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borderline
軍事国境線の兵役についた大学講師と寄生植物によって身体に女性器をつけられ「ふたなり」になってしまった職業軍人の話。
実在しない国や兵器、動物や植物が出てくる架空国家SF。独特の世界観と読んだことのない設定で面白かったです。
基本的には攻め視点で話が進むのですが、攻めのガレが卑屈過ぎて読んでる最中に頭を抱えちゃいました。
受けのジャックの事が好きすぎて悩んで傷ついてすぐ泣いて、木原先生以外の方が書いた小説だったらイライラして、普段の私ならすぐ読むのを投げ出してしまいそうなキャラです。
また卑屈な割に意外と有能、特に男性同士の性技に関してだけはなぜか自信満々!というギャップには爆笑でした。
受けのジャックは正反対の何事にもあまりこだわらない明るい性格で誰からも好かれる男。そしてこんなガッチリ筋肉質な見た目なのに「ふたなり」というギャップ!
とても魅力的なキャラなのですがノンケで恋愛や人の死に関してはタンパク過ぎて、攻めのガレは振り回されっぱなし。予想外の行動ばかりするので面白いですがヤキモキさせられました。
小野浜こわし先生の挿絵は筋肉ムキムキで色気があり世界観ととても合っていて凄く良かったです。
木原先生は作品ごとに挿絵作家さんが違うので、毎回知らない神絵師さんに出会えるのが楽しいですね。
今回も「そうきたかッ、、、!」って感じですね。言葉に出来ない。
さすがです。さすがです木原先生。だいすき!
あらすじは皆様が書いて下さってるので割愛しますが、今回はなんと木原先生のふた○りです。
正直、あんまり好きな設定ではないんですよ。びーえるでやる意味がよくわからんので。んん〜〜でも、あんまりそこは重要ではなかったです。
攻めくんも受けくんも性格が悪過ぎる!
今作はこれに尽きました。
受けくん視点のときは「攻めッ!サイテー!なんでこんなに自分勝手なんだよ!状況みろよ!」と攻めくんに対して怒り心頭になるのですが、攻めくん視点になると「受けッ!あんた、人の心がないんか?」と受けに対して腹が立ってしまう、、、
だけど、寝る間も惜しんで夢中でページを捲り、何故か読み終えた後は幸せな気分になる。
なんなんでしょうか、これは笑。
ほんとうにわかりません。
わかるのは、木原先生の作品はやっぱり面白ェ〜!!ってことだけです。
「甘々な話だよ♡」的なことを木原先生はツイッターで仰ってましたが、これは、、、どうですか?甘々、、、ですか?甘、、、?
雑誌掲載分は既読でしたが一冊になり素晴らしさに唸りながら読みました
(以下ネタバレに若干触れますが自分の感想だけ書かせていただきます)
人はどうして愛を愛と理解するんでしょうか
私は愛を知らない人間が愛を知り人間になるお話が好きで愛好していますしBLにはこの設定は少なくありません
ですが今回先生は「愛を知らない理解できない人間が本当に愛を理解できるのか」という事を容赦なく描き切ってくださいました
読んでて唸りました
そうですよね
ヘレンケラーに文字を教えたアニーサリバンでもヘレンが幼い頃水をウオーターと理解していた経験があったから水にウオーターという名前があると伝えられたんです
全く知らなくて理解しようとも1ミリも思っていないものを相手に伝えるのって凄く難しいことですよね
先生の描くお話の魅力の大いなる要素に「忖度しない文章と関係性が浮立たせる本物の人間」というのがあると思います
今作もBLというフィクションの世界なのに(ましては今回人工的なヴァギナを作る植物というぶっ飛んだファンタジー要素ぶっ込んでるのにも関わらず)「本物の人間」を描き切っていると思わせる素晴らしさ…いやもうほんと凄いです。脱帽です。読んでて叩き潰されるような快感に肌がビリビリしました。
アニーサリバンが諦めなかったように攻めワンコが諦めずしつこくしつこくしつこく頑張ったおかげで最後の章に辿り着けてBLになりました。(でも厳密に心が通い心がほかほかになって君しか見えないって関係性に辿り着いたわけではないのでBLって言葉面倒ですね)
とりあえず生きていくためだけに生きてる受けに、攻めを信じて身を任せることができた攻めおめでとうと思いながら、攻めの上で楽しむ受け様がいろっぽくて攻めの年下ワンコににシンクロしたようにうけに見惚れました。
ガチ目な戦争ものでガチムチ受けでレイパーで甘いとこなんかほぼほぼないお話です。しかも木原作品の中でも受け攻め二人ともキャラが自分のことしか考えていないタイプです。まあリアルですね。甘くてとろとろになりたい人にはちょっとかなり相当厳しいかもしれません。
そんな意味で人を選ぶとは思うけど私は痺れまくりました。
そして読める私で、木原先生を好きでよかったと思う一冊でした!
