好みじゃない恋人

konomijanai koibito

好みじゃない恋人
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神12
  • 萌×224
  • 萌27
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
15
得点
240
評価数
70
平均
3.5 / 5
神率
17.1%
著者
 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
小山田あみ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
価格
¥533(税抜)  
ISBN
9784199005152

あらすじ

「どちらが先に後輩をオトすか、競争しないか?」。有能な営業マン・香月(かづき)と、営業成績のトップを争う同期の八木(やぎ)。精悍な容貌で行動派の八木に、香月は密かに片想い中。ところが、偶然会ったゲイクラブで、好みが同じ可愛い系と誤解されてしまう。香月は真実を告白できないまま、手強いライバルを演じることに。そんな二人だけの勝負を楽しむ八木が、ある日突然、SEXの誘いをかけてきて!? 
出版社より

表題作好みじゃない恋人

八木洋一郎/香月の同僚でライバル 
香月涼/ビール会社の営業 八木の事が好き

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数15

抱き合ってるのに切なーーー!!

個人的ツボに、ネコなのに好きな相手からタチ認定されてしまう受けと言うのがございまして。
なまじ、背も高く引き締まった男らしい体型と美貌で、仕事も攻めと張り合えちゃうくらいバリバリ出来るため、完全にライバルと見なされちゃうんですよね。
で、密かに攻めの事を想いつつも「俺はこんなゴツくて、あいつが好きな華奢なタイプとはかけ離れてるから・・・」と、良きライバルや友人を演じてしまう。
そんな不器用で、クールな見た目とは裏腹に自分に自信が持てない受けと言うのがめちゃくちゃ好きなのです。
尊いのです。

と、私にとって名作なのですが、イマイチ華やかさに欠けると言うか、認知度が低い今作。
なんと、「腐っても朽ち果てない不朽の名作BL小説100選」にノミネートされていました。
さすがちるちるさん、分かってらっしゃる!
てか、推薦していただけた方が十中八九おられると思うんですけど、お目が高い!
まぁそんなワケで感動しつつ、微々たるものですがポイントになればとレビューです。

で、こちら、ネコなのにタチと攻めから誤解されてしまった主人公が、これまた同じ相手を落とそうと狙っているライバルと誤解されてしまう。
しかも、ひょんなキッカケから二人は寝てしまいー・・・と言うものになります。

これ、とにかく二人の間のズレや誤解が切なくてですね。
二人は営業成績を競う同期でライバルでもあるのですが、その調子で職場のかわいい新人をどちらが落とせるか競う事になるんですね。
それが第三者である同僚に持ってかれ、二人とも失恋する羽目になる。
そこで、「孤独な者同士で慰めあわないか?」と攻めから誘われ、寝てしまうと言う。

いやね、誘われた香月(受け)ですが、「冗談じゃない」「バカを言うな」と次々言葉は頭の中で出てくるものの、好きな相手からそんな風に誘われて、断る事が出来ないのです。
また、華奢でも可愛くもない自分が、どんな反応をすれば良いのか・・・。

こう、今夜だけでもいいからと、一心に八木(攻め)を求める心情が切ないのです。
「早く入れろよ!」と最初は強気に言うクセに、それが「もう入れて・・・」になり、「やめないで・・・」になる。
この「やめないで・・・」にセックスの事だけでは無い、香月の本音が潜んでいるんですよね。
くっ、抱き合ってるのにスレ違っていて、切なーー!

あと、香月がこれほどまでに自分に自信が無い理由ー。
義母から過去に言われた一言が、彼の心の傷となっています。
実は八木は八木でとある誤解をしていて、意図せずその心の傷をかきむしってしまう。
いやね、香月視点なのですが、八木の行動を見ていれば、彼の気持ちと言うのは分かるのです。
互いに完全に思い違いをしていて、相手の負担にならないように行動するのに、それが互いを傷つけてしまう。
そんな、王道とも言うべきスレ違いが秀逸な作品なんですよね。

ついでに、私は攻めより格上の当て馬と言うのが大好きなんですけど、今作に登場する舞原が、まさにそのタイプ。
八木の言動に深く傷付いた香月をですね、優しく穏やかに包み込む舞原にはめちゃくちゃ滾りました。
そして、舞原の台頭に嫉妬して感情を露にする八木には、「ザマァ」とスッとしましたよ。
いや、如何なる誤解があろうと、受けを傷付ける攻めは許されないのです。
言い訳無用なのです。

