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rifujin na netsujo
攻・浅倉誠吾(30) 浅倉コーポレーション専務
受・矢上達之(24) ルポライター
中学2年の夏、矢上の両親が焼死しました。
矢上の父親が、妻と取引先の社長・浅倉との不倫を知って二人を刺し殺し、自ら焼身自殺をしたという結末におさまった事件でした。
アメリカ在住の伯父に引き取られて10年後。
事件に疑問を持ち続けていた矢上は、浅倉の息子に取材をする機会を得て帰国します。
青年実業家へのインタビューと思っていたのに、面談した誠吾はまるで「海賊」のような雰囲気を醸しだす、鋭さとたくましさと野性味のある人物でした。
誠吾は過去の事件に関する話は一切しないと厳しく言い放ちます。
誠吾との顔合わせの後、矢上は昔の従業員のところへ当時の様子を尋ねて回ります。
アパートで様々な情報を整理していると、厳しい顔をした誠吾が訪ねてきます。
彼は矢上が事件で残された子供だと知っていました。
首を突っ込むなと脅されながらも調べを進める矢上でしたが、見知らぬ男たちに拉致され媚薬を飲まされます。
隙を見て逃げ出したところを誠吾に助けられラブホへ逃げ込みます。
「抱いてくれ」と矢上が求め、慰める行為からそのままセックスへ。
矢上は両親の葬儀で自分を励ました男に惚れたときから、ゲイであることを自覚しています。
以後も、何度か怪しげな人物に後をつけられたり、掴まりかける矢上。
日本には味方といえる人物は居ない…そのためか、どうしようもなくなって矢上は誠吾に助けを求めてしまいます。
自分を見晴らせていたと言った誠吾。
矢上を拉致した男たちは誠吾の仲間だろうか。
誰が何のために自分を襲うのか。
誠吾自身も、自分の会社の不透明な取引を調べているところでした。
矢上の調べる事件と、誠吾の調べる事とが最後には結びついて…。
自分のために事件を追う二人の行動が中心で、ラブい要素は薄めですが…スリルとショックとサスペンスの隙間で、2人の関係が変わってゆくのがイイです。
矢上の初恋(自分がゲイだと自覚する恋)の相手が、実は…というのもいい。
誠吾にしたって、最初の出会いを忘れていなかったくらいだから、矢上に傾倒するのも当然よね?
自分の仕事をきっちりやってる男前同士のカッコイイ恋愛でした。
瞳の中に炎を宿した、海賊のような男・朝倉。
もう、これだけでもカッコイイ。
お話は、そんな朝倉に取材のため近づいたルポライター矢上は、実は自分の両親の死の真相が知りたくて、、、
という物。
事件物なので、ネタバレしたら面白くないけど、
矢上の両親と、朝倉の父の死の裏には、実は隠された真実があったのだ。
この本、サスペンスとラブとエロがバランスよくこってり盛られて、実にBLらしくてカッコイイ。
小山田さんの描く二人もかっこよくて、挿絵の場面もツボを押さえてるし、
帯の「あんたの身体は麻薬だ」って言うキャッチもノベルズらしくていい。
事件が片付いた後に、二人のラブラブ新生活が待っていそうな終わりかたも後味いい。
BLらしいBLをしっかり読んだって感じで、なかなか良かった。