木原先生以外誰も書けないだろう世界をありがとうございました!
作家買い。
木原作品と言えばヒリヒリとした痛みを感じる作品も多いですが、今作品はどんな感じかな?と思いつつ手に取りました。
戦争が時々起こり、そのため兵役がある国が舞台。
主人公は、大学講師でありながら兵役で従軍しているガレ。一時休戦中である現在、戦争になることはないだろう、と思いつつ、意にそわない兵役に辟易としながら満期終了を待ち焦がれている。
そんなガレには気になる人物が。
兵役で徴収された兵士ではなく、軍人として軍隊に属しているジャックだ。ゲイという性癖を持つガレは、ジャックは一目惚れしてしまった。が、それも兵役の間だけ。任務を終えれば、会うことのない。そんな存在だった。
が、ある日ガレはジャックからの呼び出しを受ける。そしてそこでガレはジャックの秘密を知ることになるが―。
帯にも書いてあるのでここでも書いてしまいますが、ジャックはふたなり、なんですね。そして、それは後天性のものだった。今現在、世界の情勢的に「戦争」「民間人が戦争に巻き込まれる」というバックボーンはなかなかセンシティブなものではないかと思います。木原作品なので、と言っていいでしょう、がっつり「戦争」という部分も描かれていますし、もしかしたら少し苦手、というか受け付けない方もいらっしゃるかな?
それでも、この世界観はさすが木原先生と唸らざるを得ない。ぐっと引き付けられます。ベースとしてはかなりシリアスです。が、シリアス一辺倒の作品でも、ありません。
それは、受けのジャックという男性の存在にある。
彼の幼少期。そこで、彼の気質が出来上がってしまった。自分のことは自分で何とかしなくてはならない。そんな、飄々とした人物です。
そんな彼にひたむきな愛情を向けるのが、ガレ。
甘い作品ではありませんが、ジャックだけを一途に思い続けるガレの姿は、滑稽でもあり、健気でもあり、人の本質を描いているようにも見える。そんなガレを、掌の上で転がしながら動かすジャックの姿も。彼のふたなりという身体の秘密は、人によっては受け止めきれない。と思う。けれどジャックはそれを跳ねのけ、己の不運を恨むことなく生きる事に執着する。カッコいい。美しく、強く逞しい野生の動物、っていう感じがしました。
二人の想いは交差しながら、でもすれ違っていく。
二人の想いは、読んでいてすごく理解できる。できるのだけれど、お互いが望むものが根本から違うからどうしようもない。
けれど、いつもの木原作品のように、もう勘弁してあげて―、と思うほどの痛さはない。木原ワールドを楽しみに手に取られる方には、若干肩透かしを食らう作品かもです。
個人的には、めちゃめちゃ面白く読みました。
世界観、ジャックとガレ、二転三転しながら進むストーリー展開。どれをとっても、圧倒され、飲み込まれてしまう。
挿絵の小野浜さん。
がっつりマッチョで硬派な絵柄を描かれる絵師さんのイメージが個人的に強いのですが、その絵柄が今作品のイメージにぴったり。ムワッとした男の色香がこれでもかと描かれていて、それが木原さんのさすがの文章力とマッチしていて、ジャックの筋肉、筋、そして下半身に至るまで情景がまざまざと目に浮かぶようでした。
木原作品あるあるだと思いますが、木原作品は読み手を選びます。
苦手な方には苦手となりうるバックボーンがてんこ盛りです。
個人的には、木原作品の中で1,2位を争う甘さと純愛を描いた作品だと感じました。
萌え、というよりは一つの作品としてめっちゃ面白かったです。
先生買い。一部雑誌で読んでいたんだけど、同人誌でずっと書かれていたものの一部だったみたいでした!びっくり!いやはやなんといえばいいのか、とんでもない野郎と側にいつづけるようと頑張るわんこのお話で、とにかく忘れない一冊になるなと思ったので神にしました。戦場のお話はそんなに得意じゃない方は少しご注意ください。なんでもばっちこーいな人向けではとおもうご本、5篇全310頁ほど。
隣国スーザンヌと休戦状態にあるフィドラ共和国で、義務のため、国境近くで一年の兵役についているガレ。ある日惹かれている職業軍人のジャックと一緒にいるときにヘリが墜落するのを目撃し…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は、
前半、軍の仲間複数、後半、受けの大学仲間複数。後でまた出てくるので要注意です。
++
受けは以前捕虜になった時に拷問として埋め込まれた植物の種により一週間に一回は男を受け入れないと駄目になったという驚き設定の方、いやさすが木原先生。そしてフリーダムに書かれたお話、よくぞ商業本にしていいよと仰ってくださいましたね、B-BOYさん…ありがとうございました、読めて良かった。
攻めは、真面目な宗教の敬虔な信者である両親に育てられ、大学で教鞭をとっているお固い方。反動でフリーダムな方に惹かれるってのはよーーーーくわかるんですが。もうちと無難な方に惚れりゃあええのに、よりにもよって、職業軍人のジャック。愛情って家庭って恋人って何それ美味しい?という様子の方。なんとまあ厄介な方に惚れてしまって…。まさかの展開かと何度も思ったのですが、すごいなあ…忠犬魂の勝利とでも言えばよいのか?
