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nakenai ryuu ha ai wo sasageru
作家買い。
作家買いですが、挿絵をyocoさんが描いてくださっているので、あらすじも拝見せずに予約していました。手にとって、もう表紙から悶絶しました。yocoさんの描かれたイラストもさることながら、紙質、色遣い、すべてが儚く美しい。
けれど、中身もめちゃめちゃ良かった…。
薄幸・健気受けって個人的にドストライクな設定ですが、今作品の受けちゃんがとにかく可愛い。薄幸受けが大好物の腐姐さまに超絶にお勧めしたい1冊でした。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。
宝石の都と呼ばれるガ―ネリア王国。
この地には伝説がある。竜が住まう山があるのだという。竜はいくつかの破壊をもたらしはするが、それと引き換えに人々に宝石を与え生活を潤してくれる存在。ゆえに人々は竜を敬い正しく恐れていた。
が、それは過去の話。
今では竜は街を破壊し人を殺め、そして家畜を奪っていく。そんな竜を、人々は恐れていた。
そんなガ―ネリア国で、竜が住んでいるという山・ガーネ山にたった一人で暮らす竜がいた。今作品の主人公は、竜族最後の生き残り・ルートヴィヒ(愛称はルート)です。彼の両親はすでにおらず、かつて繁栄を誇った竜族たちもおらず、たった一人残された竜。そんなルートは母親が遺してくれた本を読むことが好き。そしてその本に描かれている「騎士」に憧れを抱いている。今は山を下りてはいけないと言われたった一人で暮らしているが、いつかは山から下り、街に住む人々と仲良くなれたら―。それがルートのささやかな願いだ。
そんなある日、山に一人の男がやってくる。
初めて人と接触したルートは喜び勇んで、その男・エリックを歓迎するが―。
というお話。
ルートは竜ですが人型にもなれるというバックボーンを持つお話。
両親がいなくなった後たった一人で(一人、と書くと語弊があるかも。ルートをサポートしてくれる機械人形がいます)山で暮らすルートが初っ端から健気で可愛いのですが、その彼のもとにやってきたエリックという男性が、全然スパダリじゃないの。いやいやいや、こういう時、受けさんのもとにやってくるのはスパダリと相場は決まってるじゃないですか。ところがエリックという青年はちょっぴり胸糞な男性で、うんうん、それでどうなるの?とページを捲る手が止められませんでした。
エリックがルートに、というか竜に冷たい理由。
ルートの両親がいなくなってしまった理由。
竜はルートだけ、なのに様々な地が竜に襲撃を喰らっているという謎。
それが読み進めるうちに少しずつ繋がっていきます。それぞれがきちんとつながり伏線の回収になっている。素晴らしいです。
エリックという男性はですね。非常にめんどくさい男でして。彼が「そう」なってしまったのはきちんと理由がありますし、その思いも理解はできるのですがいかんせんルートが可愛すぎるためにエリックという男性が全然カッコよく見えない。それがまた良い。健気薄幸受けという王道なキャラクターを、既視感ありありの作品とは一線を画し、より際立たせていく描き方はさすがベテラン作家さまという感じです。
人が大好きで、一生懸命なルートが、どんどん追い詰められていく。
優しく接してくれる人がいる一方、ルートの身体と精神は少しずつ削られていく。
竜が主人公だったり、竜の流す体液が宝石になったり、竜の食事が宝石だったり。
ファンタジー要素モリモリなお話なのですが、一方しっかり地に足がついた、っていうのかな。人の良い面も悪い面もきっちり描かれているためにすごくリアルで読みごたえのある1冊でした。
ルートは序盤から最後まで、誠実で健気で優しくてとにかく可愛い。
対してエリックの方はと言いますと、彼の憎しみと恨みで凝り固まった内面が、ルートと出会い心を交わしていくうちに少しずつほどけていくんですね。その過程がめっちゃ萌える。ルートを、竜を、許さない、憎い、という思いを持ち続ける一方、ルートにほだされ、惹かれ、ルートのためにあれやこれやといろいろしてしまう。それをルートに気づかれたくなくて酷い言葉で返してしまう。めんどくさい男だと思う一方、彼の過去を鑑みればその思いも理解できるので、何とか二人が上手くいきますようにと思いつつ読破しました。
エリックが己の想いを自覚した後は、今までの態度はどうした?と思ってしまうデレデレっぷりを発揮するのも良い。
この二人を助け、そして助けられる人物が登場していますが、「彼」も良かったですねえ。彼メインのスピンオフも読んでみたいです。全員でラスボスを倒すシーンはめっちゃカッコよかった!
