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shinkankishi ha kokuyou no imiko wo chouai suru
杉原さんの新刊は、もう杉原先生と言ったらコレ!と言える薄幸・健気受けさんのお話。その健気受けちゃんを金さんが描かれているとか。もう買うしかないよね、ということでお買い上げ。
魔獣とか魔術とか、前世の記憶、と言ったファンタジー要素がたっぷり詰まった作品なのですが、そのファンタジー要素を詰め込みつつ、そこに薄幸受けさんという個人的萌えツボまで盛り込ませた、読みごたえのある作品でした。ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
主人公はノア。
物心ついたときにはすでに親はなく、孤児院で暮らしていた少年。
が、彼は魔術を使え、そのために神殿へと連れてこられていた。この国では神獣が国を守っていると信じられており、魔術が使えるものはその力をコントロールするために訓練を受けるのだ。親がない子は神殿で育ち、保護や教育を受けるのが一般的。
だが、その中でノアは異質な存在だった。黒い髪に黒い瞳を持っているため。人を襲う魔獣は「黒い」のが普通で、だからこそ黒い瞳と髪を持つノアもまた侮蔑の対象になっていた。食事も満足に与えらず、人から離された場所でひっそりと畑を耕すことで彼の日常は費やされていた。
そんなある日、神殿に新たな神官長・アルベルトがやってくる。
アルベルトは誰からも遠巻きにされているノアを気に掛けてくれるようになり―?
という、スパダリ×薄幸・健気受けちゃんのテッパンともいえる出だしから物語はスタートします。
が。
いやいやいや。
こんな壮大なお話だとは思いもしませんでした。
アルベルトはもともと騎士団の副団長。
そのアルベルトが、なぜ神官長として神殿にやってくることになったのか。
その謎を軸に、アルベルトとノアの交流を介して二転三転するストーリーが紡がれていく。さすがベテラン作家さまです。
魔獣とか神獣とか。はたまた魔術とか。
ファンタジー要素はそれだけに非ず。
ノアは前世の時の記憶を持っている。そして、前世でもまた、彼は薄幸な身の上だった。前世、そして今世。どちらも薄幸な彼は自身に価値を見出していない。けれど彼は、自分の境遇を恨むことなく、できうる限りのことを一生懸命にしようとする。自分のことよりも、他人を優先してしまう。そんなノアが健気で可哀想で思わず落涙しそうになりました。
だからこそアルベルトもノアを大切にするし、読者もそんなアルベルトに共感してしまう。が、素敵キャラは主要CPの二人だけではありません。
今作品の重要なキーパーソンがもう一人登場します。
セレスという男の子です。
見た目は6歳くらい。可愛らしいビジュアルをしていますが、この子がですねえ…、と詳細は書きません。どうぞ手に取って確認してみて欲しいです。
バックボーンはてんこ盛り。
ノアの薄幸さとアルベルトのスパダリという恋のお話に加え、魔術とか、国を挙げての闘いとか、セレスの存在とか。それらはもう読みごたえたっぷり、二転三転するストーリー展開です。それらが上手に絡んで進むので、もうページをめくる手が止められませんでした。
そこに金さんの挿絵ですよ。
ノアの可愛さは爆発です。アルベルトのスパダリさは悶絶必至です。
めちゃめちゃ面白く、萌えの滾る1冊。
世界観が好きすぎて、あの人も、この人も、何ならあの人も、主人公になったお話を読んでみたいと思わせられました。敵キャラすらも魅力的って、これ、すごくない?
文句なしの神作品。
杉原先生、ぜひともスピンオフを…!と切望しています。
杉原朱紀先生の作品は「敏腕社長は箱庭うさぎを溺愛したい」「臆病な恋を愛で満たして」と読んで、合わないのでもうこれからは先生の作品は避けようとレビューに書いてたんです。
でもそれを忘れて購入してしまってたんですが、三度目の正直だったみたいで凄く面白かったんです。全てがツボに刺さりまくりでした。
ノアが前世の記憶を持っててもその知識で大胆に活躍するとかは無く、かえって孤独だった記憶と現世の生い立ち故に諦観さえ持つ青年に育ってしまってました。
それでもお世話になるからには役に立ちたいと、前世の記憶を活かして与えられた仕事に創意工夫する姿に好感が持てました。
そんなノアが自分の中に居るセレスと新しくやって来た神官長のアルベルトと出会った事がきっかけで、生きる希望を見つけて少しずつですが自分を大切にして行く過程が凄く良かったです。根気強く愛情を持って接したアルベルトの熱意が勝ったのだと思います。
ただ、そこまで行くまでが凄く焦ったく感じるのも確かでした。自分を価値の無いものと考えてしまうノアが凄く悲しかったです。
神獣、幻獣、魔獣、魔力や魔術のある世界観なのですが、そこに過去の事件や黒幕を暴こうとする動きがあったりと、ファンタジーBLとして凄くバランスの良い作品だと思いました。
