渇欲

katsuyoku

渇欲
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神21
  • 萌×27
  • 萌5
  • 中立2
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
8
得点
150
評価数
39
平均
4 / 5
神率
53.8%
著者
宮緒葵 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
梨とりこ 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
シリーズ
渇仰
発売日
電子発売日
価格
¥890(税抜)  
ISBN
9784773063226

あらすじ

あーちゃんが怖いモノ、全部俺がやっつけるから

六年ぶりに再会した「世界一キレイなあーちゃん」こと明良に、念願の飼い主兼恋人になってもらえた人気若手俳優の達幸。自身のマネージャー補佐として働く明良の前では「いい犬」でいる努力を続けていたが、本当は彼を誰にも見せず独り占めしたい衝動と戦っていた。
しかし、映画『青い焔』の公開オーディションに達幸の異母弟が参加することが判明し――。
「渇仰」と「渇命」の物語を繋ぐ重要なシリーズ番外編+書き下ろし、待望の商業化!

表題作渇欲

人気俳優で明良の飼い犬,25
達幸の恋人で飼い主でマネージャー,25

その他の収録作品

  • 鬼か人か
  • あとがき

レビュー投稿数8

同人誌をまとめた1冊

宮緒作品の『渇仰 新装版』が刊行になりましたが、この新装版と日を同じくして、同日発売になった今作品。

『渇欲』…。
もしかしてタイミングを逃して買えなかった『渇仰』シリーズの同人誌なのでは…?とタイトルを拝見したときから思っていましたが、うん。やったー!予想通りでした。『渇仰 新装版』、あるいは旧版の『渇仰』、『渇命』をお持ちの方にはこちらもぜひとも買ってほしい!

時系列としては『渇仰』と『渇命』の間位に起こったお話です。今作品は『渇仰 新装版』、もしくは『渇仰』を未読だと話が理解できません。未読の方はそちらから読まれることをお勧めします。




『渇仰』で、伊勢谷が起こした事件のためにお蔵入りとなってしまった映画「青い焔」。その映画を改めて撮影しなおすということで光役の俳優のオーディションが始まることになった。そして、その候補の役者の一人として名前が挙がっているのが、達幸の異母弟にあたる達也という青年。映画の配役をめぐり、達幸にとっては忌まわしい血のつながった家族との繋がりができてしまい―。

達幸という青年も家族に恵まれない薄幸な少年時代を過ごしていますが、彼の瞳の色のために、達幸の実の父親は彼を毛嫌いしていた。達幸の母親と離婚し、元妻が遺した血を分けた自分の息子を仕方なく引き取りはしたものの可愛がることはせず虐待をし続けた。そして、それを見ていた達也もまた、兄である達幸に手を差し伸べることはなかった。

そんな達也が、達幸のネームバリューに乗っかり映画デビューを果たそうとしている。とはいえ、達也は子どもだったわけだし、兄に対する思慕の想いとかもあったりするのかも?

そんな風に思いつつ読み進めましたが。
いやー、達也という青年がクソ過ぎて。序盤から最後まで、彼は本当に救いがない。

だからこそ、なのかも。
このオーディションをきっかけに、むしろ達幸と明良の関係はぐっと良くなっていきます。もともと5冊の同人誌を1冊に纏めたものだそうで、1冊ごとにエロを盛り込んだ(あとがきで宮緒先生がそう書かれています)ということでエロ度はこちらもかなり高いです。明良のお尻が本気で心配になります。

けれど、今作品で描かれているのは、自分では気づくことのなかった脆さを、明良という存在を介し知り、そして昇華していく達幸の姿です。こんなにエロいのに、まさに純愛です。

明良もまた、自分だけを一心に求める達幸のすべてを受け入れることで彼らの関係が盤石なものになっていった、そんな気がしました。

達幸はワンコを通り越したオオカミ、あるいは獣と化しているので、もしかしたら好みが分かれる作品かもしれません。が、個人的にはドツボに突き刺さる1冊でした。

同人誌が手に入らずやさぐれた過去を思い出しましたが、こうして1冊にまとまってものを購入できてうれしい限り。あ、ちなみに、『渇仰 新装版』と『渇欲』の2冊まとめてコミコミスタジオさんで購入すると、宮緒先生がブログなどで書かれていたSSが纏まったSS小冊子(有償です)が手に入ります。これも良かった…!

これから買われる方はこの小冊子も手に入れて欲しいなと思いました。

14

これはコメディ?

