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anohi bokura wa koutei de
3組のカップルのオムニバスになっています。
フツーに学園ものなのかな、と思ったら
実は3組中2組は、“刺青”が絡んだずっしり重めの作品でした。
片方だけの羽の形の刺青を胸に刻んだ遠宗と
彼に『おまえの名前を俺をくれ』と告げられた友人片羽野の恋。
刺青をかばって亡くなった父を持つ可積と、
その刺青を彫った彫師の弟で、自らも彫師である亨の恋。
学生時代は恋人同士、教師として再会した目黒と喜川の恋。
どのお話も、それぞれのキャラの一途さに、壮絶なものを感じます。
一生ものの覚悟、狂気に限りなく近い愛情、とでも表現できるでしょうか。
全体的に、熱くて切ない感じのトーンにうまくまとまった一冊だと思います。
個人的には、彫り物なんて、やめておいたほうがいいと思いますけどね。
先生カップルのお話が一番好きでした。
先生・目黒×先生・㐂川(元同級生カップル同士)
後輩・桜井×先輩(彫り師)・高嶋
同級生(相手の名前を入れ墨)・遠宗×同級生・片羽野
どのカップルもなかなかステキでした。
先生カップルは昔付き合ってて別れて。
それでも互いに忘れられずにいて。
それでも、㐂川の方は「もう昔のこと」と思おうとしてたのに、桜井が戻りたいと言うから…。
校内での秘密のキスが生徒とのキスとして噂になり、それが原因で㐂川が辞めようとするところを、「自分が㐂川に無理矢理しました」って申告する目黒がステキでした。
「嘘でも自分の彼氏が他の男とキスしたなんて嫌だ」という理由がもうキュンとなりますv
先輩と後輩は元々は高嶋が遠宗に片想いしているところから始って。
桜井が猛烈アタックを繰り返してカップルになって。
そこから、高嶋が遠宗に彫ったことの重さやなんかがあって。
この作家さんらしいちょっとほの昏いような雰囲気をもった感じの受でした。
そして、それとは対照的な太陽のような雰囲気の受。
そして同級生同士。
想いが膨れ上がり過ぎてただ胸にしまっておくにはやりきれなくなった遠宗が取った手段が自分の胸に墨で彼の名を刻みつけることで。
その胸の名に恥じないような、片羽野には嘘をつかない人間であろうとするのだが。
ある日、友人がまるで違う人間に。
そんなふうに考えたことのなかった片羽野にとってみれば、遠宗の想いに困惑するばかりで。
遠宗自身、その想いを報われようなんて少しも考えていなくて。
けれど、そうやって真剣な想いを曝け出されると意識せずにはいられなくて…。
少しずつ変わっていく片羽野が印象的でした。
同じ学校で繰り広げられる、3組のラブストーリーです。どのカップルのお話も、切なくてキュンとなります。
◎遠宗×同級生片羽野
遠宗の痛いほどの、片羽野への想いが切ないです。一生片羽野だけを想って生きようと、胸に羽の形の入れ墨を彫ります。そして、片羽野に恥じない生き方をしようと決めて、ストイックに行動する姿がカッコ良くて。
こんな、自分への熱い想いを見せられて、惚れないはずがないですよね。
◎後輩・可積×高嶋(彫り師の息子)
高嶋が好きだったのは遠宗だと知ってる可積の、焦りや切なさが胸に痛かったです。
彫り師の仕事に魅力を感じてたのに可積と知り合って、初めて人の体(可積)に傷を付けるのが怖くなったのが、本気の恋だと伝わってきて良かったです。
◎教師・目黒×教師・㐂川
元同級生で、昔付き合ってた二人。でも、8年経って、素直になれなくて…。
㐂川と生徒とのキスの噂が出た時に、他の男との噂はいやだと、校長に自分が無理にキスしたと目黒が言うのです。辞める覚悟で㐂川を守って、㐂川にプロポーズした目黒がカッコ良くてキュンとなります。
このカップルが一番好きです。
最後の、3組それぞれのカップルの幸せそうな様子に、読後はホッコリと温かくなれます。
男子高校を舞台にして合計3組のカップルが登場します。
そのうちの2組は同級生同士、もう1組は後輩x先輩。
1冊で若者と大人なカップルを堪能できるのですが、梅太郎さんが描く学生は年の割に落ち着いた大人っぽい子が多いですね。
この作品もそんな感じで、若い子のはっちゃけた明るさというのはあまりないですが、落ち着いた男性が好きな私にはぴったりでした。
寡黙で余計なことをしゃべらないのも好みです。
特にこの作品では攻め様が3人とも男前な性格でカッコイイ!
タイプは少しずつ違うのですが、受け様に対する思いがとても強くて頼もしいのは共通していました。