キャラ良し、ストーリー良し、挿絵良しの文句なしの神作品。
葵居さん作品の中でもとても好きな1冊になりました。
作家様買いです。
純粋で健気な竜のルートヴィヒ(ルート)と、
家族を竜に奪われて恨んでいるエリックのお話です。
ルートがひたすら健気で、序盤からほぼずっと泣きながら読んでいました。
健気で純粋で無知で、ほんとにひたすら心がきれいなんです。
だから自分をすぐ犠牲にしようとするんですよ。
その姿に涙が止まらなくて…。
帯の『僕のことは、エリックが殺してくださいね。』と言う言葉。
これを作中で読んだときは苦しくて苦しくて…。
エリックはエリックで可哀想な過去があって
でもルートはルートでずっと孤独の中で生きてきて
なんとも言えない気持ちになりました。
だからこそ最後のハッピーエンドは
それはそれでまた泣きました。
まだそこまで沢山は小説を読んでないのですが、
今まで読んできた小説の中で一番泣いたし
二人にとってほんとに良かったねって思えるお話でした。
二人の赤ちゃんが授かるお話も読みたいなぁと思いました。
もしかして葵居ゆゆ先生の作品の中では1番好きかもしれません。
今作は世界観といいキャラクターも魅力的で、更にyoco先生のイラストも凄く良かったです。10周年を迎えられた葵居ゆゆ先生の代表作になるのではないでしょうか?
とにかくルートヴィヒが健気で可愛くて、純粋で可哀想で読んでで胸が痛くなるんです。
そんなに1人で抱え込まないでって、君は悪くないでしょって言いたくなりました。
そしてエリックは過去に囚われてて気の毒な人としか思えなくて、もうルートヴィヒに冷たく当たらないでって腹が立つんです。
街で起きている竜が暴れている事件ですが、何となく背後で動いてる人物は直ぐに察せられるんです。その人物をどう炙り出して解決して行くのかが面白かったですね。
ガーネリア国王のベルナーがいい味だしてるんですよ。事件の解決と共に国民の竜への意識を同時に変えるって、なかなかの策士だと思いました。愉快なだけじゃなくて、1番底の知れない人物だと思いました。
頑なだったエリックがルートヴィヒの純粋さに触れて、憎しみから解き放たれて行く過程が凄く感動するんです。
それからのエリックのルートヴィヒへの対応の違いにキュンキュンしました。
純粋培養の王子さまであるルートヴィヒの性の知識に驚愕するエリックにクスッとしたり、機械人形のピピとのやり取りにホッコリしました。
惜しいのは、エリックとルートヴィヒの間にベビードラゴンが産まれるまで読みたかったですね。
270ページの二段というボリュームでしたが、一気に読みました。
とにかくルートヴィヒの心のまっすぐさ(幼さ)と境遇の不憫さに泣き、自分の存在が異質で憎まれていることを知りながらも、人のために頑張る姿がひたすら健気でそこでも涙が止まりませんでした。
ルートヴィヒが自傷したり傷つけられるシーンがありますので、そういったものが苦手な方はご注意ください。
この作品を読んでいると、どうしても現実の世界のことを考えられずにはいられませんでした。どこまでが罪なのか、どこまで償えば赦されるのか。
作品自体はハッピーエンドですが、めでたしめでたしだけでない作品だと感じました。
葵居先生の作品の中で一二を争うほど好きな作品になりました。
yoco先生買いなのですが、いやー良かったです。王道だよなと思うのですが設定あちこち好きだったので、神より萌2にしました。ゆゆ先生らしい健気一直線、可愛い可愛い受けが好きな方、可愛い竜が好きな方におススメです。本編240Pほど+後日談25Pほど+あとがき。
機械人形に仕えてもらってガーネ山の洞窟で一人暮らすルートヴィヒ。そろそろ伴侶とするべく人間をさらってこいと言われるけれども、なかなか決心がつかなかったある日、誰にも入れないはずのガーネ山に帯剣した男が一人やってきて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
ピピ(受けに仕える機械人形)、ベルナー(国王、頑張る)、モスウィック(大神官長)、ドーリス、リマ(修道女)、キト、ミーシャ(孤児)ぐらいかな。ドーリスが暖かいお母さんで良かった。
