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dekiai shacho to oishii yakusoku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
安曇ひかる先生の作品を読むのは「年下アルファの過剰な愛情」と「イケメン弁護士のパパはいりませんか?」以来になります。
あらすじに書いてなかったので分からなかったのですが、仙台を舞台にしていました。
親族がいて土地勘があるのでテンションが上がってしまいました。
安曇先生の30作目でルチル文庫さんで20作目の記念すべき作品で、仙台は先生の地元らしいです。なるほど、だから方言が自然に書かれていたのかと納得しました。
さて、内容ですが受の冬馬の過去がとにかく不憫で、でも親友の優也と共に前向きに逞しく生きている姿に好感を持てました。
そして、そんな冬馬が栄養失調で倒れた時に手を差し伸べた聡史が親切で優しくて聖人君子みたいな人物なんです。
最初は反発していた冬馬も一緒に過ごすうちに惹かれて行くんです。両親を亡くしてからこんなに冬馬の事を考えてくれて、親切にしてくれる人間は今までいなかったから当たり前です。
冬馬は聡史の態度に期待しながらも、たまにチラッと影を見せるとある女性を彼女だと思い込んでて、意固地な態度を取ってしまいます。
この冬馬のグルグルした迷走と意地っ張りな態度に、読んでてかなり苛つきました。聡史が愛想を尽かさないのが不思議なくらいです。
でも、そこに聡史が冬馬に手を差し伸べた秘密が隠れてるんです。かなりの策士でした。
でもですね、その秘密がちょっと私的には無理矢理感があったので萌2になりました。
聡史の手掛けるレストランで提供される料理が美味しそうで、行ってみたくなりました。
綿谷がそんなだったなんて〜!
冬馬の楽しく貧乏ライフや貧乏を恥じない姿勢は良かったですが、綿谷から初めてこんなに心配して優しくされて、ポロポロと辛い過去の思い出や、やっぱり貧乏が影を落としたり…。人の親切を素直に受け取れない甘え下手な臆病さんで。
ずっと紳士で優しくてなぜこんなに親切にしてくれるんだろう?でも彼女いるのに!
冬馬が切なくて苦しんで胃まで痛めて可哀想、告白しちゃいなよ!と思ったけど、親切に告白で返して迷惑かけたくなかったんだよね(泣)
切ないのが続いて、辛い過去とかも泣けて鼻水かんでハラハラ読んでたら…。
良かったです。重い者同士でお似合いですね!これからはちゃんと甘えるんだよ!
巻末の短編は綿谷視点です。
本当に独占欲強いですね!そしてちょっと面白いほど冬馬が可愛くてメロメロでおかしな方へ向かっちゃって。綿谷から見たらそんなに冬馬は可愛くて仕方ないんですね。
まだまだ同居は当分先ですね。
苦労人大学生が、スパダリ社長に甘やかされて初めての恋や食に目覚めると言った作品になります。
好きな作家さんである事と、あらすじやタイトルから笑えて甘くて可愛くてと言ったお話を期待して購入しました。
ただこれ、想定外に重いと言うかしんどいと言うか・・・。
や、主人公救済ものの側面もあると思うんですけど、彼の心の傷は結構深刻で、そのせいでかなり意地っ張りだし面倒臭いんですよね。
えーと、甘々ほのぼのどころか、主人公のこのキャラのせいでスレ違いが延々と続いて、「辛ぁ・・・」って感じで。
う~ん・・・。
心に響くすごくいいお話だとは思うんですけど、甘々ほのぼのを期待しちゃうと予想外に心を抉られるかも。
あと、主人公のキャラ自体も好き嫌いが分かれそうな気がします。
自分が傷付きたくないからって、大切に思ってくれる相手を傷付けちゃいけないわ。
友達が言う通り、貧乏だからって心まで貧しくなるのはいただけないわ。
で、内容です。
スナック菓子等を使ったトンデモ料理の動画配信で人気を集める貧乏大学生・冬馬。
しかし、不摂生がたたって栄養失調で倒れてしまうんですね。
そこにたまたま居合わせ、倒れた冬馬を助けてくれたのが、地産地消をコンセプトにレストランを展開するスパダリ社長の聡史。
冬馬の身体を心配した聡史は、一ヶ月の間自身の経営するレストランで食事をご馳走する。
そこで冬馬の体調が改善しなければ、なんでも望みを叶えると提案して来てー・・・と言うものになります。
まずこちら、個人的に一番萌えた部分なんですけど。
えーと、タイトルにある通り、攻めである聡史のスパダリぶりだったり溺愛ぶりだったりになります。