二転三転どうなるどうなるとハラハラ見守り、最後は安堵感でいっぱいなお話でした。最後らへんにある「指先から愛しているが見える」って一文がすっごく好きです。前半ドロドロで大変ですか最後をどうぞお楽しみになさってください。先生、ジワるお話、ありがとうございました。
面白かったです。しかも後味が良い。メリバっぽいのも多い木原さんにしては安心のラストでした。木原作品に興味はあるけど痛い怖い後味悪いかも?と二の足を踏んでる方にもおすすめしたい。
何がすごいって帯にも書いてるから言っちゃうけど、ふた◯◯設定。よくあるような中性的な受けでなく見た目も中身も立派なおっさんの強強受け。挿絵イラストがこんなにピッタリハマる話も珍しいです。素敵でした。ふた◯◯と言うよりはあの有名なヤオイ穴みたいな感じがしました。
ストーリーは前半戦場でシリアスで味方に死者が出たりもするんですが、トータル的にはコメディーというかブラックユーモアというかかなり笑わせてもらいました。育ちが全く違い噛み合わない2人。すれ違いコントみたいな雰囲気を楽しめます。
レイプした後に「愛してる」って言う攻めとデリカシー無だけど最後は結局絆されて許してあげちゃう寛容な受け。案外お似合いで相性ばっちりです。最後の書き下ろしみたいな番外編が甘々で良かったです。最初は痛い部分もあるけどそこに行きつくまで脱落せずに読んで頂きたいです。
あとがきも面白かった。新しい担当さんグッジョブ。やはりBLはいつも使う所も使わないとね。
同人誌版はkindle unlimitedで読んでいましたが、改めて表紙を見てこちらを少し読んだだけで「ああ〜〜〜」と心の中でのたうち回るような濃厚な世界観でした。
敵国からの拷問で女性器(に似た植物作用)をはめ込まれた軍人ジャック。このパワー設定に頼り切らない、ガレとの温度差ある会話とシリアス(ヘンテコあり)脱走劇。面白かった〜〜!
文章のムンとした熱気が暑い日にピッタリ。台詞の端々から伝わるジャックの屈強さや男臭さは絵がなくても目に見えるようで流石の筆致です。
ジャックの自由な振る舞いや男らしさに惚れるガレ。後半でも「期限切れの初恋」のような、生き方も見る世界も全く違う人に恋して歯牙にも掛けられない辛さ情けなさが残酷に語られるのは、相変わらず木原さん節で最高。
そして途中のクソ自己中な犯罪に殺意が湧きますが、その後の盲目的なロマンティックさと空気読まなさが滑稽でまた面白くて。
生きるも死ぬも執着しないジャックと結婚や愛について考え方が違う(むしろ考えたことがほぼ無い)のは当然なのですが、力技で帰る場所を作ったガレの粘り勝ちは天晴かもしれません。
同性でも簡単に結婚出来る世界になったとしてそれでも愛とは(必要なのか、も含めて)人間の永遠のテーマで、またBLも一段階進むんだろうと思いました。
理解し合えないまま其々居心地の良さや小さい幸せを、滑稽さを含めて甘受していく感じでしたね。
エロ多めのテーマでしたが、ジャックの屈強な心身でふた○○は淫靡さと誘引力がスゴイ。
あと何となく罪悪感なく読める…思春期の子だとちょっと可哀想になるので。
前の棒役(「灰の月」に続きこの言い方が出てきて笑った)レオも物欲しそうに尻の穴を舐めてたというジャックの回想が罪深くて、なんかレオ不憫可愛いなと思いました。ほんとは強クール攻めなのに。
SMみたいな攻め調教は、ガレの夢中さが可愛くて笑えます。性器から穴2つ好きなように舐めさす受けエロ…
今回のイラストは初めて見る方でしたが外国人ぽさと男臭さがピッタリでした。
ガタイの良い騎乗位の威力半端ない!
