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heibon na ore dakedo isekai de dekiai saretemasu
数年前からラノベ界隈で、主流になっていた異世界転生もの、は、粛々とBL界にも浸透しつつある様だ。ここ10年程の間で、3万件から7.5万件程増えていると何かで読んだ。
いわゆる悪役令嬢ものから聖女まで。「王道」と呼ばれる起承転結は、BLにもすんなりと当てはまる様に。作者陣の手腕で「読ませる」ものになっているかは、先生方の腕の見せどころ。
私はここのところ「悪役令嬢」ものにハマってそれらを貪る様に読んでいたので。その一環で大好きなBLものが出て来たのを機に喜んで買ってみた。このアンソロジーはそれぞれに一話完結ではあるが、山野でこ先生の「ある王子の幸福な日常(乙女ゲームの攻略キャラに転生した俺の平凡な?生活2)」(タイトルがもう、ラノベっぽいね。)が、前作の続き、となっているのがとてもとても嬉しい。前作のアンソロジーの中で一番気に入っていたから。前作では受けのヨハン視点だったのが、その後のストーリーを溺愛執着攻めのフレドリック様視点で描いて行く。
抱き潰した翌朝、ヨハンの愛らしい寝顔を見ては、幸せを噛み締めるフレドリック王子。前作では、公認カップルと言えど、フレドリック様の溺愛に恥じらっていたヨハンだったが、絆されたのか。いつの間にかバカップル全開になっていて。互いに離れ難くなっている。フレドリック王子は、ヨハンの美しさが衆目を集めるのを憂い、ヨハンもまた、堂々たる王子様であるフレドリック様がモテるのを危惧している。互いしか見えてないのに。それは幸せで贅沢な悩み。フレドリック様は何度でも誓う。決して側を離れない、と。ヨハンを見詰めながら「私の最愛」と言って憚らない、王子様の溶けそうな笑顔。ロマンティック満開です。
その他、引き取った孤児に下克上溺愛される「俺だけの紫の上……って、え?俺がそっち側なの?」「悪役令息に転生したけど、本編がはじまる前にハッピーエンドを迎えました。」というタイトルが出オチ感満載の作品や、モフモフ獣人攻めの「獣人将軍のヒモ」。前世の記憶を活かしてシナリオを変えて行く「幼なじみがラスボスのRPG第二部は、BLゲームに代わりそうです」以上の全5作品を収録。本編中に表紙の麗しいイラストを描かれた藤未都也先生の作品が収録されていないのが残念。アンソロジーあるあるですね。この絵で是非、麗しいBLを見てみたい!