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ikisakiha rakuenn
人生に疲れた男と謎の美青年との逃避行ー。
甘い日々と少しの苦みがあり、現実と非現実な空気が入り交じっていて、読みごたえと癒しがあるお話でした。
すっごく良かったです。
恋人にフラれ、ゲイばれして会社にいられなくなった草一(ミドリ)と、マンションの向かいのビルの屋上でタバコを吸っていて、会釈する程度の間柄の正体不明の美青年ケイ。
ミドリは退職をして、張り詰めた気持ちの糸が切れかけ屋上から飛び降りそうだった所をケイに助けられます。
ケイに「一緒に逃げよ?」と言われて、手を引かれるまま逃避行。熱海に。コンドミニアムに泊まります。
平穏で優しくてあまい日々。
名前をお互い「ケイ」「ミドリ」と呼び合い本名や事情も明かさず。
ケイは美青年のミステリアスな人かと思ってましたが、無邪気でミドリにあまあまなワンコっぽいところがあって、ギャップ萌えしました♪
ミドリはそんなケイと共に過ごす事で、徐々に本来の元気を取り戻していきます。
元彼には、外でイチャついたりする事を拒絶されフラれたミドリ。
恋人同士で普通の事ができない違和感や、世間の目を気にする窮屈さを感じていたミドリは、この逃避行でどんどん笑顔が増えていくのがわかりました。穏やかで暖かくて可愛らしい人だったんだな。包容力のある大人の男性も素敵だけど、こんな等身大の大人も好きです。
逃避行に誘う何か秘密を抱えているケイ。何があっても側に寄り添おうとしてくれるミドリ。
だけど二人の先は破滅ではありません。
幸せな逃避行という現実逃避をした事で二人は傷を癒され、再生していくお話でした。
あまいんだけど、あまいだけじゃないお話ですごく好きでした。
これは誰もが一度は望んだことあるんじゃないかなぁ。なにもかも捨てて誰も自分を知らない場所に逃げる!みたいな。
そんなお話でした。
作画がキレイなので、受け様も攻め様も美しく、ストーリーも本名すら名乗らず、そこにいる互いの熱だけが真実で、互いの存在が全てで…みたいなすごくドラマティックなものでした。別れに怯えながらも、愛が溢れて幸せ爆発していて、シチュエーション含め大好きでした〜。まさに甘くて切ないでしたね。
ネタバレになりますが、攻めのケイが予想以上にかなり若かったことにはちょっと驚きました。スパダリすぎ!最高ですね。マイノリティに対してのキツい当たりには考えさせられる部分はありましたが、受け様は攻め様に出逢って乗り越えられたから良かったな。
まさに楽園を見つけた幸せな物語でした。読んだあともスッキリだし、これは買ってよかったな!