マグネット兄弟

magnet kyoudai

マグネット兄弟
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神35
  • 萌×219
  • 萌9
  • 中立6
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
12
得点
284
評価数
71
平均
4.1 / 5
神率
49.3%
著者
日野雄飛 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
発売日
価格
¥679(税抜)  
ISBN
9784863497870

あらすじ

SEX依存症の兄・龍太と、兄の居場所が感覚でわかる弟・寅次。
欲求を満たすべくネットで男を漁る龍太だが、ろくな相手に当たらず怪我をすることも…。
そんな兄を助けるため、寅次は自ら相手になると提案するのだが――。

表題作マグネット兄弟

宇久井 寅次・高校生・ブラコンの弟
宇久井 龍太・SEX依存症の兄

その他の収録作品

  • エクストラ(描き下ろし)

レビュー投稿数12

まさかの泣き…後半から涙が止まらなかった。

エロ三昧なお話から、まさか泣く事になるとは…感動の涙ではありません。
読み手を選ぶガチ兄弟もの、やるせなくて、せつなくて胸が詰まり、
お互いを支え合う二人が愛おしくて、胸がいっぱいで涙が止まらなかったです。

好きな作家さんですが、作品によって個人的に当たり外れがあり、
近親ものは好みではないですが、この作品は日野先生作品の中で断トツ1位。

表紙カバー折り返しに、
「双子で起こりそうな不思議なことが、普通の兄弟でも起きたらいいな」とありますが、
第六感で繋がる背景は激しい痛みでも、
二人はただの兄弟とは違う次元で繋がっているので、すんなりと心に入ってくるのだと思います。

ブラコン高校生の弟 寅次が、SEX依存症の兄 龍太の相手をするという、
コミカルエロのぶっ飛んだ設定ですが、散りばめられた伏線が回収されていく中、
その背景にある二人の絆と依存が深く掘り下げられていきます。

祖父と3人で暮らす兄弟ですが、頼りない兄の面倒を見るしっかりした弟という感じ。
始まりからエロエロ描写で、出会い系で男を漁っては危険な目に合う龍太を、
第六感でどこにいても見つけ出して助ける寅次。
兄の安全の為と言い、童貞の寅次が抱く事になりセックス講座のどエロ。
それから毎日二人でやりまくりますが、寅次は龍太が必要なければやらないと言い、
龍太を満たす為に相手をしている状態。

寅次に彼女ができた一件で、
龍太に執着する寅次の内面描写に焦点が当たり、一気にシリアスに加速します。
幼少期から実父の性虐を受ける龍太が、寅次に手を出そうとする父を刺し殺した過去。
自分を守ってくれた兄の為なら何でもすると決意した幼い寅次。

構成はもちろん、ページの使い方や見せ方が本当に上手い。
父の性虐や前科という言葉で臭わせていましたが、
寅次が彼女に言った場面、おれの兄貴人殺してるんだ…
凄くインパクトのある描写で固まってしまった。
前半は龍太視線で描かれていましたが、ここから寅次視線で描かれ、
龍太に人のいい彼氏ができたことで、寅次の心情が掘り下げられ、深層心理に踏み込んでいく。

初めは、頼りなくて危な気な兄を支える、しっかりした弟という関係に見えますが、
本当は不安な弟を包み込んで安心させる、大らかで深刻になり過ぎない龍太が、
ずっと頼れる兄であり続けた姿がステキでした。

SEX依存症も最中の派手な喘ぎ声も、性虐の後遺症ですが、
生まれつき性欲が強かっただけかも…と、自分を守ってくれた責任を感じている寅次に軽く話す。
過去も寅次も全てを包み込む龍太の包容力に、何だか満たされました。

そして、ペド(小児性愛)の実父による被害者である兄弟。
悲しくなる度にこっそり寅次にキスしていた龍太は、
自分もペドかもしれないという恐怖を抱き、大きくなった寅次も好きでいられる自分に安心する…。
父に性虐を受ける兄に守られた寅次もまた、父と同じ血の自分に不安を覚えている。
被害者なのに…。