いやなぁ、赤の他人である主人公にいきなり一ヶ月間も食事をおごりと、親切すぎて多少胡散臭く感じる事とは思うのです。
ただ、彼にはそうする理由がちゃんとある上に、とにかく大人の余裕があって包容力もあるスパダリなんですよ。
味覚が死んでる冬馬にですね、美味しい食事を与え、そして農家に連れて行って食育を施しと、甘やかすだけじゃなく本当に大切にしてるのが伝わってくる。
また、作者さんもおっしゃられてるんですけど、お話が進むに連れ、彼の本性が明らかになってくるのも楽しいと言うか。
あれ、意外と策士じゃん?から、最終的には残念攻めじゃん!的に。
や、最後に攻め視点の短編があるんですけど、ここでは受けが好きすぎて若干変態っぽくなってますもん。
いやもう、本当に面白い男だよ!と。
ただこちら、個人的に合わない部分もありまして。
えーと、繰り返しになりますが、受けがかなりの意地っ張りだし面倒臭いタイプなんですよね。
いや、う~ん・・・。
私は決して意地っ張りが嫌いなワケでは無いのです。
それどころか、意地っ張りで面倒臭い受けって実は大好きなんですよ。
や、甘えるのが下手で、傷付いても平気なふりとかしちゃう受け・・・。
グルグルと延々と悩み続ける臆病な受け・・・。
読んでて死ぬほど萌えるー!てなもんで。
ただ今回の受けですが、自分を守る為にバリバリに壁を作るタイプと言いますか。
自分が傷付かない為に、相手を傷付けちゃうタイプと言いますか。
一ヶ月もご馳走してくれると言う相手に対して「まあ、別にいいですけど」って、なんでそんなに上からなのよ。
あてつけのように男友達の名前を出してと、何故わざわざ傷付けようとするのよ。
挙げ句、「綿谷さんは俺の気持ちなんてどうでもいいんだ」って、自分の事ばっかかよ!と。
これな、心の傷が彼にこんな言動をとらせてるのは分かるのです。
攻めの深い愛によって、そんな受けが変わるのが見処だとも分かる。
ただ正直、読んでてイライラしてイライラして仕方ないんですよね。
意地っ張りは意地っ張りでも、このタイプはいか~ん!と。
マジで、私が攻めなら張り倒すぞと。
ついでに、なんか主人公の気持ちの変化が急で戸惑うよ。
反発心を持って利用してやろうとか考えてたかと思うと、次のシーンではドライブに誘われて初々しく喜んでたりして。
受けの気持ちが良く分からん・・・。
と、そんな感じで、ストーリー自体は本当に素敵だと思うんですけど、個人的に合わない部分もある。
ただ、深みのあるお話が好きで、主人公が合う方にはとてもオススメじゃないかと思います。
先生買い。穏やかなタイプが自分のツボなんだわと今回気づきました。攻めがその穏やかなタイプの社長さんで、割合好きでしたので萌にしました。本編260頁ほど+攻め視点の後日談16頁ほど+あとがき。穏やかなイケメンが好きな方には良いのでは。
仙台で大学に通いながらユーチューブで「ドンと来い!貧乏飯」という配信をしている冬馬。両親共に亡く、小遣い稼ぎにやっているのですが、文字通り貧乏のため、ある日とうとう大学で倒れてしまいます。その時助けてくれたのが、複数レストランを経営している聡史で…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
優也(受けの親友)、高柳(レストランの料理長)、久五郎(農家の方)、菜々美(攻めと時々会っている♀)ぐらいかな。優也、いい子です。
++攻め受けについて
受けは奨学金+バイトたくさんで何とか大学に通っている陽キャな貧乏学生さん。ゲイだった訳ではないのですが、親切にされて甘やかされて&穏やかイケメンなので、恋心を持ってしまった様子。こんな恋心を持たれても迷惑なだけだろうとか、女性と一緒にいるところを見てちょっと嫉妬してしまったりとか、ぐるぐるなさってます。
攻めさんは最初からずっと受けさんを心配して色々面倒みてあげて、優しい穏やかないい人!という様子。後々下心ありということが判明しますが、基本いい人という雰囲気満点なので、安心して読み進められました。受けの方が少しお子様っぽい言動があって、「そんなこと言ったら攻めさん可哀想!」と思う状況多かったかな。
美味しそうなお野菜使ったお料理の記述少々あり、栄養失調気味だった受けがだんだん健康になる様子は嬉しかったし、攻めは好きなタイプだったけど、受けの言動が少し幼いように感じたところが少し残念だったなと思った一冊でした!