曙光 悪食3

syokou

曙光 悪食3
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神14
  • 萌×27
  • 萌2
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
8
得点
104
評価数
24
平均
4.4 / 5
神率
58.3%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
みずかねりょう 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
シリーズ
悪食
発売日
電子発売日
価格
ISBN
9784199010675

あらすじ

水琴の画家デビューのため、最高の舞台を用意したい──。画商兼恋人として、準備に奔走する泉里。けれど、描くこと以外許されない水琴は、重圧を隠せない。泉里の期待と献身は有難いけど、このまま流れに身を任せていいのだろうか…? 不安が募る中、なんと親友の橋本が殺人容疑で逮捕されて!? 突然降って湧いた冤罪事件、恋人への微かな不信──デビュー目前の画家に、試練の時が訪れる!!

表題作曙光 悪食3

水琴の恋人で後援者でもある画商
死者が視える画家の卵

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数8

BLサスペンス第三弾

古事記の「悪食」を土台に、BL風にアレンジしたサスペンス 3弾目、
前作二篇と、出来れば古事記の「黄泉の比良坂」の悪食を、
読むと意味が分かるし、面白さが増すのでお薦め。

①悪食     「妖精画家」の水琴 高祖母似、18才、恋人が出来る。
⓶羽化 悪食2 「妖精画家」の偽物登場
③曙光 悪食3  水琴20才

みずかね先生の挿絵が綺麗です。眼福。

水琴が死者しか描けず、死者の想い残しを聞き取り、無念を叶えるのは、赤目の「八雲」シリーズと似ている。
今作も少し切なさが残る、BLサスペンス。

★今作のテーマは、仏教説話集『今昔物語集』卷三十一・第二十七の「萱と紫苑」。 

曙とは、夜明け前。
夜明け前は、用心深い鶴と亀でも真っ暗で転んでしまうという歌があるくらいの、真っ暗闇。
夜明け前の暗い闇のなかで蠢く黒い靄の主は、意外な人物。

★今作も、弁護士の監修付。 お金をかけている作品です。
水琴がプロデビューの準備に入る。愈々お披露目、で次号に続く。

5

早くも続編が待ち遠しいです

前作「羽化 悪食2」で現れた水琴と泉里の問題点が、こちらの「曙光 悪食3」で顕著になってましたね。

泉里の水琴が自分の側から居なくなってしまうのでは無いかと言う恐怖と、魅力的な水琴の周りに集まる人間たちへの嫉妬。
水琴の画家としてどうありたいか、泉里とどんな関係になりたいのかという戸惑い。
これらが水琴が画家デビューを決めた途端に一気に吹き出すのです。

それに並行して水琴の友人である橋本の父親殺害容疑が、前作から登場した雪輪という少年の介入によって思わぬ方向に進んで行くんです。

この雪輪の存在が1番恐ろしかったです。無邪気な好意を水琴に見せる面がまた尋常じゃなくて…彼が今後どう関わって来るのか、敵なのかそうじゃないのかが凄く気になりました。

また、今回はいつもの死者の声とは違っていて、かなりゾクッと来ました。
似たような境遇の萱と紫苑…それぞれの母親の取った行動が子どもに対して真逆だった事に対する結果がエグくて、宮緒先生らしいなぁと思ったんです。

母親の子どもに対する思い、萱がそれに気が付けて彼が最期に取った行動に涙が出ました。
また、橋本の父親の隠された真実や息子に対する不器用な愛情にも同様にウルっと来たんです。
この辺りが「悪食」シリーズの魅力で好きな点なんです。

今作では水琴が妖精画家として個展デビューして、泉里に舞台に呼ばれたところで終わってました。

デビューした水琴の周りがどう変わって、また水琴と泉里もどう変化して行くのか、早く続きが読みたくてしょうがありません。

3

目指す未来をつかみ取るために

今回はギャラリーオーナーと不思議な力を持つ画家の卵のお話です。

受様の友人が父親の殺人事件の犯人の顛末と
受様という稀有な芸術家を巡る愛憎劇を収録。

受様は高祖母から
美貌と死者の声や姿を見る異能を継承します。
視えないモノを視、彼らを描かずいられない受様は
母に疎まれ、山奥に住む父方の祖父の元で育ちます。

そんな受様の生活が変わったのは
知らない間にSNSにアップされた絵に惹かれた
画商である攻様からのアプローチでした。

攻様は画商として受様の才能に惚れただけでなく
受様自身をも愛し、受様は攻様を後見人として
東京の美術専門学校にて画家を目指す事になります。

受様は異能もあり、デビューに懐疑的でしたが
画風と画家本人のミステリアスさから
「妖精画家」と呼ばれ、

偽物まで現れる事件に巻き込まれた事で
受様にしか描けない彼らの遺した思いをつたえたいと
我がとしてデビューする決意をします。

攻様は受様を全力で支えると約束してくれますが
受様自身をも深く愛しすぎるあまり
受様に絵を描く以外の事をさせたくないようで
交友関係にまで口出ししそうな勢いです。

