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3650nichi no houyou
評価を星4と星5で悩んで星4にしました。
読んでる最中は本当に切なくて、2人から目が離せなくて、「星5確定!」と思っていたのですが、なんていうか、読み終わった時に感情が高ぶらなくて、尻すぼみ感がありまして、こちらの評価になりました。端的に言うと結ばれたあとの2人がもっと見たかったし、悪い奴が登場する監禁シーンに盛り上がりが欲しかったです。
十年に及ぶ両片思い。自分の気持ちを抑えて、相手のことを大切に思ってるからこその長さだったんですよね。それぞれの視点で読めるのが良かったです。
口数が少ないけど発する言葉は誠実で、ただ一緒にいるだけで安心感を与えてくれる真面目な樫本。こいつがニブチンだけど出会った高1の時からまっすぐ正直もんっていうのが26才になっても全く変わらないのが良かったな。
逢沢は生まれつきのルックスの美しさがあるのに自己肯定感が低くて、その落ちてしまう心を支えてもらうために10年途切れず電話し続ける。
自然が美しい岐阜での高校生活が短いけれど素敵でした。逢沢が樫本にはすぐ懐き、本当の笑顔や気持ちを素直に見せるのが可愛い。
樫本の家は酒屋さんだから家の人や近所に住んでるお客さんなど人の出入りが多くて温かい環境で、反して逢沢は親はいるけれどほぼひとりぼっち。
この親のことなどネガティブな要素を極力少なく描きながらも、逢沢の寂しさやトラウマを上手く表現されていて読みやすかったです。
小説初心者な私でも平易な文章で一気に読み終わりました。
焦れったい両片想い。
王道のキャラに王道のストーリーでしたが、とても良かった。
視点は攻め受け交互で心情はわかりやすく、でも受けの春翔視点のほうが多めなんですよね。
だから春翔に肩入れして読み進めるのですが、まぁ、武骨な攻め樫本が格好良い。
どんどん惹かれるの、わかりますもん。
10年間、とくに高校生時は毎日の電話だけが二人を繋ぐ細い関係性。
春翔は、自分だけが相手を思っているのではないかという不安を抱きながらも、毎日の樫本の声に励まされて、離れた地で強くなろうとする。
離れても好き。
樫本の存在が自分を支えているんだ、という春翔の切ない恋心。
あーなんかもう、思い出しただけでまた泣きそう。
春翔に思いっきり寄り添っちゃってますからね。
幼少時の卑劣な事件とか、ストーカー野郎とかの不気味な影の部分もあり、二人の恋の進展とともに、気になって気になって、一気に読んでしまいました。
読み終わってみれば、攻めは包容力のあるスパダリで、受けはケナゲな美人さん、という王道カップルでした。
いいよね、王道。満足。
こういうお話、読みたかったんだーが全部詰まっていました。大満足。
恋人になるまでに時間がかかる作品って、その年月が無駄&とっととつまらん誤解を解いてさっさと付き合えば良かったのに…と思ってしまうものと、その年月は二人にとって不可欠だったと納得できるものにわかると思うんですよね。
この作品は間違いなく後者でした。
一緒にいたのは実質3ヶ月程度。
それから岐阜と東京と離れていた二人を繋いでいたのは、1日1回の電話だけ。
例えて言うならば、細い糸のような繋がりだけど、でも細い糸でもコツコツと時間をかけて編んでいけば見事なレース編みが完成するじゃないですか。
そういう印象を受けました。
ただ、幼少時の変質者からのまさかの……!の件。
幼少時のからの問題が一括で回収されて、とりあえず平穏になって良かったのかもしれないけど(でも諦めるとは限らないし、また外に出てきたら怖いわ)会席料理だと思っていたら、突然シュラスコが出てきた……!みたいな戸惑いがありました。
最後、水菓子で締めくくられても、まださっきのシュラスコが胃で暴れてるんですけど……みたいな。
終始、しっとりしてて欲しかったというか……。
そして、ようやく二人は落ち着いてラブラブに…かと思いきや、電子の書き下ろしでまた目が点に。
樫本が外務省へ出向となり、ブラジルへ赴任しちゃうんですよ!!
