンソロで発表された作品で、地下に潜った「山田」がレジスタンスをしている…という奇想天外、発想が奇才の短編。
調査に行った鈴木が活動家の山田に騙されて、さてどうする?
「チョコレートの帝国」
「山田同盟」の前日譚。
「名字」からインスパイアされるBLか…。着眼が面白すぎる。
「ごめんねロボット」
好きって告白してきた小林(♂)をいいように扱うさぎ田だったが、ひょんなことから形勢逆転?
「うわばみ」
190cmと163cmが絡む布団の中は、まるで象を飲んだうわばみ…
…って星の王子様か。
でも本当に小さい方が大きい方を飲み込むつもりなのかも。
「異邦の人」
今度は「方言」がキーとなるBL。着眼の特異さを次々と見せてくれますね〜
「さかしま」
こちらはSM。
ドM受けがドS攻めの許容を越えさせちゃう?
行き着けるか、ここまでか。
「その目を見るな」
妖しい銭湯の中で何が起きているか?
男を喰う蛇のような風俗男の娘?ビッチ?と店長の爛れた関係性のお話。
「放課後電波クラブ」
某宇多川町を思い出しちゃった。
カツラとセーラー服の下の勃起がエロい、という友達とするH。
「アイスクリーム」
バイト仲間のトラジ相手に変態的妄想爆発の飄助。でもトラジの方もちょっと飄助が好きみたい。意外とウブい交際が始まりそう。
可愛らしい絵柄で独特なシチュエーションを描く非常に個性的な作品群で、この世界、なんかハマっちゃいそう。
昔、「山田BL」というすごいアンソロがありましたね。なんか山田がつく作家さんが多いなとは思っていましたが、すごい企画だ~、出版社さんナイス。
そしてこれは同じ出版社なのできっとそのアンソロ派生なのかな?と想像して読みました。
一冊山田同盟なのかと思ったら、短編集でした。でもお話がしっかりしてて短くてもそれぞれ読み応えがありました。この作家さんを追いかけようかなと。
表題作は、なんと名字で派閥が出来ているというファンタジー(ちょっとオカルトチック)な世界。
どこの誰とも分からないけど仲良くなった男は、闇組織【山田同盟」のリーダーで。。 刑事がハニートラップにかかるという設定ですが、思わせぶりなラストがやるな、という感じ。この短さによく余韻を残す起承転結を入れるなあ~
他に、セッ◯ス奴隷をさせているのに、本名を呼ぶと照れる山田くんの話や、告白されてつきあってあげていると思いあがっているさぎ田くんが、実は自分の方が本気とか、醒めたふりをしている男の子達がちらっとみせる本心のようなものを描いた作品が多かったです。