それでも攻様を愛する受様は
攻様の過保護も束縛も甘んじて受け入れるのですが
受様の才に魅せられた画商は
受様と攻様の関係に苦言を評していました。

そんな時、
受様は専門学校で出会った友人の父親である
日本画界の重鎮の絵画展を観に行くことになります。

友人は学校を退学して
フリーのイラストレーター兼デザイナーとして活躍、
それすらも父の逆鱗に触れて邪魔されており
親子仲は最悪なのです。

受様はそんな友人に代わって絵画展を観に行くのですが
その1週間後日本画家が友人宅で殺傷され、
友人は犯人として連行されとしまいます!!

果たして日本画を殺した犯人は友人なのか!?

本作は既刊「悪食」の続刊で初めての完全書き下ろしの
オカルトミステリーとなります。

受様のデビューで完結しているので
"祝シリーズ化"でよろしいですよね♡

本シリーズは
メインとなる殺人事件(ほぼ確定)に巻き込まれた受様が
死者との対話を通して事件を解決していき
受様も人として成長していくというモノなので

今回の事件は受様が初めてもった友人が
犯人とされてしまった殺人事件で
受様は友人のありばいを証明する証人と
真犯人を見付けるために奔走します。

その背後で今回は受様をデビューさせるために
奔走していた攻様の独占欲が暴走し
今まで攻様を世界の中心としてきた受様が
攻様との関係性を考え直していくという感じで

それぞれが独立しているようで絡み合って進み
ハラハラ&ワクワクてんこ盛りで
とても面白かったです (^O^)v

前巻で知合った日本画家を目指す
年下の友人の異能が明らかになってきた事が
これからの受様の未来にどうかかわるのか
それもまた楽しみです。

5

大好きなシリーズなのだけれど

作家買い。
宮緒作品の『悪食』シリーズの3作目。今巻もみずかねさんの描かれた表紙が麗しいです。

今シリーズは「人ではないもの」が見え、そして彼らを絵に写し取ることで己の存在意義を見出してきた青年・水琴が主人公のお話なので、ちょっとオカルト、あるいはホラーっていうのかな。そういうバックボーンを孕んでいる作品です。オカルトまっしぐらな作品ではありませんが、苦手な方は注意が必要かもです。

さて。
『悪食』シリーズは悪食、羽化、ときて、今作品のタイトルは「曙光」。そのタイトルを拝見して、水琴がもっと幸せになる明るいお話かな?と思いつつ手に取りました。



「妖精画家」という正体不明の人気画家。
その姿はもちろん、どんな人物なのかも全く一切明かされていない。そのミステリアスさも相俟って、「妖精画家」という画家の認知度や人気が上がっていく。

今シリーズの主人公は、その妖精画家・水琴。
彼の才能を見出し、孤独な生活から救い出してくれたのは画商でもあり、水琴の恋人でもある泉里だ。泉里の与えてくれる、まるで真綿に包まれたような、水琴を害するものは一切遮断された箱庭で、水琴は日々生活している。けれどその生活に、水琴は少しずつ違和感を感じ始めて…?

というお話。

宮緒作品と言えば受けを溺愛し、怖いほどの執着心を見せるワンコを通り越したオオカミのような攻めさん。

ってテッパンですが、今作品の泉里もしかり。
水琴を溺愛し、囲い込んでいく。が、水琴はそれを良しとはせずにいることで、二人の間に溝ができてしまうが―。

と、そんな危うい関係の二人を襲うのが、とある殺人事件。
そしてその殺人事件の容疑者として逮捕されたのは、水琴にとって大切な友人の橋本で…。

ストーリーとしてはめちゃめちゃ面白いです。
橋本は本当に殺人犯なのか。
違うなら、だれが何の目的で。
というミステリと、水琴が見える死者の姿、泉里の水琴に向ける執着心。そういったものがきちんと繋がり進んでいくストーリー展開は素晴らしい。