しかも最低でも三年。
その後の約束もちゃんとしてますけど、でもその後も世界各地に飛ばされそうだし、春翔も芸能人で忙しいし……。
このカップル、人生トータルで考えると物理的に一緒にいられる時間って少ないんだろうなぁ……と思ったらなんか可哀想になってしまいました。
そしてこのSSは、電子限定ではなくて本編に入れたほうがいいと思います…。
高校の同級生二人の、10年に渡る交流と恋心を描かれたお話でした。
10年間のお話なので、ゆっくりと進んでいくのですが
二人の気持ちや環境の変化、お互いのことを信頼して大切に思っているという事が、丁寧でわかりやすかったなと思いました。
逢沢(受)は、モデルや俳優をしている芸能人です。
過去のトラウマや自分に自信が持てない性格で、キラキラ系ではなく、腰の低い穏やかなタイプ。
芸能界でのお話がメインではないので、あまり芸能界設定が得意でない方でも抵抗なく読めるのではないかな、と思います。
たまに心の声で、「好き」が出てしまっていて可愛いかったです。
樫本(攻)は、真面目で表情があまり変わらない無口なタイプ。あまり言葉には出さないけど、包容力のある人です。そしてお料理もできます。
個人的にめちゃくちゃ好きなタイプの攻め様で、言動や挿絵にいたるまでずっと萌えて最高でした。
表紙で、買い物袋らしきものを提げてるのも素敵です。
トラウマのこと等シリアスな面もあるんですが、ゆったりと穏やかな二人の関係がとても良かったです。
10年間のじれもだな両片想いの物語。
印象としては2人の関係はスローテンポな感じです。あまりアップテンポはないですね。2人の視点から覗き込めますが、あぁ〜もぉ〜ってなります。2人ともお互いに惹かれ合ってるのにって思うのに、私の期待する展開に中々なってくれなくて…しかも樫本は彼女作るし(涙)でも安心して下さい。ちょっとだけの出番でしかもすぐ別れたらしいので。
もうちょっと何か進展ないの?って私なんかは思ってしまうのですが、これはまぁ仕方ないですよね。タイトルにもある通り10年ですから、じっくり読んで下さい(^^)
後半、ストーカーマネージャーが逢沢を拉致監禁する展開になります。子供の頃からのトラウマの元凶です。執念深くて怖いです…。
スローテンポで物語が進んでいた感じにしては、急にタチの悪い事件が間に挟まれてきたのでビックリしました。何というか…この事件の印象が大きすぎて、スローな2人のじれもだストーリーが全部持っていかれたように感じました。ストーカーが本当に気持ち悪いんですよ…。なので、しっとりとした前半の2人の話に見合うレベルの事件内容に出来なかったのかと思いました。私の中ではそれくらい拉致監禁事件の印象が強く残りました(T_T)
その後の2人の想いが通じ合って、そしてエッチもあるのですが、すでに2人の両片想いを覗き見してるのでサラッとした感じで終わります。10年越しなんだから、最後くらい盛り上がっても良いのに〜と思いますが、このお話の雰囲気的にまぁ、そうなんだろうなぁ〜…。
やっとお互いの気持ちを確認できて&通じ合えて良かった良かったのハッピーエンドで終わります。恋人同士になるまで時間がかかった2人なので、2人のイチャイチャした恋人同士の生活も番外編で見たかったなぁと思いました^_^
ストーカー事件の印象を打ち消す程の甘々を!
表紙の2人と題名に惹かれて購入です。
題名から想像できるように、知り合ってから恋人となるまでの2人の10年の軌跡のお話。
16歳、高校のクラスメートとして出会う。
受け様の逢沢はモデルをしている華やかなイケメン。
攻め様の樫本は、剣道部所属の堅物の朴念仁。
逢沢が剣道部の見学に訪れたことで話すようになり、逢沢が東京へ引っ越してからは電話で繋がってきた。
樫本が大学進学で上京してからは、会えるようになったけど、電話も変わらず続いて。
受け攻め両視点で進むので、じれじれの切ない両片想いを堪能しました(*´ω`*)
樫本にとって、ずっと特別な存在であった逢沢への気持ちが何なのか。
恋愛に疎い樫本は、逢沢への気持ちに気付くのが遅いんだよなぁ、もう〜。
この関係を壊すくらいなら、と特別な友人でいることを2人して選ぶ。
よく見る王道な流れだけど、めっちゃ切ない。
ものすごく切なさが迫ってきました。
逢沢の危機では、樫本気づいて〜助けて〜、と念じてました( •̀ㅁ•́;)
私にとって最大に胸きゅんハラハラだったのは、救出後、2人のやっとのやりとりシーン!
逢沢のドキドキが伝わってきて、私までめっちゃドキドキ。
まさに今BLを読んでるなぁ、となんだか胸が高鳴ったのでした(≧∇≦)
イラストは一夜人見先生。
表紙からひと目惚れです。
高校生から大学生、社会人になってからのそれぞれの2人を楽しませて頂きました(☆▽☆)
もう、二人が純粋で、涙目になりながら読みました。
最初の方は逢沢をイマイチ好きになれませんでした。でも、16歳なんてこんなもんだったのかも。
この時代って、もう友達も恋人も家族も文字でのコミュニケーションがほとんど。電話で声を聞くって、実はとても必要なことなのかもしれないなって思わされました。
そして継続は力なり。受け止める方も情がなければ、短時間であっても毎日なんて難しいと思う。
想いを伝えるにあたってのハードルって、やっぱり同性だと相手の気持ちがわからない状態で、もう会わない会えなくなることを覚悟しないと難しいよね。
なまじ友情って枠が確保されてると。。。
きっかけがあってむずばれた二人の初々しさも良かったです。
BL初心者でも楽しめる作品じゃないかなと思います。
この先十年後の二人も読みたい…
書影が上がってきた時からどんなお話なんだろう〜と楽しみにしていました。全くファンタジー要素のない、同級生もの。しかも高校時代から10年間、二人の愛のメモリーを追っていくスタイルなんですよね。
主人公たちが恋を自覚していく段階を、それぞれの視点に寄り添いながら切々と描かれるこんなお話は、作家様にしか書けないんじゃないかな…と思ってしまった今作。メインカプのどちらかが芸能関係者なんですけど、身近だった存在が有名になって遠い存在になっていってしまう切なさや、今ある距離感を失いたくないからこそ気持ちを伝えられない苦しさは本気の恋ならではだなぁ、と何度でも実感させてくれる、大好物なんだけど多分難易度高めの設定でした。
種から芽が出て花が咲く。それは、逢沢にとって明暗両方の意味で作者様から付与された人生のテーマでした。幼い頃にトラウマという種を植えつけられたけれど、やがて思春期には恋という種も獲る。逢沢は終盤危険な目に遭いますが、自分が思いを託した相手に助けてもらえるので大丈夫!
