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senaka wo azukeru niha gaiden
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
ああ、これでこの物語は本当に完結なんだな、と、読後なんとも言えない気持ちでになりました。。
外伝のレビューを書く前に。
まず、この外伝の前の「背中を預けるには」の3冊は、本当に神作品だと思っています。
「徹夜で小説を読む」なんて、本当にもう長いことしていなかったのですが(学生時代ぶりだった気がします)、どうしても途中で本を置くことができず、3日間朝方まで眠い目をこすりながら読み耽りました。
……が。
こちらの外伝には、徹夜で貪り読む、というほどの胸の高鳴りは感じることができませんでした。
それは私が単純に外伝の主人公であるヨセフにもともと関心がなく、外伝を読んでもやはりあまり惹かれる要素がなかった、というのも大きいのですが。
読み進めるうちに、ところどころ引っかかる部分が出て来てしまい、購入して読み始めたのを一旦止めて、1週間ほど時間を置いてから何日か少しずつ時間をかけて読み終えました。
引っかかってしまったのは、なぜか。…(以下ネタバレを含みます)
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・ディルクがヨセフを抱くことの必然性をそこまで感じなかったので、違和感が残ってしまった
(ルーカスの発言がもとで、ヨセフが「経験しないと相手にしてもらえない」と思っているのを、言葉や態度で”そんなことはない”と分からせて欲しかったです;本当に個人的な思いですが。。)
・ディルクが王宮で、「平民が色々な奴と寝てのし上がった…」と(朧げな記憶なので正確な悪口の内容ではないと思います)謗られた際、「でも俺はケツは貸さなかった」と、行為の”受け側”を貶めるような発言(と私には思えた)をしたのが受け入れ難かった
(結果的に、抱かれる側に回ったヨセフを貶めているように思えてうーん、、となりました。その発言をその場で聞いていたヨセフはその部分には引っかかっていなかったけれど…;)
・平民のままでは王宮社会ではやはり無理だった→貴族になる という描写にがっかりしてしまった
(書類の上での形式的なものではありますが、ルーカスの養子=貴族となった。
身分差、王宮での差別、葛藤をそのままの姿で乗り越えていく姿が個人的に見たかった。王宮のルールに迎合してしまうのが残念だと感じた)
・そもそも、ヨセフがルーカスに対し”恋心”を抱くようになったことに違和感を感じてしまった
(強い男に対する憧れや、いつまでもイオニアのことが忘れられず引きずっている姿に思うところがあったとしても、「恋」になるのか?というのが疑問として残った)
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上記のような点が気になってしまい没頭できないまま、本編を読み終わった時とは違う気持ちで本を閉じました。
ただ、やはり体を重ねる部分の描写が官能的で素晴らしいと思いましたし、
本編で起こっていた事件の裏側で、ヨセフやディルクやその他の人物たちはこんな動きをしていたんだな、と楽しむこともできました。
読み返すならやはり本編3冊になるとは思いますが、ヨセフという視点から本編内のさまざまな出来事を多角的に捉えられたのはとても良かったと思います。
本編の主人公レオリーノの幼馴染みであり護衛役を務めるヨセフ視点の物語。
本編と番外編でちょろっとでてきたヨセフ、ディルク、ルーカスの3人の複雑な関係とそれぞれの抱える想いが深く描かれていました。
このヨセフ君がとにかく真っ直ぐな性格で、それでいて世間知らずで心のままに行動してしまうが為に、周りを終始ヒヤヒヤさせてくれます(笑)
目上の人への言葉使いや態度から始まり、いきなりパンチや頭突きを食らわせたり、怖いもの知らずな危うい行動を繰り広げるので、レオリーノとはまた違った意味でドキドキハラハラしました。
ディルクと初めての行為をするシーンは、怖がりつつもディルクのヨセフに向ける優しい愛情に心地よさを感じどんどん快感に流されていく姿が可愛いなあと感じたのですが、ルーカスに体当たりで恋心を告白するシーンは、ルーカスが複雑な思いで困っているところを強引に迫るので、ちょっとそれはどうなの?と若干嫌悪感を抱いてしまいました。
ですが、読み進めていくと、ヨセフのその人の心に敏感で繊細な部分が見えてきて、ルーカスのイオニアへの想いを感じ取りながらも少しでもルーカスの癒しになりたくておこなった健気な行為だとわかると、痛々しいほど愛おしい子だなと思えるようになりました。
