amazonの電子書籍版です
paradise kiss
Kindleおすすめ作品。中立寄りです。
かなり前に試し読みして冒頭シーンが面白そうだったので購入しました。エンディングでほんわりとした気持ちになりましたが、読み進めている間、お話の主旨がよくわからなくて入り込めず。
主人公・慶人の失恋を癒すゴージャスな海外旅行がストーリーのメインかと思いますが、旅行に誘ったグレイというセレブがスーパー攻め様、同行秘書役(仮)の慶人はツンデレ美人設定だということはわかりました。(グレイの瞳をやたらと「黒曜石」に喩えるのは萎えました…)
二人がバー"Opus"で出会った時、グレイはすでに慶人の前カレを知っていて、さらに慶人のことを気に入っているかのようにふるまいます。その理由は最後でわかるようになっているけれど、隠す必要あったのかな?
そもそも慶人と前カレ亜紀人の関係性があやふやで、特に亜紀人の心理がよくわかりません。グレイがいうように亜紀人に遊ばれていただけだったのかもしれないけれど、二人は恋人だったとはいえキスしかしていない間柄で、慶人は職場の後輩女性に亜紀人を寝取られても恨まないような善人なんです。二人は本当に恋人だったのかな?って疑問で。慶人が一方的にそう思っていたのなら、かなり痛いかも。
もう一つ、グレイがストレートを断言している点も理解しかねました。慶人が人として魅力があるから、ゲイとかストレートとかセクシュアリティは関係ない、ということでしょうか。それならセックスはしなくてもいいのでは?と。
そして、主人公の慶人です。元恋人の血縁者だったとしても、知り合ったばかりのグレイから仕事と称して海外旅行への同行を提案されて、ホイホイついていくのも真面目に軽率だなと感じました。おそらくバーで声を掛けられた時から完全にグレイにハマっちゃっていたのでしょうね。すっかりグレイに甘やかされて、旅行そのものを満喫しています。なんだかんだで結局は「自称ストレート」の男に優しく抱かれるわけですけど、重ね重ね申し訳ないですが、ストレートというのは同性とはセックスしないという意味ではないのでしょうか?そこを崩したいのなら、同性に欲情する・しないっていう聖域にぜひ斬り込んでいただきたかった。
傷心の慶人が新しい恋を手に入れるシンデレラストーリーといっていいですが、上のように腑に落ちない点があり、かつ個人的には慶人の魅力がいまいちわからなかったので、亜紀人が慶人に未練を残しているのも謎でした。体目当てだったら最悪…。最後、二人が出会ったバーに出てきた黒縁眼鏡の男も見当がつかずで…すみません、、。
あまり深掘りせずに他の作品『唇の温度』(イラスト推し)を読んでみようと思います。