雑誌を読んだ時にとても強烈に印象に残っていたお話でした。なので発売されると知りとても楽しみにしていたのですが、同人誌で発表された部分と雑誌掲載部分からなるんですね。同人誌の方は未読でしたので新鮮でした。
でも、未読の筈なのに雑誌掲載部分と重なる部分もあり未読の筈なのにどうして既視感が?と思ったものの、一冊にするにあたり手直しした部分があるというのでそこなのでしょうね。
そこに書き下ろしの「Birthday」が入り、やっとガレが報われたと思うと感慨深い思いがありました。
雑誌掲載部分を読んだ時はジャックがとにかく酷い男で、「ガレって可哀想」しかなかったんですよ。読んでてキツくて気が滅入って来る記憶しか当時はありませんでした。最後にちょこっとだけ救いが見える終わり方だったと思います。
ところが一冊に纏められたのを読んでみるとジャックの生い立ちや死に対する考え方、ガレのロマンチストで恋愛に盲目的な面とかのウザさが分かって、ジャックが意外にもまともに思えてしまったんです。
それでもガレの報われない思いはやっぱり切ないし、このキツさが木原音瀬先生だよなぁと読んでて快感に思う自分もいました。
植物に寄生されて出来る◯性器を使ってのセックスと、ジャックにとっては生きる為に必要な医療行為でしかないんです。
それに対してガレはとにかくジャックを手放したくないんです。
この2人の噛み合わなさをどう料理してLOVEに持ってくのだろうと思いました。
2人の恋愛の攻防とテロ事件まで絡みあって読み応え充分でした。
個人的には隣国への奇襲作戦からの帰還までが凄く読み応えありました。LOVEは全然無かったけど、ジャックの軍人としての能力とか必死でついて行くガレの関係に萌えました。
あとガレの実家をリフォームするジャックの様子とか好きでした。
木原音瀬先生の大ファンであり、筋肉ガチムチの強強受を何よりも愛する私にとって、こんなにストライクな作品が読めるなんて…!
Twitterでこの作品の発売を知るや否や、真っ先に予約し配達される日を今か今かと待っておりました…。そしてすぐに読了。はぁ…。私は一生、筋肉ガチムチ受を愛していくんだなと、勝手に悟りました…。
すでに多くのレビュアー様があらすじや感想を書かれているので、あらすじは省略して感想を書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
私は創作である以上はファンタジーの設定でもあまり気になりませんが、今回の設定はダメな方もいるかもしれません。私は同人誌などほとんど読まないのもあって、商業ではあまり見られない(のかな?)特殊設定みたいなものにとても疎く、実は帯にある、フタ✕✕というのが最初「?」だったんです。
で、読み始めて、✕✕のところに入る文字を調べて、へー、なるほど。そんな設定あるのね、みたいな感じでした。
ファンタジーなんですけど、そのように設定されていればあくまで物語の中の設定なので、そーゆーものなのね、ふむふむ。みたいな感じでどんどん読み進められました。国の名前や都市の名前、生息動物など非常に細かく設定されていて、あっという間に没頭していきましたが、主人公が暮らす国は北は降雪、南はジャングルとなっていて、すごい長細い国なのね…とか思ったりしました(笑)
まずは受のジャックは小野浜こわし先生の挿絵が小説の文字の中から飛び出てくるほど本当にそのまんま!黒髪に鍛えられた筋肉、ダダ漏れる色気…小野浜先生、天才としか言えない…。こんなガチムチ男が受だなんて…最高すぎてなんも言えない…。と、読み始めから夢中になりました。
好きなシーンは、ジャックが攻のガレの手からマンゴーの実を齧るシーン。挿絵もあるのですが、これもう小説の中からジャックの色気が匂い立つようなシーンなんです。
もう一つは、ジャックが結婚したあとガレにセックスしないという話をし、ガレが泣いていると、ジャックが「お前、どうして泣いているんだ?」と問うシーン。
木原先生は私の中では、『徹底的』というのが1番最初に思いつく言葉なんですが、このシーンはまさにそれに尽きる。攻と受のすれ違いがすごいんです。