共依存ですが、支え合って繋がっている二人が、本当に愛おしくて涙が止まらなかったです。
この作品はガチ兄弟だからこそ心に響く気がします。

21

買って良かったと心から思いました

表紙とタイトルに惹かれて買いました。

受けがSEX依存症の兄…ってあるじゃないですか。
私、ビッチやら誘い受けやら淫乱って好み属性ではないので少し渋ったんですよね。

でも読み始めるじゃないですか。
初っ端から嬉しげにヤってますよ。
卑猥なことも言ってますしね。
なのに。
好きな属性ではないはずなのに、あ…なんか好きって思ったんですよ。
それは突然そっちの好みに開花したわけではなく…キャラが醸し出す雰囲気なのかな?
言うことなすことSEX依存症なだけはあるのですが、下品に見えないんですよね。
別に高貴なキャラというわけではないですよ。
滲み出ている気がするお兄ちゃんの香りのようなものが安心させてくれたのかな?

兎にも角にも嫌悪感フリーであっという間に読みきりました。
良かった。凄い良かった。
中の絵柄もとても好みだった。
体付き…というか男の子らしい体の厚みもとても良い。

実父のシーンは特に目を瞠りました。
BLとか関係なく心にズシッとくるような描写に痺れました。
凄い、大好き、ファンになるわってとんとん拍子(笑)


正直この血の繋がりもある兄弟は異常な関係になっているのですが、しっくりくる…というか落ち着いてしまうんですよね。
二人がそれでいいなら私もそれがいいと思う!!と妙な後押しもしたくなる。

お互い束縛しているわけではないし
俺が兄貴を守るんだ!みたいな確固たる約束事があるわけでもないし
男同士でそれも実の兄弟だけど好きになった、愛してしまったんだ!!みたいな葛藤や訴えがあるわけでもないし

だけど心は最初から繋がっていて今回体もぴったりくっつきあった…ある場所にはまったと思えるお話。
実の兄弟で禁断なはずなのに気にすることすら忘れるくらい。
皆に味わってほしいこの気持ち…。


余談ですがお兄ちゃんの財布がマジックテープだった…。可愛い…。バリッ可愛い。

短くも恋人だった芳男くんがどちゃくそいい人でキュートででも攻めで…お兄ちゃんとニコニコ笑い合っている姿がとても印象的で……続かぬ関係と分かっていてもお似合いだった。
花束のコマが幸せに満ち溢れていた。あんなBL見たい。見つけられない。
どこかの世界線では末長く付き合っていてほしいと思ってしまいました。

12

兄弟が一生懸命生きている、というお話でした

兄弟萌え(はぁと)って軽い期待で読んだら、めちゃくちゃ切なくて、ディープでした。ぱっと見の明るさとその奥に潜む闇の深さに、もうなんとも言えない気分になります。でも重いだけじゃないんですよね。過去をよいしょと背負って、きちんと前を向いて明るく生きている兄弟の深すぎる絆のお話でした。

設定が摩訶不思議なのに、するっとその世界観に入ってしまえる日野ワールド。互いの居場所がわかっちゃうってなんなん?って疑問を持たずに読めてしまうんですよね。細部がちょいファンタジーなのに違和感がないんです。
セックス依存症の兄の外出先での安否が心配で、だったら俺が相手をする!というDT弟。そんなDT弟への兄からの”How to Sex!" (めちゃくちゃわかりやすくてて勉強になりますw)の場面、大真面目にエロいことをしている兄弟が愛おしくなりました。ア●ルをほぐしながら”今オレは、兄貴の命を救う方法を教わっている”の発言をする弟、最高でした。

他者が想像できないくらい、互いを大切に想っている兄弟のセッススを中心にまわる淡々とした日常です。読み進めるうちに、彼ら兄弟にとってのセックスは、食事や睡眠と同じように、とても正当性のある自然な行為にみえるのでした。そして、そんなに長いスパンが描かれていませんが、今後何が起こっても、何年経ってもこの2人の間に誰かが入ることはできないんだろうな、というところまで見えてくるのでした。

楽しくて切ない、エロいけど哀しい、様々な感情要素がバランスよく配合されている名作だなと思います。

5

支え合い助け合い引き寄せ合い♡魂の繋がり

ネタバレが全くない状態で読むことを心よりお勧めする作品です。
が、ネタバレありきでレビューは書きます(笑)