ところで、香月の心の傷となった義母の一言。
これのオチがですね、長い間「ちょっと強引すぎじゃないかい?」と思っておりましたが。
つい最近、この解釈自体間違えてた事に気付きました。
もう何十回と読み返してるのですが、ずっと勘違いしてた自分にビックリですよ。
しっかりとしたオチですよ。

と、超素敵な作品なのです。
洸先生にハマるキッカケとなった作品なのです。
グルグル思い悩む受けが苦手な方には合わないかもしれませんが、超王道のスレ違いものでリーマンものがお好きなら、ぜひオススメしたいです。

9

せつなさいっぱい

丸ごと一冊がひとつのストーリーでした。

この作品、ハッピーエンドなんですけど
最初からず~~~~~っと切なかったですョ!
だからと言って、泣けるというのとはまた違うんですけどね。
でも、そういうタイプ・・・切なくてきゅぅ~っとくるような
ストーリーがお好みの方にはGOODかも♪

勘違いから、切ないストーリーが繰り広げられるのですが
そうは言っても仲良しな2人なんですよね。
そこが切なくても読んでいて救われるところ。

ストーリーの中では、受け様の目線で心情がしっかり書かれていたのですが
攻めの八木サンの心の中も、あの時どんな気持ちだったのかしら?この時は
なんでこんな事言ったのかしら?と思う所が多々あったので
そこも読んでみたかったです!!

4

不器用物同士

本当は、好きなのに、勘違いからライバル視され、
一緒にどっちが後輩を落とせるか?といった勝負をする
2人の恋模様。どっちも女々しくないのが面白い。

特に受の香月は、本当は八木のことが好きなのに、
八木とは正反対な、かわいい系男子が好きだと
勘違いされてしまい・・・という点が面白い!

また、香月は、継母からのトラウマがあり、
その心の葛藤が、胸に刺さります。

是非2人のラブラブ後日談も読んでみたいです。

2

誰にとってのお好み?

今回は可愛い子が好きな意志が強くて自身溢れる営業マンと
自分に自信が持てないクールビューティ営業マンのお話です。

二人がお互いにゲイだと知って紆余曲折を経てまとまるまで。

主人公の二人はビール会社に同期で入社以来、
営業成績を競うライバル同士です。

攻様は人との付き合いで量販店を得意先とし、
攻様はこまめなデータを元に店舗のコンサルティングをする等、
違う点が目立つほど攻様に惹かれていく受様ですが、
友人と連れ立っていったゲイバーで出合った時に
可愛い容姿の友人を恋人と誤解されてしまいます。

誤解を解こうにも「彼好み」という友人は可愛いタイプ。
彼の好みとかけ離れた自分にかなりショックな受様は
強引に自分と同じ趣味だと決め付けられて
否定する気まで失せてしまいます。

ちょっと投げやりな受様の態度が
のちのち自分の首を絞めるのですが
それもまたお話を面白くする鍵ですね。

その誤解のままに
攻様は口説こうとしている後輩も受様に紹介し、
どちらが選ばれるのか競おうとまでされてしまいますが、
件の後輩は気になる彼が出来て攻様は失恋してしまいます。

すっかり意気消沈した攻様を慰めるうちに
良い雰囲気になった二人はなるようになってしまいます。
もうここからはお約束な展開ですね。

最初はセフレ。
でも身体を繋ぐうちに
攻様にとっても受様は特別になっていきますが、
なかなかうまく気持ちを伝えられません。

受様としては恋人になりたいと思っているのですが、
仕事の上でもよそよそしくなる攻様に
どう接していいのかさえ判らなくなってしまいます。

両思いなのにヤキモキしますね。
最後にまた一波乱あってハッピーエンドに。

今回私的に一番ドギトキしたポイントは実はお題です。
『好みじゃない』のは相手にとっての自分か、
自分にとっての相手なのか。

受様はずっと攻様が好きで
ハズミで関係をもったら攻様もメロメロになるという
王道な本作は最後まで安心して読めるお話かと思います。

こんなシチュエーションをお好きな方には
いとう由貴さんの『恋の誘惑、愛の蜜』もお薦めです。

6

ヘタレな美形

出合った時にちゃんと説明していればよかったのに…。
ゲイ・クラブで出くわした同僚八木に、連れの男がただの友達だと言えば、こんな賭けはなかったのに…。

八木の強引な誘いもあったけど、どこかで関わっていたい願望から、『武田を落とす』という八木の賭けに乗ってしまった香月。
本当に好きなのは八木なのに、ヘタレな香月には別れる事を想像して怖くて言えないのです。
体育会系で体当たりで感情をぶつけてくる八木と、胸の内を出さない静かな美形、香月。
二人は営業でコンビを組んだり、成績を競い合ったり、端から見てもいい関係なのです。
そして友情で築くはずの二人は、八木の突然の提案でセフレへと変わってしまいました。