攻のガレは執着して未練たらしくて、ウジウジしてるっちゃそうなんですけど、一方で、生死をかけた戦いや間近で見る人の死、簡単に死んでいく敵や仲間。戦争の悲劇をこれでもかと味わい、その後、最愛の人からレイプ犯として訴えられ軍法会議にかけられるという、普通の人ならメンタルやられて危うく廃人になってしまうんじゃないかと思われるくらい、かなりキツイ経験をするんです。
だからその後の卑屈な考え方や極端な妄想、不安に苛まれ勝手にダークに陥るのは仕方ないのかなと思いました。もちろん、もともとの性格もあるのですが。
またそれに輪をかけて、ジャックがガレの繊細な気持ちに気がつかないんですよね。それはジャックがガレのことを作戦遂行の駒としか見ていないからなんだと思います。この二人の気持ちの正反対さの徹底的な描写。木原先生はどうしてこんなにも鮮明に描き出せるのか、脱帽の極みです。
特に奇襲攻撃後にガレがある種の興奮状態となり無理やりジャックを犯したあとのジャックの冷静な描写は凄まじいほど繊細で、ジャックが生き残ることにしか集中していないことが克明に描かれています。
読者が作品を読んでいて作品世界に没頭し、作品世界の中の映画館の椅子からまるで二人を追跡しながらその一挙手一投足を間近で見ているような臨場感。この文章力、本当に凄まじいし、どうしたら頭の中の世界を文字だけでこんなにも克明に表現できるのか、そのすごさに毎回圧倒されます。
物語中盤から後半、ガレとジャックの奇妙な関係も楽しさもありながら鋭さもあり、上がったり下がったりで、どのあたりでドーンって突き落とされるんだろとビクビクしたり(←木原先生作品好きな方ならわかってくれるはず)、最後まで目が離せないストーリー展開でした。
でも、ガレって本当にジャックのことを愛しているんだなと。ジャックを自分のものにしておくために、絶対に言う事を聞くし無理強いしない。ジャックが楽しければどんなに楽しいこともさせてあげたい。
他のレビュアー様も書いていらっしゃいましたが、結局は法的にも認められた配偶者という最高のステイタスを手にして絶対に手放さなかったガレの粘り勝ちなのだと私も思いました。
描き下ろしは結局絆されるジャックと、愛する人をめいっぱい甘やかしめいっぱい愛するガレが可愛らしく描かれていて最高の締めくくり。私はガレが結婚指輪をジャックの左薬指にはめるシーンが大好きでした。ジャックが自分の中で受け入れれば、まぁいっかでガレのわがままを受け入れているところが、ジャックらしくて本当に可愛らしい。ガチムチのジャックが結婚指輪をするなんてそれだけで萌える。もちろんそのあと盛り上がる二人もかなり良き!
最初っから最後までひたすらにジャックが大好きな私でしたが、この作品は人間描写だけでなく、戦争の描写なども非常に細かくて読み応えもすごい。
筋肉ガチムチの強強受が好きな方はぜひオススメです!
最初に、この作品も痛くは無いです。いや、現実と照らし合わせて想像を広げると別の意味で痛いかも知れないけれど。
いや、受けのジャック、好みなんですよ。男らしい受けって好物だし。雄だけど受け。。。そしてオッサン。。。垂涎。
ですが、BL小説って幅広いよね、と思わせる仕掛けとファンタジーで逃げ切る木原音瀬さん(笑)
私はファンタジーってもっとふわふわ、綺麗とかカワイイとかだと思ってましたけど、それすら一部であって概念的にはもっと広いんだものね。
って何を言ってるかよくわからないけれど、実際読まないと壮大なネタバレになるので是非とも読んで頂きたい。
軍事裁判での出来事はガレにとってはかなりキツイことだったんだろうなぁと思いつつも、罪では有るわけで。その経験が従順なワンコに育ったんで、結果オーライか。
ガレの気持ち悪いほどの執着というか好き好きモードがうっとおしくもあり、それに絆される結果になりそうなジャックに同情しつつも、あれ?そうなっちゃうの?ココロとカラダはひょっとして連動しちゃってるのかもね?などと、色んなことを思いつつ読むことになりました。
いつも木原さんの物語は自分の妄想を掻き立て、広げさせられるので、連続して読むのはしんどいけど、止められません!