意外とダークな要素有りのお話だけれど、そういう部分を物語上の辻褄合わせやキャラ演出に使うのではなくて、物事を多方面から見られる曖昧さや両義性をしっかりと成立させる要となっています。そこが作者様の作風でめちゃくちゃ好きな部分であり、次もぜひ読みたいと惚れ込んでいるところ。作中、先輩俳優の潤さんが語る熱き演技論は、小説の作者と読み手の関係性にも当てはまるんだな〜と、グッとくるものがありました。
自称朴念仁な樫本も安心感のある不器用なタイプでした。すごくすごーく、オーソドックスな展開でツボを押されつつ、どうなるんだろう?えっ?大丈夫?なんとかしてぇ!!はぁ〜良かった…みたいなエモーショナル・ジャーニーを辿った後の、爽やかだけどちょっと苦味の残る味わい。クセになる高遠ブランドです。
レビュー本文に追記するのは躊躇われたのでこちらに。作家様がTwitterで、旅先で出会った人の声を録音して持ち歩くアジア映画についてツイートされていたのですが、王家衛の「ブエノスアイレス」?って思ったけれど使い方が微妙に違うかな〜と。どなたかご存知でしたら教えてください!
今回は高校の同級生である国家公務員と
モデルから俳優へと転身した芸能人のお話です。
友情で始まった関係が10年の時を経て恋として実るまで。
攻様は代々続く酒屋の長男です。
頑固な祖父が師範をしていた道場にも通わされ
剣道とともに礼儀や精神面もみっちり鍛えられた故に
かなり堅い性格に育ちます。
入学した高校でも剣道の実力は群を抜いていましたが
主将に他人と関わろうとしない攻様の気質は
団体戦にも影響すると懸念される程です。
そんな時にクラスメイトから
「剣道部の見学をしたい」と声を掛けられます。
この同級生が今回の受様になります♪
受様は入学当時から
モデルとして活躍するイケメン新入生として
かなり騒がれていましたが
攻様には単なるクラスメイトという認識しかなく
彼が自分を認識していた事が意外ですらありました。
結局受様は剣道部には入りませんでしたが
その日をきっかけに攻様と親しくなります。
そして臨海学校で受様の抱えるトラウマを知り
「強くなりたい」という受様に
個人的に剣道を教えるほどになるのですが
新学期を前に父親の転勤と共に離婚が決まり
受様は父親につい手東京へと引っ越すと告げられます。
受様は引越しによって友情が途切れることを
覚悟していたようで今にも泣きだしそうで
攻様はそんな受様を放っておくことができず
ある提案をすることとなります。
1日1回、俺に電話しろ
そしてその約束は2人が再会するまで続く事となります。
果たしてこんな2人に待ち受けているのは
どんな未来なのでしょうか!?
稼業の手伝いと剣道の習い性で堅い性格の攻様と
児童劇団からモデルとして活躍し始めた受様の
恋物語になります♪
タイトルの「3650日」の意味深さと
人見先生の美麗なカバーイラストに惹かれて
手にした1冊になります♪
出会った高校時代、大学時代、
そして就職して社会人になってとからと
その時々での基盤が変わっていく中でも
2人の友情は変わらずに続いていき、
同級生の長い両片思いのお話としては
攻様の自覚の無さによるすれ違い展開としては
わりと王道路線な展開と思わされますが
丁寧な伏線が非常に活きたお話でした♪
最初は攻視点から始まりますが
受視点も挟まって進んでいくため
読者にはそれぞれの心情が丸わかりです。
攻様は他人に興味がないと言いつつも
受様のためならわりと何でもしちゃうのですが
受様ほどに親しい人がいないので
受様が特別だという自覚がなかなかできません。
対する受様は早くに攻様への恋を自覚しているのですが
攻様がモテるのは当然と思っているし
知られて友人でもいられなくなるのが怖さを抱え
細い1本の糸に縋るような受様がとっても切ないです。
どうやったら2人の関係が変わるのかと思っていたら
受様のトラウマの根源がうまく絡まっていき、
こうきたか!? とハラハラMAX!!
2人がお互いの手を取るまで
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)v
読了するとさらにタイトルの意味深さに
ジーンとされられる素敵なお話でした。