この辺りの進み具合が心に痛いですね。
香月がヘタレなのも原因ですが、悪い条件が重なりすぎてどんどん方向が別の方へ…。
二転三転と、目まぐるしく変化していく環境にまるでジェットコースターな展開。
武田の元カレにも告白され、どうなる香月!…って感じでした。
コミカルなストーリーではないはずなのに、後半のテンポのよさと八木のノリはコミカルのように小気味良いです。

4

誤解が誤解を呼ぶ

攻・八木洋一郎
受・香月涼

2人とも24歳ぐらいかな。
同期入社のサラリーマン。
ともに営業成績優秀でライバル関係。

入社直後にゲイクラブで友人(カワイイ系)と飲んでいた香月は、同期入社の八木を店内に発見する。
八木も香月に気付いて近寄ってくるが、よりにもよって香月の友人を「好みのタイプ」といい、香月の恋人だと誤解。

否定する隙もないまま、気付けば、
「香月もカワイイ系が好みのゲイ」と八木に思い込まれてしまいます。
しかも仕事でも恋でも「いいライバル関係」を演じさせられるハメに。

香月は少しばかり複雑な家庭の事情が原因で、自分は感情的に成熟していない、欠けたところのある人間なのだと思い込んでいます。
ですから素直な感情表現は苦手で、いつも取り繕ったようなポーカーフェイスを作ってしまう。

八木とのライバル関係からセフレになり、微妙な四角関係になりかけた後で、香月は一度八木との関係を絶ってしまいます。
卑屈にも思える香月のヘタレ具合…。

ヘタレな攻はよくいますが、ヘタレな受というのは初めてでした。
悩み苦しむ受は色っぽいので好物です。

香月が最初に説明してればこんな展開にはならなかったんでしょうが、八木には説明させない強引さがありましたし。
もし否定してたら、2人は出来上がっちゃうことは無かったかな、とも思うので、結果オーライでは?

この作品は何度か読み返してます。
楽しいですから♪

4

素直になれない臆病ものの話

あらすじ読んで、以前から気になってたんで読んでみました。
期待を裏切られませんでしたね~、面白かったです。

同期で同じ営業に配属された、香月と八木。たまたまゲイバーで同じ趣味と知り、その時香月が一緒にいたかわいい系の友達を恋人と勘違いした八木に「同じかわいい系が好きなライバル」と勝手に認定されてしまったのが運のつき。
その後ずっと誤解されたまま二人は仕事も恋も八木のたきつけで競われさせられてしまいます。
もともと人との距離感を取るのが苦手で、競うのも好きではない香月なのに、その事で八木と関わるのが楽しくて流されてしまいます。
更に宣伝部に配属された武田というかわいい系の新人を「どっちが落とすか競争だ!」と言われた辺りからだんだんと二人の間の歯車が狂い始めます。

お互いがお互いを誤解しつつ、流れでセフレのような関係になった辺りからの香月の気持ちが切なかったですね。
抱かれて嬉しい、でもこれがいずれ他人のものになり、自分はそれを見てるだけの存在になると考えると倍苦しい。
セフレはよほどお互いが割り切ってないとやるもんじゃないな~と身につまされますね。
その辺りの誤解を、香月の元々の性格のせいで、上手く解消できない。その辺の気持ちの葛藤みたいなのも結構共感してしまい、切なかったです。
更に武田と舞原という宣伝部の二人も絡んで来て、更にややこしく、更に誤解を呼ぶ状態になっていきます。

大きく予想を裏切る展開にもならなかったし、安心して読めました。
その分特に香月の切ない気分や気持ちに引きずられて、結構ドキドキしたりキュンとしたりして楽しかったですね。
自分自身がちょっと最近はずれたの読んでたせいか、久々に王道系の作品を読んで、あーなんかいいな、こういう安心感のある作品もやっぱり好きだと思いました。
キャラの性格や行動にもまったく無理がなかったのもさらりさらりと読めて気分が良かったです。
さらりと読めるっていうのは、やはりうまい人じゃないと難しいと思うんですよ。
私は洸さんは初読み作家さんだったんですけど、良くお名前は聞く方だったので、やはり安定した作風の人なんだなと分りました。これからちょっと気にかけてみようかな。
というわけでとても楽しく読めました。
あ、出来たら武田と舞原の二人でもう一本読んでみたいですね! あの二人もどうなったのかとても気になります。特に舞原がいい人だったんでぜひぜひ幸せになってもらいたいなと思うんですよ。