舞台としては凄く狭い空間で起きるお話で、登場人物もさほど多くはありません。ありませんが、数組の親子の姿を対比させながら、愛すること、大切にすること、といった壮大なテーマをベースに紡がれていくストーリーはいつもながら引き込まれてしまう。

うん。
ストーリーはめちゃめちゃ面白いんですよ。
面白いんですが。

これはもう完全に好みの問題で、良い・悪いではないのですが、水琴が今一つ好きになれない…。もう少しはきはきした物言いをする人が好きだから、という個人的な好みだと思います。あっちへフラフラこっちへフラフラ、あれだけ泉里が大切だと言いながら、彼は泉里に寄り添うことはほぼない。水琴は自分のことで精いっぱいなんだろうな、それも仕方がないな、とは思うのですが、宮緒作品の執着攻めを可哀想だと思ったのは初めてかもしれません。

水琴の魅力が今一つ分からないので、あの人もこの人も、何ならあの人も、全員水琴の魅力に惹かれてしまう、というストーリーに違和感を感じてしまう。

ただ、今シリーズはストーリーとしてはめちゃめちゃ面白い。
これからもまだ続いていくだろうと推測させる終わり方をしていて、続きが読みたいという思いはかなり強いのです。「萌え」という部分ではなく、ストーリー自体の面白さ、という部分で評価して萌え×2で。

1作目に当たる『悪食』、2作目の『羽化 悪食2』、この2作品の表紙の水琴は泉里に甘え、目線も泉里に向いていますが、3作目に当たる今作品は完全に泉里とは違う方向を向いている。次作の二人の絵柄がどうなっているのか今から気になります。

タイトルにつけられた「曙光」。
この言葉に偽りはなく、水琴は一皮剝けた感がある。
次作の彼の姿も楽しみに待っていようと思います。

2

妖精画家としての1歩。

シリーズ3作目になるこちら。
攻め様である泉里の執着心と、水琴の周囲で起こる事件と霊との関わり方が胸に来るので、続きが読みたいシリーズです(*^^*)

受け様は、亡くなった人の想いを見ること出来、それを絵に写し取ってきた水琴。
攻め様は、画廊の経営者であり、水琴を見出してパトロンとなり、恋人としては重たすぎる愛情で囲いこんでいる泉里。


前作で画家になる決意を持った水琴。
なので、泉里は水琴に対し、何もせず絵に集中するように、と環境を整える。
でも、これから画家として生きていこうと覚悟を決めた水琴には、泉里の腕の中で守られるだけであるのに、違和感が付きまとう。

そんな中、水琴は前作で知り合った少年の雪輪と再開。
無邪気に再会を喜んで見せてるけど、絶対分かってて狙って来たやろ~。
目的が分からない不気味さが漂ってます。

そしてまた、友人である橋本が、高名な日本画家である父親殺しの容疑者となってしまう。
橋本の無罪を信じ、目撃者を探している内に、泉里の執着ぶりが暴走していき、とうとう水琴を監禁状態に。
多分、心の中では幾度となくしたいと思ってたんでしょうねぇ。

今回、活躍してくれたのは、槙さんでした!
泉里にも水琴にも信頼される、こんなに大事な人になるなんて。
間違いなく水琴の正当な信奉者ですしね。
最後にちらりと見せた執着心もよき(*^^*)

また、悪霊になりかけてた少年が浄化するまでが、愛されて育った子の強さでよかった。
「生きててよかった」と言えて本当によかったねぇ、と胸にジーンときました(´ノω;`)


今作でも、更にパワーアップしている泉里の重たすぎる愛や執着心に、うわぁ(-ω-)と思いつつも、そんな攻め様の愛は大好き(*'▽'*)♪

次回作をまた楽しみに待ってます。


イラストは、変わらずにみずかねりょう先生。
最初の口絵の2人に、え!?となりましたけど、麗しいです。

2

自由であるとは…

なんと!表紙をめくったら水琴が泉里じゃない人とキッチンにいるカラーイラストが!誰?と思ったら…。

長かったです。すごく読み応えがあるのですが、まだ残りこんなにある…とちょっと思ってしまいました。前作は夢中で駆け抜けて読んだのですが、今作は最後まで読まねば!という感じで読みました。

