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kamisama no yosuga
この本を読もうと思った時点で、ここのレビューは神評価しかなく興味を持ちました。
読後は、ほんとうにこの本は170ページほどのお話だったの?!と驚きます。
内容がぎゅっと凝縮されていて、かなり読み応えがありました。
物語として完成されていて、それでいて心情描写もしっかりと。
綺麗なだけではないお話は、その残酷さもきちんと描かれているので、人物の境遇がよりリアルに映ります。
人だった神様は、神としてあがめられた暁に本当の神様へ。
人だった少年は、神様と生きていくために人間へ。
寿命の違いは弊害として残りながらも、この2人ならなんとかなるのだろうなという結末でした。
脇キャラが絶妙な役割をしてくれているので、物語がより楽しくなります。
表紙の絵がキレイで惹かれたので購入しました。
こちら初コミックスとのことですが、
絵がほんとにきれいです。
お話は負の感情を果実として捨てる力を持っている神様と
生まれつき人とは違うものが見える人間のお話です。
なかなかに複雑で感想が書きにくいのですが、
一言でいうとすごく泣きました。
それはそれはポロポロと涙が流れてくる作品でした。
神様も境遇も、人間(ヨスガ)の境遇も
すごく可哀想で切なかったです。
今回の二人のお話に欠かせないヤタというカラスがいるのですが、
彼が神様のそばにいてくれてほんとに良かったなぁと思いました。
とりあえず絵がきれいで、お話が繊細です。
エロはないのですが内容がすごくしっかりとしてて
初めての作品!?ほんとに!?と読み終わって改めて思いました。
いや、ほんと…すごいです…!!
まず絵がとても綺麗です…!!
神様が住むお庭や情景が幻想的でした。
神様の愛、人間の愛、そして恋。
"人を愛すること"に縛られた悲しい神様の生涯と
人から拒まれて神様に拾われた人間の人生が交わった時。
闇をはらみながらも切なさと純粋さが美しく映りました。
愛情の示し方の解釈が難しいところもあって
スルッと何も考えずに読めるお話ではないんですが、
愛について考えさせられるのが嫌じゃないというか。
それぞれの情が沁み渡っていく感覚があってグッときました…!!
うぁーーーー……、
読後はこの世界観に浸って抜け出せない(;///;)
すっごい良かったです!!!
ちなみにエロはありません。
冒頭はBLっぽくないかな…?と思ったけれど、
彼等が交わし始めるのは「親愛」よりも「恋」なんですね。
感情が露わになる過程でBL感が出てくるが良きです!
さて。
神様:人を愛することがお仕事の神様です。
人として生きている時も神と扱われ奉られていました。
最期は山へ返さねば…という村人の声に従って生きたまま埋められて…。
そんな過去がありながらも人間を愛さなければならない。
そんな過去がありながらもピュアで可愛らしい神様です。
人間:妖ものが視える人間でした。
ゆえに人から疎まれて、行き場をなくして。
辿り着いたご神木の前で神様に果実を与えられ生き長らえて。
それからは神様と一緒に暮らして、
神様の世話をしながらスクスクと成長していきます。
ある日神様のお供え物を取りにお社へ向かうのですが、
そこで村人と出会います。
人と接していると感じる違和感。
いつの間にか人間じゃなくなっていると気付くんですね。
人を愛する神様の隣にいる為に人じゃないといけない
人であればココにいられる理由がある
私は人に戻らなければいけない
ーーーーーなぜなら神様を愛しているから。
以降、人に戻るための方法を模索し始めるんですが、
しょっちゅう村へ出かける姿を見てる神様の中で不安が膨らみはじめて。
羨ましい・妬ましい・あの子を取らないで
湧き出る感情を捨てても捨てても負の感情が消えない。
取り乱す神様に友人の八咫烏が本当のことを伝えてーーーと展開します。
三者三様の愛が切ないです。
神様の為に人に戻らないでと願う八咫烏。
神様の為に人に戻ると決めた人間。
自分のせいで、恋してしまったせいで、と嘆く神様。
作中の言葉を引用させていただいて、
神様:「愛してしまって悪かった」
人間:「愛おしいだけの愛なんていらない」
このやりとりが刺さりました(;////;)
また愛を与えるばかりの神様が、
やっとようやく自分の願いを口にするのが泣ける!
愛することを強いられる割に誰にも愛して貰えなかった。
そんな神様を一個人として見て初めて愛してくれた人間。
これがもうすっごい良かった…!!!
人間の名が最後まで出てこないのも効いてましたね。
人に対する全方位の愛から、
人間・ヨスガ個人への恋に変わったのを実感しました。
また八咫烏の存在もすごく良かったです。
神様が人間だった時に助けられなかった烏は今は共に。
八咫烏が神様を大切にしたい友情がグッときました!!
キス止まりでもすごい満足感があって
ラスト~電子特典は恋の威力に萌えまくりでした////
愛について考えさせられ読み手によって解釈が変わるかもしれません。
そんな部分も含めて胸を打ち、何度も読み返したくなる作品でした…!