イオニアへの気持ちが捨てきれないルーカスと体を重ねたことで、ヨセフがルーカスのことを好きだと知っていても自分に対する愛を伝えてきてくれたディルクの気持ちが痛いほど理解できてしまい心を痛めるヨセフにこちらも胸が締め付けられました。
ヨセフを庇って謹慎を喰らってしまったディルクに会いに行くシーンも、動揺したデイルクからひどい言葉をかけられても、自分とひとまとめに中傷されたレオリーノを庇い自分はその言葉のナイフを素直に受けてとめてしまうヨセフがとても不憫で本当に優しい子なんだなと感じました。
火事からイオニアとルーカスの剣を命がけで守るヨセフの姿にも本当に心打たれました。大怪我をしてもうダメかと思ったところに助けにきたエッボ、ディルクもカッコよかったです。
ルーカスの迷っていた気持ちはここではっきりとしましたね。
ルーカスの出した答えに、ヨセフは火事の一件から身をもってその恋を諦める覚悟ができ、正式にルーカスの養子になることを決心するシーンはとても切なかったけど、ルーカスとヨセフが納得し二人らしい愛のカタチとして新たな関係性を築くことができて本当に良かったなと思いました。
ツヴェルフに向かうディルクを追いかけるヨセフの相変わらずの猫ちゃんぷりには思わず笑ってしまいましたが、再びディルクからの深い愛を受けて喜びを感じるヨセフの姿から、二人が一緒に歩む未来が垣間見え、2年後再会した二人の描写はそれがもう明確になっていて、二人の明るい未来が想像できる結末にとても幸せな気持ちになりました。
イオニアの死によって、それぞれが悩み苦しんできたけれど、それが長い時間の経過と新たな出会いによって、少しずつ気持ちに変化が生まれ自分自身の本当の幸せを見出せるようになってくれて、イオニアの物語もこれでやっと本当の意味で終焉を迎えられたのではないかと思います。
せなあずシリーズを全て読み終えてしまってとても寂しい気持ちでいっぱいですが素敵な作品に出会えてとても幸せです。
また何かのかたちでレオリーノたちに出会えることを楽しみにしたいと思います。
こちらは本当に素晴らしい作品でした
好きすぎて初めてのレビューをさせて頂きます。
本編3巻も大好きでしたが、外伝がより心にぶっ刺さりました。二人の男の間で揺らぎながら成長するヨセフに目が離せず…愛される喜び、愛す喜びを同時進行で心に刻んでく姿にいい歳して久々に胸が痛くなりました(>_<)。ヨセフの純粋で無自覚なズルさ、ルーカスの愛への執着ゆえのズルさ…どれも人間臭くて愛しい。何より無条件に見返りなく人を愛する人達が、心底眩しかったです。
最後の3人の選択の直前、怖くて切なくてしばらく本を閉じました。選びとった答えに感謝。素晴らしい作品を世に出してくださった小綱先生にも心から感謝でした。これは何度も読む作品だと思います。
少し分厚いですがぜひ本編3巻、番外編、外伝読んでください^^
本編でも充分に魅力的だった3人。
それぞれの内面や生き様が掘り下げられる外伝は、切なくて、真っ直ぐで、それぞれの幸せが見つかりますように、と祈るような気持ちになりました。
本編では王族の護衛役で、恋愛ストーリーに絡んでなかったヨセフが、体も心も青年らしい強さを保ったまま愛されています。
初体験のシーンは、こんなに自尊心を尊重されてる受けは見たことがない、というくらい、大切に大切に抱かれます。読んでて涙がジワジワ滲みました。
想い人との閨事シーンは、いっそ清々しいくらい真っ直ぐで体当たりで、ヨセフらしくて変な表現ですが、眩しいです!
最後に王都から追いかけた後、閨事に雪崩れ込まなくて、それも…いい!!!
そして、外伝の最初は本編と並行する場面があるので、本編で3人が出ている場面を探して、外伝で語られる関係性を投影して読み込み、また外伝に戻り、また本編を読み、と、延々とループしてしまいます。
まだ未読の方には、シリーズ全作を手元に置いて、世界観をぜひ楽しんでほしいです。
素晴らしいスピンオフ!すごく予想を裏切られたお話でした!ツンデレ猫ちゃんがおじさまに甘える場面がたまらなく幸福でした〜!基本的におじさん苦手なんですけど、ルーカスには幸せになってもらいたい!あんな優しくて一途な男はいない!本編からディルクとヨセフは怪しかったですね〜〜!!私はディルク派だったのでハッピーエンド!!!垣間見えるドSがたまらない!ほんとにディルクの聡明な感じと兄を思う熱量、頼れる男!!ツンデレと相性抜群なのは言うまでもなく明らか!!ただもうちょっと切なさがほしかった!!両片思いが大好物なので、その要素があったらもっと神でした!続編出てくれないかな〜〜〜。。。。めっちゃめっちゃもっと読みたい!!ルーカスのイオニアを想い続ける姿に合掌!