セックス依存症の兄・龍太は、出会い系で見つけた男とセックス。
しかし、どこに居ようと門限の22時になると迎えに来る弟・寅次。
セックスを楽しみに朝から男と待ち合わせて相手の家に行くも
加虐性癖男でボコボコに殴られる龍太。
しかしどんなに初めて会った男の自宅だろうと22時になれば颯爽と迎えに現れ
龍太を殴った男をボコボコに殴って龍太を連れ帰る寅次。

散々普通の男と付き合えと言う寅次に、寅次が相手してくれればいいと返す龍太。
外で変な男とやって殺されちゃうよりはとセックスするようになる二人。

寅次に彼女ができてセックスは出来なくなるも
彼女が家に遊びに来ている際に22時になり龍太を迎えに行く寅次・・・。
帰宅後一人放置され拗ねてる彼女に、どんなに好きになっても
結婚しようと自分の中の優先順位1番は常に兄であることを伝え・・・破局。

そんな中で、遂に暴力も振るわない寅次も認めるほどの彼氏が龍太にできる。
が、、、、



寅次が一生かけて龍太を守る理由・自分の中で常に1番である理由。
読んでいてたまりませんでした。
子供の頃の兄に自分が救われてたことを理解した瞬間から
兄が絶対的な「守る」特別な存在になったのが悲しくて切なくて。。。

いつも、どこに居ようと必ず居場所を感じ取って迎えに来ていた寅次を
龍太が迎えに行ったときは、もぉぉぉ。。。
来るとは分かっていましたが龍太のバイクのライトが光った瞬間胸が締め付けられました。

絶対的な絆が切なくてたまらない一冊でした。

4

兄弟共依存のお話。そうきたか、と。

どこかポップな表紙。
背表紙のあらすじから、単純に、
兄思いの健気な弟×淫乱ビッチの兄のハートフルおセックスを
コミカルに描いた物語かな?と思いますやん……。

ところがどっこい……。めちゃくちゃ深い。
これ実は兄弟共依存のお話で、なぜ兄が淫乱ビッチになったのか、なぜ弟が兄をこんなにも心配しているのかは読まないと絶対にわかりません。
読むと、1話からなんとなく
あ、もしかしたらそういう感じなのかな?
と匂わせるような表現はあります。

他の方もおっしゃっているよう、泣けます。

ストーリー ★★★★★
登場人物 ★★★★☆
エロ度 ★★★★☆

2

「マグネット」の持つ特徴の二面性を考える~吸着と反発~

基本、ガチ兄弟への地雷も無いし過去トラウマも意味のあるものなら(性癖含めて)全然受け入れられて「楽しめる」方です。

さて、今作は要注意要素盛り沢山な1冊。
しっかりある程度の覚悟を持って読みましたが、読後の感想が自分でもよく分からないっていうのが感想です…

設定自体への嫌悪感は全くありませんでしたし最後も納得の終わり方!
でも何だろう…他の日野先生の作品の読後に比べて明確な感情が自分の事なのに見当たらないんですよね。。。
それこそ賛も否もどちらも。

初めて読んでから結構時間も経って読み返しした今も同じ感情。
でも、初回に読んだ後もこの本を手放さなかったのは間違いなく気になる魅力があるから。それも今回読んでも変わらない感想。

ハッキリとは分からないですが、きっとこのタイトル通り「マグネット」の様に「絶対」という関係性がこの2人には決められている事に対して、安心する一方で他の選択肢へのルートへの執着が2人共希薄に映り諦観してる様に見える事への哀愁が感じられてしまい「萌」に辿り着けなかったんだと思うんです。。。
応援して見守っていっていいのだろうか?
お兄ちゃんは芳男ルートを断ってしまって良かったのか?
今でも分からない。。。

基本は2人が幸せならいいじゃないか♡派の気楽な夜明けなので普段ならこの2人が選んだ答えが正解!マグネットなんだから離れられないのは当然さ!って120%思うんですけどね。
今回そう思えなかったのはやっぱりこの2人がその答えしか見つけられなかった背景が重過ぎたかな……。

そしてマグネットは離れられない(=吸着)一方で反発してしまったら絶対に交われない。
多分私はこのルートがいつか来てしまうのではないか、、、という危惧に何とも言えない感情を抱えてしまい言葉にならない焦りのような想いに囚われているのだと自己分析。