3

坂道を転がるように

誤解から好きな相手と競うことになり、友情を育み、好きだからせめて友でいたい、、と思っていたのに、ヤッてしまった。
そんなのダメに決まってんじゃーん!!でも、好きなんだもん拒めない、拒みたくない。
ワカるよ~(泣)
で、セフレ状態。終わった後に後悔するんだよね。
誤解が誤解を呼んで、坂道を転がるように望まない方へ転がっていく。
あちゃ~、すっごい分かる。ダメな時って、とことんダメ。
なんでこうなっちゃったの?好きだと言えれば簡単なのに、今更言えないよねぇ。
本気の相手とセフレはイカンねぇ。身につまされます。
経験がある人も無い人も、ワカる、ワカるよ~、あ~あと思いながら読んだのでは?

テンポのいい文章で、すとーんと読者も落ちる感覚。
この方文章が巧い。物語に落ちるって、文章力が無いとね。
BLでは基本的な文章で??と引っかかる作品もよく有りますから。
他の作品も読んでみたいと思いました。

3

導入から無理がある、違和感がいっぱい

初っ端から強引に進められるストーリーは、展開にかなり無理があるように感じた。台本感が酷く、こうもっていきたいという作者の意図が全面に出ている。もっと自然な流れを作ってくれると、物語世界に入り込みやすくて良かった。

受けの香月は、見目麗しいわりに自信が無く虚勢だけは一人前という二次元定番のキャラ設定。内面が女々しく乙女すぎるのもBLのお約束。攻めの八木は中身がガキ過ぎて魅力を感じなかった。
サブキャラノンケ二人があっさりくっつくのも違和感。さらに舞原に至っては初めての男に戸惑っていたのに、すぐに次の男を口説き始めるファンタジー。出て来た時からなんとなく好きなキャラだと気に入っていただけに残念だった。ただの当て馬として消費されるには、小山田さんの挿絵が美麗過ぎてもったいないキャラだと思ってしまう。

仕事中に話される大人の男同士の恋愛絡みの会話は、非常にチープ。なぜそこだけ女子高生のような話になるのか。途中の心理描写も、言動が伴っておらず説得力がない。最初から男に従属する女思考の受けに、突然「対等でいたい」なんて言い出されても、取って付けたキャラ説明のようで薄っぺらい。

ラストで自分がフった男に、しかもフった直後に別の男を薦める香月に引いた。作中でもノンケカップルをかき回すような発言をし、お前が何をコントロールしようとしているんだ、作者の代弁者か?と。

全体的に上手くないな~という印象。キャラクターが動いているのでなく、作者が動かしていると感じさせる不自然さが際立つ。
文章の視点がたまにブレるのも難点。こういう違和感があると、入り込んでいた二次元から強制的に弾かれるように集中が途切れてしまう。

なんかもう、舞原とくっついてれば良かったんじゃない?くらいの適当な感想しか残らなかった。
中立寄りだが小山田さん効果で萌。

2

ゲイ×ゲイ

こちらの作品はゲイ×ゲイのお話でした。

受けが攻めも「お仲間」であるけれど、
その部分をクリアしていても、
自分が好みのタイプではないことに落ち込んでいる姿に、
なぜか萌とは違うキュンが来ました。

同情っぽくもあり、何だろうな、友達だったら励ましてやるんだけどな、みたいな謎の感情が。


最近意外とゲイ×ゲイを読んでいなかった事に気が付きました。

むしろ最近読んだものを振り返るとノンケ×ゲイかノンケ×ノンケが多かったです。

本作品はゲイ×ゲイなので、リアルゲイっぽさもあるけれど、
かと言ってそんなに生々しいゲイ話ではないです。

やはりBLにおけるゲイは、体優先でガチムチはあまり好まれないでしょうし。

あと本作品のセールスポイントは、
リーマンものですが、
適度に仕事の話を入れており、仕事の話がさほど多くない部分です。

仕事話が少なくて、恋愛話に重きを置いて欲しい人にとっては読みやすいのではないでしょうか。

1

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