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僕たちは、「美しい」と「汚い」のあいだをさまよう。――
「美のための美を追求する」という創作態度や、そこから生まれてくる芸術作品を耽美主義と定義されているので、結末をはんなり匂わせて、直接どぎつい表現にしないのが、耽美なんじゃないかと、数件読んだ感想です。
だから1+1式の結論を求める人に、耽美作は向かないのかもしれません。読み手に任せる部分が多いのが特徴と私は理解した。
実際に、私たちが生きている次元で起きているのは、自分から見た出来事で、他人から見たら、その場で次の瞬間消えている曖昧な現象です。ある人から見たら別のものかもしれない。
耽美ものとは、ピカソの絵のようなものなんかな?
★「美しい美しい美しい」のテーマは、爪。
「美しい美しい美しい」の晃君は、別れた彼女と同じ爪を持つ兄の爪に惚れてしまった。
でも兄は、「自分は汚い」と言って、晃君の気持ちを受け付けない、他の女の子と付き合いだしてしまう。それなのに、目は晃君をしっかり追っている。
晃君は、そんな秋生君の気持ちが整理つくまで=受験が終わるまで、鳴く迄待とう・・で終り。
★「白い指の悪魔」のテーマは、指先。指先から冷たくなる。(この作品の解釈が分からなくて、まだ囚われてます)
二話目は、「白い指の悪魔」
1930年代のアメリカ。
「その指の冷たさに気づいたのは、母(ヴィクトリア)の墓参りの時。」と、ジュニアがレオの指が冷たかったことを書いて始まる。
アイリッシュ・マフィアのアナスタシア一家
ボスのジョシュア・アナスタシアの長男は、ジュニア
冷たい指の持主、若頭のレオナルド・ラング。宝石のような碧眼の美男子。
レオは、ジュニアの父の愛人であり、母の初恋の人でもあった。
ジュニアが生まれたのは、冬の馬小屋、取り上げたのはレオ。
ジュニアは、母とレオの子。
★ここから以降の台詞の意味が私には掴み切れない。
後妻のエリーと次男の車が狙撃される。ボスは、レオに後妻殺しの嫌疑をかける。確証は、無い。噂だけ。
「二番目の妻の子はオレの子、アレは特別。」
「ジュニアには家を継がせない」
「お前に俺の子を殺す権利があるのか?」
「永遠の忠誠を」と赦しを請うレオ。ボスは聞き入れない。
「処分してから出かけるぞ」と指示するボス。
ジュニアは、「レオを僕から取り上げないで(=見逃して)」と父に懇願。
背後で銃声がする。銃声を聞いて、ジュニアが、走っていく。ジュニアが走っていく先に、レオを撃ったらしい男の影、腕に服をかけているのが気になる。
「レオは、知って居た 僕の内も企みさえも」
「僕は、エリーを殺した 弟と一緒に レオのために」
・・・・ここが、謎の台詞。
レオは、ジュニアをかばって死んだ?情報を漏らしたのはジュニアだったということ?
神様に懺悔「僕の指が 先から冷えていくのを どうか止めてください」
・・・ここも謎。
口から血を流すレオは多分助からない。
「指先から冷たくなる」の言葉の意味は、ジュニアも撃たれたのかな?
後ろ盾のレオを失ったジュニアも、父に処分された、ということかな。
私の解釈、合ってますか?(誰か助けてー)
バッドエンドでした。
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▼作中の「アイリッシュ・マフィア アナスタシア家」って、チャンポンの架空の名称ですよね?
★アイリッシュ・マフィア:
(別名アイリッシュ・ギャングあるいはアイリッシュ・モブ、英語: Irish mob, Irish mafia, Irish gang)は19世紀初期から存在する、アメリカ合衆国で最も古い犯罪組織
★でも、「アナスタシア」は、イタリア系。
アルバート・アナスタシア一派のように、アイリッシュ系じゃないんです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルバート・アナスタシア
雑誌掲載時からそのタイトルに惹かれて、欠かさず読んでいた作品。
ほとんどセリフもなく、これといった進展もなく、大ゴマが続く独特な作風だったが、何度も何度も読み返してしまう、ちょっとクセになりそうな作品だった。
メインは晃と秋生。
晃が両親の転勤で引っ越してしまった恋人からの手紙を、彼女の兄・秋生から手渡されるところから、物語は始まる。
秋生の爪の形が彼女と同じだと気づいた晃は、その時からなぜか彼のことが気になって仕方がなくなってしまう。
最初は受け取らなかった手紙を、やはり欲しいからと理由をつけて秋生を待ち伏せしてみたり、突然河原まで引っ張って行きキスをしてみたり・・・。
なかなかにクレイジーな行動だが、これもまた耽美。
その後もますます秋生が気になる晃は、秋生が上昇と下降を繰り返すエレベーターの中でしか、性的衝動が高まらない性癖であることを知ってしまう。
しかし逆にその姿にひどく欲情してしまった晃は・・・秋生んちの玄関の上がり口でやっちまうわけなんだけどもね。
一応、合意。
その辺りのくだりが、すんごくやらしくてオススメなのである。
恐らく二人のそのフェティシストさが、余計に淫靡を誘うのだろう。
モノを全く見せずにあのエロさは芸術の域だと思った。
さすが高口組長。
ちなみにこの作品を読んで、受け眼鏡の眼鏡が外される時の良さが、ちょっと分かった。
いいよね。受け眼鏡。