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yokuatsu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
笠井先生なのでマストバイ。神野才さん、愛ちゃんというサブキャラで他作とゆるいつながりありますが、単独読み可能と思います。愛ちゃんは好きなのですが、今回カプの攻めが受けにやったことがあまり好きではなかったので中立にしました。受けが襲われちゃうシーンに萌えちゃうタイプの方でしたらいいのかも。本編220P+あとがき。
自分の書いた小説と同じ状況で自分が襲われた官能小説家の靖彦。二度三度と続いたため兄の紹介で、司法試験合格しているし医師免許も持っている神野才を訪ねて相談して・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
神野才(オールマイティスパダリセレブ、怪しさ満点)、愛(♂、さらさらロング黒髪、スレンダー女装美人、つんつんさん)、あと受けにイカンことする方々少々。
++苦手だったところ
事情あって、受けが色々イタされるんです、そこがちょっと苦手でした。電車だったり公園だったり、入れるところまではないんですけど、イってしまうところまではありまして。
で、それを仕掛けたのが実は攻めというところが「うーん・・」。個人的には「受けの吐いた空気ですら他人には吸わせん」というぐらい独占欲強く受けを愛する方の方が嬉しいのです。演技とは言え、「受けを他人に触らせる」ということを攻めが仕掛けるので、「嘘やろ、触らせんなよ」と思った次第です。すったもんだあってちゃんとくっつくんですけどね。
謎たっぷり神野さん(自由業、普段何してんねん)や、女神な容貌なのに超つんつんが楽しい愛ちゃんは大好きなんですけど、メインカップルの恋愛事情にはちょっと萌えられなかった一冊でした。
才能に溢れるが故に物事に熱中できず『世捨て人』として暮らしている神野才氏が、性的な匂いのする『なんやらかんやら』で悩む人の謎解きをするこのシリーズですが、シリーズ名がついていないのですね。前2作のタイトルから私は『神の淫マルシリーズ』と呼んでいたのですが、今回からはその呼び名は使えなくなってしまいました……出版社さまが付けてくれないでしょうか?そうすると次作も期待できますし。
私、このシリーズ大好きなんですよ。
『執着攻め』は好きじゃないんですけれど、なんでなのでしょうね?
考えるに、たぶん『怖いもの見たさ』なんだと思うのです。
愛を得るという目的を達成するために、とことん(色々なことを)やってしまう怖さ……ちゃんと考えてみると「それ、ホントに相手を愛してんのかいな⁈」と突っ込みたくなる、一歩間違うとトンチキに走ってしまいそうなお話を、クールでダークな文章の力をもって耽美的に仕上げる『上手い筆さばき』。
「怖い怖い怖い」というのではなく、うすら怖いんです。
あ、イヤミスの読後感に似てるかな。
今作は前2作と比較すると素直な構成になっていると思います。
ネタではなくて構成をバラしちゃうんですけれど(もっとタチ悪いよね)ラスト直前のどんでん返しがないんですよ。
前2作では、あのどんでん返しがあったが故に『ぞわ~っ』となったんですが、それはない。その点でちょっと物足りない感じはありました。
でも、今回の城崎が貴島にやったことが胸糞悪いんだなー。
そういう意味では「これ、ハッピーエンドなんすか?」って思っちゃう所が、ある意味、このシリーズ的な終わり方ともいえるのかもしれません。
笠井さんの描かれた表紙を見て、「いや、これ入ってるよね」と思ったのはきっと私だけではないはず、と思いたい。美しいがエロい…。
という今巻。
愁堂作品の『淫夢』『淫具』、そして『転生の恋人‐運命の相手は二人いる‐』に登場する神野+愛ちゃんシリーズの4作目。とはいえ、話は繋がっていないので前作未読でも問題なく今作品だけで読めます。神野さん&愛ちゃん、キャラが濃くって、というか彼らが登場しないと話が進まないメインキャラでありながら主人公は彼らではないというのが良い。
今作品の主人公は小説家の貴島。
裕福な家の次男として生まれ育ち、高学歴、そして有名な企業に就職するも「作家になりたい」という夢を捨てきれず小説家になった、という経歴の持ち主。
学生時代の友人であり、担当編集者になってくれた城崎のアドバイスを受け、今は官能小説を書いている。が、最近、自分が書いた小説と同じシチュエーションで自分も性的に襲われるようになる。けれど、その小説はまだ発売前。もしかしたら自分の願望が妄想になっているのでは?そんな恐怖心を抱いた貴島は、兄の紹介で神野という人物に相談に行くことにするが―。
というお話。
今シリーズは主人公の「淫ら」な部分を、本人と共に神野が解明していく、という点が共通点としてあげられるわけですが、今作品は受けさんがモブに性的に襲われるというシーンが多いです。モブ攻めが苦手な方は注意が必要かもしれません。
で、貴島は自分自身を信じられなくなっていく。
自分で書いたことが、まだ誰も知らないはずのシチュエーションが、なぜ、自分自身に降りかかるのか?
もしかしたらこれは自分の妄想なのか?
一歩間違えるとかなりダークな作品になりそうなバックボーンを孕んではいますが、ここにブレーキをかけるのが神野。彼は天才という設定ではありますが、もはや彼の存在が印籠と化している感があります。彼に相談すれば、するりと解決してくれるだろうという安心感。
けれど、読者にはなぜ貴島が襲われるのか、そしてその理由が何なのかはわからないのでページを捲る手が止められない。いやね、正直に言うと、犯人は「彼」しかおらんだろうなとは思うんですよ。でも、その「手段」と「理由」が分からないのでグイグイと引きずり込まれてしまう。けれど、ネタバレされてみるとその手法に無理がなくしてやられた感があります。さすがベテラン作家さまです。
今シリーズの持つダークさというかシリアスさが個人的にとってもツボでして。
シリアス過ぎないのもまた良い。結局のところ深い愛情から来ているので、読み終わってみれば甘々な1冊なんです。
ただ、先述しましたが受けさんがモブたちに性的に襲われるシーンがちょいちょいあります。しかも複数だったり貴島の意思にそわない行為も多々あるのでもしかしたら好みが分かれるところかもしれません。
そして今作品の笠井さんも素晴らしかった。
今シリーズの表紙はエロ度が高いものが多いですが、今作品もしかり。そして表紙を捲ってすぐの扉絵もとんでもなくエロいので、リアル書店で表紙をかけてもらう派の腐姐さま、注意が必要ですぞ。
神野+愛ちゃんがあくまで脇キャラというのもツボ。彼らがメインキャラにならないことで、今シリーズはどこまでも作れそうです。
大好きなシリーズなので、次回作も楽しみに待っていようと思います。