達幸が明良に執着する愛し方が尋常ではなくて、余りにも凄いので笑ってしまう。
あの攻めっぷりに耐える明良は華奢なはずだけど、凄く丈夫な人。
体格比でいうなら、セントバーナードに愛されたチワワ。
チワワが体当たりされて組み敷かれ、もみくちゃに舐められる。

単話でも楽しめる、とあとがきに有ったけど、
時系列から考えたら、「渇仰 新装版」と「渇欲」 併せて一気読みが良いと思う。

①渇仰 新装版の「渇仰」 :幼少時と再会 :映画『青い焔』撮影中止
②「渇欲」 :義弟と実父 :映画『青い焔』のオーディション
③渇仰 新装版の「渇命」:同じ職場に就く 舞台脚本家の横恋慕 :映画『青い焔』の撮影再会
④渇仰 新装版の書き下ろし「フェイク ファーザー」 30才になった二人 達幸が父親役に

ネグレクトされたトラウマ持ちの達幸を理解する唯一の人・明良。
明良が居ないと、不眠症になる達幸。明良についてはGPS機能を超える鼻を持つ。
愛犬・達幸の無償の愛を注がれる明良は、次第に達幸を介して自分の存在価値を見つけていく。
共依存に近い二人だけの異常な愛の世界。俳優だから通る我儘。
・・・上手い構成だと思う。

演技の天才;達幸の俳優生命を守るために、奇妙な二人の関係を守る会社やスタッフ。特に松尾さんは良い人。
シリアスな件がテーマなんだけど、達幸の偏愛が可笑しくて、笑ってしまう。
面白かった。

2

サイコパスバブ攻めの最高峰

すごく面白いです!!

この攻めに勝てるサイコパスバブ攻めをご存知の方がいらしたら、ぜひ教えて欲しい…
今年度作中でお会いした攻めの中ではぶっちぎりの優勝です。

悪意も悪気もないサイコパスバブ攻め+ワンコ攻めの要素を足すと化学反応が起きるので期待して読んでください!!※混ぜるな危険

期待を裏切らない事間違いなしです。とてもオススメです!!

2

究極の執着攻め

『渇仰 新装版』を読んでこちらを読みました。
順番としては『渇仰 新装版』の中に入っている「渇仰」と「渇命」の間のお話です。


達幸視点でのお話が入っているので
いかに達幸が明良の一番の犬として頑張っているのかがわかります。
明良に対する異常な執着心も達幸視点で読むと、納得しちゃう部分があるんですよね。
雄が…雄が…と常に他の雄を気にする達幸ですが
その時に考えていることもわかって良かったです。

明良の一番の犬でいたい達幸の基準が、いつも昔明良が飼っていた犬のタツなのですが
そのタツと自分を一生懸命比べる達幸が健気に感じてしまいました。
達幸にはほんとに明良しかいないし、明良しか必要ないと言うのがひしひしと伝わる1冊でした。
究極の執着攻めが読みたい時はこのシリーズに限ります。

1

狂犬忠犬執着っぷり、健在。

『渇仰 新装版』を読んで今までの自分の「執着攻め」という概念をひっくり返された私。
こちらの『渇欲』でも、達幸、期待を裏切らぬ見事な執着狂犬っぷりを見せてくれていました。拍手。もう、私が今まで見て来た攻めの中でも、ぶっちぎりの一位、優勝です・:*+.
他の追随を許さないですね。

あーちゃんあーちゃんあーちゃんあーちゃん……
一体、作中で達幸は何回「あーちゃん」と読んだり叫んだり喚いたりしているのでしょうか。(いいぞーーもっと呼べ!とワクワクしている自分の性癖、相当歪んでます)

前作ではカニバリズム描写がありましたが、今作ではあーちゃん、図らずも血を啜られておりました。
……がんばれ、あーちゃん。

達幸に文字通り抱き潰されていて、本気でお尻が心配になっちゃうほどですが。

”こう言えば達幸は危険な行動には出ない…”と理解した上で甘い言葉を囁くあーちゃん、策士だしえっちで大変よき…

『渇仰 新装版』とともに、これからも何度も何度も読み返すと思います。はあ…宮緒先生の描かれる執着攻め、大好き。。

1

久しぶり

先生買い。久しぶりの達幸、自分がどう感じるのかと正直ドキドキでした。昔、渇仰、渇命を読んだ時はまだ初心者だったのか、苦手だなと感じたのですが、BLに慣れたのかもしれません、今回は楽しかったです。絶対忘れない猛烈な犬です。想像を絶した変人というか執着犬というか狂犬が大好きな方でしたら是非渇仰 新装版(通称 鈍器)からどうぞ。本編2段組230Pほど+あとがき。