++ お話で好きだったところ
ルート(受け、竜)が血を流したり、涙を流すとそれが全部宝石になるんです。最初は懺悔の気持ちで、自ら傷つけ流した血で紅い宝石を。終盤、花火が綺麗だと涙したところでは青みがかった乳白色の宝石を。本当に心根の優しい、悪意の「あ」の字も持たない純粋な竜。最後の竜。食べるものは宝石だけ。たまらん設定てんこ盛り。
健気受けはそんなに好きではないのですが、なんでしょう、暗くならない感じの子だからいいのかな。父竜がやってしまったことを償わなきゃと考えるんだけど、死ぬまでの間はやれることをやろうと色々初めてのことをイキイキ楽しんでいるし、どうせ死ぬなら大好きなエリックに殺してもらいたいと本人に頼んじゃうような子なんです。yoco先生の挿絵ぴったりな印象。
攻めは故郷を竜に焼き尽くされ、竜は殺しても殺したりないという様子の方。だから後半までは、甘くないです。ただあまりに受けが献身的なので、戸惑い、憎しみを向けることができず、とうとう最後は自分の心に向き合って・・・という様子。受けを腕の中に囲い込んだ時の攻めの様子、ああようやく・・・と読んでいるこちらが本当に安堵したシーンでした。
ピピは可愛いし、ベルナーはくわせもので、ドーリス母さんにはほわっと抱き留められたような心地にしてもらえ、サブキャラがちゃんと安定安心の役割分担できていて、お話としても読んで良かったなあと思った一冊でした。宝石食べる竜、良いです!
今回は竜を憎む義賊と最後の竜族のお話です。
最後の竜族となった受様が攻様という幸いを得るまで。
ガーネリア国は太古よりこの地に住む竜族が
宝石を守っていることで成り立つ国です。
竜は宝石しか食べられないため
人間達は季節ごとに宝石をささげ、
何十年かに一度は伴侶を差し出してきましたが
大きな戦争のためにその習慣は廃れ
受様の父が住処とした洞窟を去ってからは
この国の竜族は受様だけとなります。
受様はいつか伴侶を得たら街で暮らし
竜は怖い存在ではないと知ってもらって
昔のように宝石を分けてもらえるようにしたい
と思っていますが
古の力の守るこの地には
旅人や迷い人ですら現れることはなく
伴侶を得るには自分から
街まで出ていかなければなりません。
しかしながら父の集めた本には
竜をよく描いたものはなく単なる嫌われ者で
人間は母のように優しいはずだと思っても
不安は消せません。
そんなある日、
物語の挿絵の騎士様のように凛とした佇まいで
鋭い眼差しの人間が現れるのです。
彼こそが今回の攻様になります♪
王の依頼で竜を探しに来たと言う攻様を
受様は最後の竜としてもてなそうとしますが・・・
竜への復讐を誓う青年と最後の竜となった受様の
ファンタジックな恋物語になります♪
受様は知らない事ですが
ガーネリア国では竜が出没しては
街を壊したり、焼いたりしていたのです。
攻様は貧しさから身売りをして故郷を離れますが
攻様の故郷は竜によって焼かれて以来15年たっても
ずっと誰も住めない不毛な地となっていました。
攻様は表向きは絵を売ったり、
寄付を頼んだりする仕事をしていますが
夜は貴族や金持ちから金を盗み、
貧しいものに配って憂さ晴らしをしています。
巷では攻様の行動は義賊と言われおり
そんな攻様に声をかけてきたのが
父王の死で即位したはかりの新王でした。
王は自身の即位前後から竜が出没し
最近では数日に1度街のどこかが襲われている事
竜を見たという者がいない事から
竜の犯行に懐疑的なのですが
父王の代から民衆の心を掴む神官長は
害をもたらす竜の排除に積極的で
攻様に連れられて王宮にあがった受様を
邪魔者として排除しようとするのです。
攻様の故郷を滅ぼした父竜の真実、
最後の竜として人間と仲良くなりたい受様の願い、
街を襲う竜の事件に裏に潜む黒幕の野望、
父竜の行いによって傷ついた人間に
償おうとする受様の真摯な姿に胸打たれ
そんな受様と関わる事で
すこしづつ変わっていく攻様のありように
きゅんきゅんさせられ、
攻様が受様の手を取るまでハラハラ&ワクワク、
たいへん楽しく読ませて頂きました。
竜が宝石を食べるという設定で
宝石の味が美しさでも表現されているのですが
