ポッチ
OFF AIR
一穂さん作品の中でも人気の高い「イエスかノーか半分か」の番外編に当たる『OFF AIR~イエスかノーか半分か~』の3巻目は、本だけの通常版と、本にプラスして、2020年の12月に公開になった映画『劇場版 イエスかノーか半分か』のDVDがセットになった『OFF AIR(3)~イエスかノーか半分か~ 劇場アニメ「イエスかノーか半分か」DVD付き特装版』も同日発売になりました。
今作品は、その特装版についてきたDVDです。
映画は見に行けなかったので、もちろん、当たり前のように、こちらのDVD付きの特装版をお買い上げしました。映画館の大きい画面で見たかったという思いはあれど、地方民としてはこうしてDVDを拝見できてうれしい限り。
ということでレビューを。
かなり原作に近い感じで描いてくださってるな、とまず思いました。
何より、潮と計が動いて喋ってる…!という感動は大きい。声優さんてすごいなあ、と改めて思いました。内容は、もちろん面白いというか萌える。
ただ、原作ファンだからこそ思うところもいくつか。
今作品はお仕事BLなんですよね。一穂作品と言えば、お仕事BLというのが大きな魅力の一つでありまして。が、尺の問題もあるのでしょう。そこは理解はできますが潮と計の恋の部分に多くの時間が割かれてしまっていて、二人の仕事に描ける熱意とか情熱が今一つ伝わってこなかったなあ、と思いました。計に至っては、彼のあの心の中で呟く罵詈雑言の「意味」あるいは「理由」が見えてこないので、単に性格の悪い青年になってしまっている。ように思いました。原作ありきで見る方にはもちろん理解できますが、初めてこの作品に触れた方には計の魅力が今一つ分からなかったんじゃないかな、と。いや、もしかしたら原作を知らずに見に行く方はいない、という想定ありきではあったのかもしれませんが。
あと、今作品の挿絵はずっと竹美家さんが担当されています。
竹美家さんの描かれる繊細で美しい絵柄がこの作品のイメージだったので、アニメの二人にちょっと違和感を感じずにはいられなかったな、というのが正直な感想。いや、アニメ化するうえで、ああいうタッチの絵柄になってしまうのは仕方がないというのは理解はできますが。
人気作品ゆえに、アニメ化するというのはなかなか難しい部分もあったかと思います。それを考慮して、かなり上手にまとまっていたように思いますし、何より声優さんの演技が素晴らしかった。続きが出たら次こそ映画館に足を運びたいと思います。