想像以上に悪意を持つ人物の暗躍にハラハラして、その人物を炙り出す為に準備を重ねて来たアルベルトをはじめとした現王派のメンバーの活躍もあって陰謀を未然に防いでました。
ノアがアルベルトの気持ちに応えてからのアルベルトの執着にちょっと笑ってしまいました。
このお話好きです。
すごく読み応えのあるストーリーでした。
作者さんが、魔法や魔術が好きだとあとがきで言及している理由が分かります。登場人物も物語の作り込みも濃い〜〜。
異世界転生もので、神獣やら魔術やら魔獣やらetc.ファンタジー要素が強いです。登場人物が多いので、登場人物の相関図と舞台説明が欲しかったかな。私は異世界ものをあまり読み慣れていないので、ちょっと苦戦してしまいました。
タイトルに「忌み子」とあって、まさに不憫受けのお話です。前半は周囲から忌み嫌われているノアの可哀想な境遇が主です。健気で良い子なんですが、これまでの境遇があって自己肯定感が低い。ノアの身体には神獣のセレスが宿っていて、それが元で神官長・アルベルトに庇護されることになります。
頭も良く、気立てのいいノアはアルベルトや側近たちに人気もの。アルベルトはそんなノアを気にかける一方で、それ以上の感情も抱くようになります。そしてそれはノアの方も同じ。
そんな2人のホッコリほのぼのな生活の裏で、ノアに悪の手が忍び寄って…というストーリーです。
ノアはすごく良い子なんですけど、私の好みの良い子キャラではなかった。
不憫な健気良い子キャラって2種類あると思うんですが、1つは、不遇な境遇をものともせず前向きに進むタイプ。もう1つは、自分なんか…とか消極的になるタイプ。ノアは後者です。
アルベルトが側にいることで、自分のせいでアルベルト様が悪く言われてる…!!→寂しいけど離れよう…。
この思考が好きじゃなかった。アルベルトはノアが悪に狙われることから護るために近くに置いているのに、余計な気を回して自ら悪の手に落ちにいこうとするんです。や…やめてくれ〜。
ノアは自己犠牲を払うことを何とも思ってないので、思考も行動もたまに危なっかしい。めっちゃハラハラしました。
とはいえ、スパダリに溺愛されるお話は大好物なのでストーリーはドストライク。王や兄や側近たちに引かれるほどのアルベルトの執着溺愛ぶりは面白く描かれていました。
個人的にはノアが王たちの前で、国の土地問題や特産物の提案を投げかけたシーンが好きです。ノアの頭の良さが分かる場面。王たちがノアの才能に惚れ込む素晴らしいやりとりでした。ここは何度も読み返しました(笑)もっと欲しかった。
最後のクライマックスシーンは見応えあったけど、ちょっとガチャガチャした印象だったかなー…。設定が凝ってるのと、バトル要素が絡みあって情報量が多いからかも知れません。
それでも最後はハッピーエンドで読後感良し。
電子おまけはアルベルトの両親にノアを紹介するエピソードで、なかなか面白かったです。
ファンタジーだろうなあと思ってget。健気ちゃんを溺愛するスパダリというお話で、すごーく好きなエピやセリフがあったわけではなかったので萌にしました。本編340Pほど+あとがき。素直な健気受けが好きな方だったら嬉しいんだろうな。
ユベリア王国の王城の中にある中央神殿。そこに4歳の時からいるノアは黒髪、黒い瞳で忌み子として人々から避けられ、人とあまり交流せずに暮らしています。ある日、新しい神官長と知り合ったのですが、神官長はノアが忌み子であることを全く気にしないように交流してきて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
セレス(ノアの中にいる不思議な存在)、ザフィア(ノアの世話をする神官)、イーディアル(国王)、ロベルト(宰相)、リリアット(攻めの長兄)、エフェリアス(前国王の弟)、トリス(攻めの側仕え)ぐらいかな。
++攻め受けについて
攻めはキラキラしっかり騎士さんしているイケメンさん。裏表なさそうだし、頭良さそう(駆け引きできそう)で優良物件★って感じます。
受けさんはまっすぐ純情健気さん。儚いとか病弱とかはないけど、セレスが自分の中でお休み中のために黒い痣があって、黒髪黒瞳もあって忌み子と扱われ、一人ぼっち寂しいって境遇の子。可哀想で、大丈夫だよって声をかけてぎゅうってハグしたくなる感じの子。あと前世の記憶持ちのため、農作物をうまく育てることとかができちゃう♡便利♡
あと、ぽこって大事なときには出てくるセレスが、可愛かったなー。ふよふよって宙に浮いてるちっこい子という様子なのですが、中身は畏れ多くも神獣、色々分かっていて、受けを守るべく攻めにあーせいこーせい指示出しなさいます。最後の方は攻めと受けを取り合いみたいな様相を醸し出すんで、ちょっと嬉しかったかな。
セレスは良かったんですけど、攻め受けともめちゃくちゃ好きって感じにはなれず、ページ数は多かったけれども記憶に残るかどうか疑問だなあと思った一冊でした。