これだけ入り込んで読んでしまう位、2人の背負って来た事やこれからをを浮き彫りにし、描き出されているからこそのこの複雑な感情に今も包まれているんだろうなぁ~とぼんやり思っています。

そしてまた読み返しては2人が幸せになっていくルートを妄想し安心していきたい。
評価は本気で悩んでしまう、、、
でもこれだけ作品と向き合ってじっくり読ませてもらってもネガらない作品は自分にとって神作品なんだと思うので神評価!
多分他の作品でこんなに感情が不安定になると結構ネガるのにこの作品は不思議とフラットに向き合える!
そんな貴重な1冊です。

1

予想してたのと違う面白さ

あらすじを読んだ時は、淫乱お色気系の誘い受が攻を振り回す話かな、攻の一方的な片想いは好みじゃないんだよな、と思い敬遠してました。
しかし好評なレビューが多く買ってみたところ、面白かった。
予想と違う雰囲気、キャラ、方向性のお話でした。
自分には「萌え」とは少し違う満足感のある本でしたが買って良かったです。
ネタバレになるので細かい点は控えますがとりあえず読んでみて欲しい。

それと個人的に漫画がとにかく読みやすかった。
過剰演出がないので白けずにスラスラ読めたのが助かりました。

3

おもしろいストーリー

血縁CP苦手なのに、日野先生のお名前に目がくらんで買ってしまっていました。
タイトルに兄弟とあるのにー!!私のアホー(以前にも何度かある。読みたい作家さんはタイトル見ずに買うクセが抜けなくて)
苦手とわかりつつ、日野先生のお話は見過ごせないので読ませて頂きました。

ストーリーとしてとてもおもしろかったです。
兄弟でありつつ、なぜそうなっていくのか、がよくわかって。

龍太が虐待を受けていたこと、トラがなぜそこまで龍太を守ろうとするのか、だんだん明らかになる展開がさすが、おもしろいわ〜と唸りました。
お互いがお互いでなければいけない必然性がよかったです。

ただ個人的には、世界一お互いのことが大事だとしても、近親相姦せずに、そこは他人とできればいいのにねと思いました。
それができない2人のお話だったから説得力があって納得ですが。ここ重要ですね。

0

まさにタイトルそのものの二人

予想以上に重い出来事が二人にあったので驚いてしまいましたが
それゆえ絆が深いわけですね。
兄以上に大事な人間なんていない弟・寅次と
誰とセックスしても結局弟じゃないとダメだとわかった兄・龍太、
こんな二人を離すことなんて他人には出来ないし
お互いがお互いだけを探し出せるんだからこれぞ唯一無二の存在。
行為中にいやらしい言葉を言わずにいられない龍太を
“「たすけて」って聞こえる”と寅次が思うのは全てを知った上での事だから
やっぱり愛だなぁ……。
でもあとで「(色々しゃべるの)やめてほしい」って言っちゃってましたが。
龍太は快感を素直に言葉にするとますます感じるタイプなんだろうし
どうせ寅次も萎えないんだから言わせてあげて欲しいかな。

描き下ろしで、自分が行けなかった修学旅行を寅次に行って欲しいと思う龍太の気持ちにじーんとしたら
旅行中にテレセならぬビデセ(??)に付き合わせるとかブレないな!と妙なところで感心してしまいました。

4

離れていても引き合う関係

表紙からは想像もつかないくらい重たいお話でした。
ベド実父の性的虐待による消えないトラウマと、
殺人によって失ったものーー
心身が傷ついた兄弟が、共依存から世界で一番愛する存在だと気付くまでの物語です。


父親と同じ血が流れていることに不安を感じてる兄弟が、
近親相姦でありながらも真実の愛を見つける姿に納得です。
他の誰にも理解できないと思わせるほどの異常性と純愛を感じました。

そして、弟が兄を支えているようで、実は逆なのかなとも思いました。
龍太は意外と強いと思います。
想像よりハードな内容を、龍太のキャラが明るく転換させてくれています。
作品としても龍太に救われているんだろうなー

でも、第六感でお互いの居場所が分かる流れは、
流石にちょっとファンタジー入ってると思います^^;
ここまでリアリティをもってる作品なので、この設定が逆にもったいなかったかな……

4

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