恵まれた自分の容姿を武器とし、人気監督に気に入られて売れっ子となった達幸。所属する事務所に明良が入社し、マネージャー補佐として側にいてくれるようになっています。ある日、主役を務めることになっている映画の準主役のオーディションに、達幸の異母弟が応募することを知り・・と続きます。

攻め受け以外の主な登場人物は
達也(攻め異母弟)、松尾(攻めマネージャー、奇特な方)、公明(受け父)ぐらいかな。松尾さん、ほんと器大きいわ。

++面白いと思えたところ

昔は「あーちゃんあーちゃんあーちゃん」と言い続け腰を振り続ける達幸をそんなに好きだとは思えなかったのです。なんだけど、様々な本を読んだからでしょうか。達幸が可愛いなあと思える部分が出てきました。スーパーイケメンなのに、首輪はめてもらってリード付けてあーちゃんに散歩してもらいたいって考える脳味噌。お前どんな頭しとんねん!ってホントいいたい瞬間は多数あれど、あーちゃんに嬉しいことをしてもらったら、それがたとえ首輪を買ってもらうということだとしても、ちぎれんばかりにしっぽを振りまくるところが、最高に面白いし愛しい。

だんだん達幸を制御するコツをつかみつつある明良とのかけひき、あーすれば抱きつぶされずに済むOR達幸が壊れるまであと10秒とカウントダウンする等、明良はほんとご苦労様なんです。昔は達幸に振り回されるあーちゃんが気の毒すぎて不愉快に思ったところもあったのですが、今となっては「まーいっか、こういう人生もありやろ」と思うようになりました。

勿論この本単独読みではちょっと勿体ないので、鈍器と化した渇仰から是非。申し訳ないですが、綺麗な王子様系攻めがいいの♡などと夢見るタイプの方は、ちょっと難しいと思います。なんでもどんとこい!な方でしたら是非是非。他の追随を許さない狂犬を楽しめると思います。

6

同人誌で読んでました!

凄く懐かしかったです。同人誌を集めて夢中で読んでいたので、こうして一冊にまとめていただくととてもありがたいです。

時系列的には「渇仰」と「渇命」の間の話で、達幸の異母弟の達也が絡んで来るお話になってます。

この達也が達幸と明良にどう関わって来るとか、達幸を捨てた父親がどんな行動に出るのかは薄っすらと記憶にあったのですが、細かい点は覚えてなかったんです。

達幸が明良の犬なので犬がどんな事に憤って、明良に何を求めるかはこのお話のお約束ごとなのです。
ですが同人誌を纏めた作品なのでエロシーンが果てしなく長くて、ハッキリ言ってちょっと食傷気味になってしまいました。
これ、設定上は大切なんですが、このシーンあってのこの作品なのですが、短くカットしてたらもっと読みやすいしファンも増えたのではないかと勝手に思ってます。

達幸の明良の犬としての野生的な感は凄まじいし、「青沼幸」としての役者の才能も素晴らしいし、次々とやって来る困難もお話として読み応えがあるんです。

達幸の実父や達也の末路にもスッキリとして気持ちの良い作品でした。

でもエロシーンは数行で満足な私にはちょっと辛い作品でした。

明良の父親の公明の人柄が素晴らしいのと、ここでもマネージャーの松尾が二人の良き理解者として活躍してました。

書き下ろしの「鬼か人か」が凄く良かったのは、やはりエロ無しだからだと思いました。馬を威嚇する達幸にクスッとします。

4

ツッコミどころ満載ですが面白い

伝説のワンコ攻め×最高の飼い主兼以上犯罪の被害者。
渇仰の番外編、攻めの達幸の家族の話の掘り下げなので、この話だけだと何がなんやらという感じでしたね。渇仰を先に読むことをお勧めします。

キャッチコピーの「あーちゃんが怖いモノ、全部俺がやっつけるから」に対して「1番怖いのはアンタだよ!」と誰もがツッコミを入れたくなる作品でした。

達幸の家族のゲスっぷりがかなりヒドイのですが、本人が異常過ぎて全然気にしてる素振りないし、あーちゃんは振り回されっぱなしでかなり不憫だなと。



4

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