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作家さんの新作発表
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1冊丸ごと表題作シリーズです。
ラストにショートショートの小説が収録されているのが、通常のコミックスとは少し変わった所。
主人公は2人とも人の道から外れた影の部分を背負っているのですが、偶然に出会い、やがて癒し・救いとしてお互いを見出していくという、結構シリアスなお話です。
時代ははっきりした記述はないのですが、戦国や江戸時代頃を思わせます。
それ程生々しい描写ではありませんが、斬りあいや流血シーンもあるので、苦手な方はご注意を。
私は時代劇が大好きなので、こういう表紙を見ると読みたくてたまらなくなってしまうのですが、漫画もラストの小説も読みごたえがありました。
少し気になったのが、朔が最初の登場の頃と比べたら話が進むにつれて少しなよなよした感じになったかな?(いかにも受け様っぽくなったと言ってもいいかもしれませんが)と感じられたところでした。
剣士なので、男らしいままの方が私は好みだったのですが…というのがあって、評価は萌にしています。
ここのところ刀ものに興味が向いているのだが、その中でダントツの出来のモノに出会いました♪
刀モノといっても妖刀ではなく、刀を握る人の心に重点を置いた、そして刀を握るものとしての業を描いた作品になっております。
赤毛の為居場所がない自分を拾ってくれた刀鍛冶への恩から、その刀を”月刺”にするべく人斬りをする朔。
その昔、主の為に無情の殺生で300人を殺し、刀”月刺”の狂気に飲み込まれ主さえも斬ってしまった、今は医者である斜倖。
彼らの過去も辿りながら、愛と恩の与え方の違いを刀鍛冶と斜倖の対比で表わし、朔を再生へ導いていく。
斜倖の業の深さはあまりに壮絶で、それゆえに達観の地に至った姿は朔を導く者としてふさわしい。
人斬りがテーマゆえ、血なまぐささがぬぐえないが「月刺」の題名にふさわしく、まるで月に照らされたような鋭く柔らかな愛がしっとりと心に染みいる作品でした。
また、書き下ろしとしてマンガでは表現しきれないとのことで小説としてショートストーリーが書かれているのであるが、情景が絵で浮かぶような作品になっていて読み応えがある。
攻はかつて人としての名を与えられずに育った暗殺者。
受は或る刀に魅入られてしまった刀鍛冶に飼われている
剣士。
何の接点もなく出会った様に見える二人ですが、心の奥に
惹かれあうものがあって出会ったのでしょう。
(実は巧妙に隠された因縁も二人を結びつける一助となって
いるのですが、それは本編を読み解いてから納得して戴きたく)。
修羅の道に生きざるを得なかった者同士が人として生き直す
為に寄り添った、一つの物語を静かに御覧下さい。