主人公の二人の話ではないと知り、積読していました。ヨセフにそれほど魅力を感じていなかったので。
ようやく読みましたが、面白かったです。ヨセフはどっちを選ぶのか、ずっとハラハラしてました。私にはどちらも選べない。
イオニアと重ねてくるところ、素晴らしいなと思いました。
イオニア同様、心はルーカス、体はディルクと結ばれている、みたいな感じになるのかなと思ったのに、良い感じで裏切ってくれました。
ルーカスが、心が揺れそうになったこと、イオニアの父までもが、新しい恋に生きてくれと言う。
ルーカスもわかっているんですよ。自分が過去に囚われる必要はないんじゃないかと。でも、イオニアを好きでい続けたい。それが自己満足であっても。
そんなルーカスが好きです。こういう一途な男に萌えます。
ディルクも心を殺して働き続けて、ようやく無念を晴らせた今、本当に好きになった相手と幸せになってもいいんじゃないの?平民だからって、ルーカスに勝てないからって身を引かなくても。
でも、そんなディルクが好き。
良い男たちばかりで胸が震えました。
また最初から読みたくなりました。
スピンオフっていうから、イージーモードでラブラブハッピーエンドなものを勝手に想像してしまい、積んどいてだいぶあっためてしまっていた。
いざ、読み始めたら物語にグイグイ引き込まれてしまった。本編の衝撃的な出来事の裏側で、当事者たちがどう思ってたかなどが明かされて補間的なのが嬉しかったり、そうでもなかったり複雑ではある。
ヨセフの性長ぶりにドキドキさせられっぱなしだった。懐かない猫、手懐けたい漢の気持ちにキュンキュンした。
最後は、あの方の唯一無二の永遠の愛に全てをかっさわれて号泣した。本編履修者には是非ともオススメしたい作品。(とっくのとうに履修済でしょうが…)
因果は巡る。男はそれほどの罪を犯したのか?
愛する人に、ただ愛を捧げることを全身全霊で体現して来た男の人生。その人生をすら、自分で自身を責める、嗜虐することを良しとしてしまう。
その哀しさを癒やすために、そのことだけに腐心する主人公のヨセフ。人を愛することに慣れておらず、拙い言葉でしか想いを紡げない無垢なヨセフが愛した相手は、そんな男だった…。
そして、ヨセフに一夜の強烈な思い出と、報われない愛を抱えている男もいる。
ヨセフが愛する男とヨセフを愛する男。この二人の男の間にも浅からぬ因縁がある。
単純な三角関係では語れない。
それぞれの想いと、背負ってきた過去が、この恋によってどんな運命をもたらされるのか。
三人のリアルな人生を見届けてほしい。
本編からのファンです。
「背中を預けるには」に登場する多くのキャラクターはそれぞれに魅力的であり、
忘れられない個性を持っているのですが、その中でも特に気になる3人の恋の涯てが
描かれています。
ヨセフ、ディルク、ルーカスそれぞれの愛は、複雑に絡み合っていて、それがどのように解かれるのかとても興味深く、楽しみににしていた作品でした。
結果としてこの作品は私が望んでいた「ハピエン」ではなかったです。
でもこれが帰着であったということに、唸らされたというか完璧なる落とし所であったと最終的に心にストンと落ちてきました。
それぞれの登場人物には目指すところがあり、そこに向かって強く生きていく姿がとても心に響きます。
それぞれの「涯て」はとても言葉で言い表せない人生の奥深さがありました。
またこの作品を通して、人が生きていく中には自身の考えがあり、価値観があり…
それは他人が「そうなればいいのに」「そうなのでは?」という思惑とは違うということを改めて気付かされた作品でした…
なんてこのレビューを書きながら…ああ、これは(ファンタジー)小説だった!と思ってしまうほど、人生を深く考えてしまう厚みのあるお話なんですよね(本の厚みもさることながら…)
それほどに深く深く推敲されている小綱実波先生の文章力と、お話の世界観の素晴らしさに今回も圧倒されました。
人がどうしてそのような行動をするのか。その原因となるところの描き方も丁寧であると多います。1つ1つにだからそうなったのか!と気付かされることが多く、何度読み直しても、毎回たくさんの感動を与えてくれます(そして毎回泣きます)。
いきなり本作から読むのはおすすめしませんが、背中を預けるには本作をお読みになってから是非足を踏み入れていただきたい作品です。