とにかく盛りだくさんでした。
3作目で水琴が今の自分って、と立ち止まり考えたり。泉里の腕の中で守られ絵だけを描いてれば良いって、とモヤモヤしたり。

自由とは、を考える機会でした。
その点槇は画家と画商としてなら良い関係を持てるでしょう。
だって泉里の元では水琴の人権!泉里の重すぎる執着が暴走します。泉里の腕は水琴にとって檻か翼か…。

でもその執着の行き着く先を泉里が語るのですが、しびれましたよ。そこもぜひお楽しみに。

内容ですがあらすじにあるように水琴の親友の橋本くんに父親殺害の容疑がかかり。
必死で無実を証明しようとする水琴に関わってくる人々。
その人たちの親子愛であったり恨み憎しみなどが繰り広げられます。
そして本当の犯人は?動機は?容疑は晴れるのか?冤罪の証明はできるか?
そして水琴は本当に画家デビューできるのか?
デビューできたらこのシリーズは終わるのか?続くのか?

あんまり絵を描く描写が少なかったかな。
エッチも泉里の言葉責めや意地悪がひっかかり。いや、これも萌え場面なんでしょうが。

1

思わぬ方向に

1巻の時は、この世の者ではない人々が見える水琴がそれらを絵を描く、という不思議具合でしかなかったのが、今作ではついに怨霊とのバトル(操られた人間ですが)まで繰り広げ、絵に描いた人物を殺せる特技(?)を持っているキャラ登場と、随分とオカルトファンタジー的な要素が増した感じです。

そのうち妖怪退治とか陰陽師とか出てきそうな…(気がしたけど多分出てこないw)
そういうのも好きなんですけど、この作品はもっとふんわりとしたオカルト要素があるだけの人間模様を描いたお話と思っていたので、ちょっと思わぬ方向に行ったなぁという感じです。

今回、泉里にも霊が見えて水琴を助けることができるのですが、その理由も取ってつけたような感じで、ちょっと都合が良すぎた気がしました。
悪霊に対抗できる能力を持たない水琴を助けるには泉里の助けが必要ですが、悪霊を退ける方法もちょっと呆気なかった気がします。
水琴が悪霊に操られてる人に本心を問いかけて、操られてる人が自分の本心に気付いて悪霊を拒否したらあっさりと消えてしまい、ちょっと物足りなく感じました。

雪輪の特殊能力が恐ろしいですが、水琴も幽霊の絵を描くことによって何か別の特殊能力があったりするのかどうか…(無さそうな気はするけど)
雪輪が怖すぎて、このままだとちょっと不安。
読んでる側からしたら雪輪がめっちゃ不気味なんですけど、泉里も水琴も最後までそれほど警戒してなかった感じなので、その辺はまた次巻かな。

圭月と水琴の高祖母との関係や絵の秘密等、まだまだ分からないことが多く、続きが楽しみなシリーズです。

1

妖精の王の降臨

シリーズ3作目、みずかね先生なのでマストバイ。水琴ちゃんが頑張ったなあと思ったので萌にしました。なんとカラー口絵は槇さん&水琴ちゃんという白白コンビ!(キランキラン★絵から光発してます&察して)頑張れ泉里さんと思ったお話、本編320P弱。

SNSにアップした絵が評判となりフォロアー激増、画家デビューの準備を進めている泉里と水琴でしたが、親友の橋本が自分の父を殺害した容疑で逮捕され・・・と続きます。

登場人物は
槙(水琴ちゃん大好き画商)、橋本(今回受難)、橋本姉、雪輪(2巻から登場)、紫苑(橋本の恋人♀)、萱(事件のカギを握る少年)ぐらいかな。

++ より内容に触れる感想

好きすぎてヘタレ犬と化したな、泉里さん!という印象です。スーツ姿麗しいイケメンなんですけど、今回監禁→逃げられ→ヘタレ廃人手前→水琴ちゃんの愛により復活★という王道コースを辿ってくれます。イケメンへたれ犬がお好きな方でしたら嬉しいのでは。

水琴ちゃんはそのヘタレ犬を思い、一枚脱皮、強くなりました!寝室方面でも頑張ろうとなさるのですが、そちらはまだまだ進化途上という様子ですが、泉里さんを奮い立たせるには問題なく効果抜群。ほどほどになさいませというぐらい頑張っておられましたので、色事シーンお好きな方は嬉しいのではないでしょうか。

妖精の王の降臨★と紹介された水琴ちゃんの活躍、またいつか読めると嬉しいなと思った一冊でした。(私はどっちかというと槇さん推し)

1

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