それがまた物語世界をさらに煌めかせていて
とても良かったです (^-^)/
宝石が豊富に採れる国ガーネリア。
かつて竜は大切な宝石を守る神聖な存在でした。
戦争で竜を崇める習慣もなくなり、今では嫌われる存在に。
竜族の最後の生き残りルートヴィヒは15年前に両親がいなくなり山の洞窟で1人、機械人形と共に暮らしています。
ルートヴィヒは一度も山から出た事がなく、街や人間に憧れを抱く心優しい無垢な竜です。
そんなルートヴィヒの元に、竜族を憎む義賊エリックが王からの密命を受けて訪ねて来ます。
始めて接する人間に喜びを隠せないルートヴィヒですが、エリックは憎しみから冷たい態度。
王の密命によりルートヴィヒは城へ連れていかれ、人間と触れ合い、陰謀に巻き込まれたり、恋を知っていくお話でした。
竜は宝石を食料としていたり、涙や血液といった体液全てが宝石に変わるという設定や、機械人形の使用人等世界観が神秘的な雰囲気で好きです。
エリックは金持ちから不正な金品を盗み貧しい人々に分け与えている義賊。
見た目の良さもいいですし、粗野な感じはなく、わりとスマートな人な印象です。
ただ、竜族に恨みがあるからとルートヴィヒに対する態度が結構酷いんです。
それが優しく無垢なルートヴィヒと接するうちに段々と考え方が変わってきます。
根は優しい義賊。憎しみをルートヴィヒにぶつけることに罪悪感を感じたり、ルートヴィヒを放っておけないところはとても優しいし憎めないな、と思います。
ルートヴィヒは純粋無垢でとてもいい子なのですが、自己犠牲的なところや、周囲から受ける態度や仕打ちが酷くて不憫過ぎてちょっと辛かったです。
きっとハピエンのはずだからこの辛いパートを乗り切ろう!
と思って読み進めていましたが、結構長い事ルートヴィヒが可哀想で…。
自分の趣味の問題ですが、あまりストーリーに引き込まれる事がなかったかな。
設定やハラハラ感のあるストーリーは面白かったですが、あまり楽しみきれなかったというか。
私が萌えとかキラキラ感を求めていたからだと思います。
ですが、お話が好転してからのエリックとルートヴィヒはお幸せそうで良かったです。
闇を抱えていたけど、ルートヴィヒに浄化されて溺愛しちゃってるエリックとても好きです。
辛いところが長めでしたが、最後は嫌な気持ちにならずに読了できました。
「孤独な竜」。不憫受が好きな人向け。
出だしは、孤独な今の状況について。
●ベルトルト:竜族の王、金竜。ルートの父 ルートを産卵したのは父。
●マーガレット:目が見えない人間 ルートの母
●ルートヴィッヒ:19才
竜人族最後の王子。金色の小さな竜。
5才のとき、母が人間に殺され、悲しみすぎた父王は、母のところへ出かけて戻らない。
両親を失った後、ルートを育てたのは、優しいロボットたち4体。
母の為に父王が集めた本、特に「龍から姫を守る騎士」の物語が大好き。
人を攫う竜は、嫌われている。人間に虐められることを恐れている、ルート。
エリックを「騎士様」と勘違いして、歓待。
●エリック
何故か竜の山に入れる人間。龍を憎み、金持ちと貴族を嫌う盗賊。
生まれ故郷の火山の噴火は、竜の仕業で起きた災害だと竜へ復讐を誓う。
●ベルナー:継承したばかりの若い王。 エリックの友人。
●モスウイック:ずる賢い神官。
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悪者扱いされて憎まれる竜族。エリックは、竜族のルートも憎んでいる。
再会したエリックとピピから両親の最期の真実を聞いても、ルートは「贖いたい」。
抗わずにエリックに捉えられ、王の命で王城の牢に入獄する
ルートは、愚かと言っていいほど、自責自虐が強い死にたがり。
一方的に人間に責められ、乱暴を受ける場面が延々と続いてとても嫌。
勝手で腹黒い人間ばかりで、途中で読む事が嫌になったけど、・・なんとか読了。
不憫受は好きだけど、自責自虐嗜好が過ぎて 途中読み進むことが嫌になるほど。
本来、ルートが人間に言うべきことを
最後にやっと、ベルナー王がきちんと言葉に出している。
・・とても とても 疲れる、不憫受の物語だった。