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獣人王子のいとしい人 ~奇跡の観覧車は愛を運ぶ~

jujin ouji no itoshii hito

獣人王子のいとしい人 ~奇跡の観覧車は愛を運ぶ~
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×25
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
4
得点
50
評価数
15
平均
3.5 / 5
神率
20%
著者
伊勢原ささら 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
八千代ハル 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
電子発売日
価格
¥675(税抜)  
ISBN
9784576211503

あらすじ

獣人の国なら世継ぎの王子のアーロンが、父の残した遊園地を仲間、そして大切な人と蘇らせる、心温まるラブストーリー

小さな遊園地の園長を務めるアーロンは、人間主体のこの国では珍しいブルータイガー獣人。
ドリームランドの観覧車の青いゴンドラに乗ると願いが叶う――そんな噂が広まりブームを巻き起こしたのも今は昔。
経営難の打開策に頭を悩ませていたある日、元同級生の白雪と再会する。
彼の奏でるピアノの調べに彩られた高校時代の思い出、形をなす前に消えた淡い感情…。
思いつめた様子の白雪に、アーロンは思わず園再建の助力を願い出て――。

表題作獣人王子のいとしい人 ~奇跡の観覧車は愛を運ぶ~

アーロン・出雲、遊園地の園長でブルータイガー獣人
白雪海音、ピアノの得意なアーロンの元同級生

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数4

焦ったくてキュンキュン

こちら再会もののお話でした。

アーロンがとても良い男なんですよ。でも恋愛面になると、かなりのニブチンなのでかなり焦ったくなりました。その焦ったさにお話の最後まで引っ張られて行くんですが、かなりキュンキュン来るんです。

ニホン国とエドナ国では過去の歴史から、表面上は友好的なんですが両国には根強い人種差別が残ってるんです。
アーロンの両親は獣人の父親と人間の母親なんですが、エドナ国からニホン国に移住してどちらからも冷たい仕打ちを受けて来たんです。

両親はそれでも人間と獣人の差別の無い世界を目指して、笑顔の絶えない人達だったんです。
アーロンはそんな両親を横目で見てる、ちょっと大人びた少年時代を過ごしています。

なので高校時代から忘れられなくて、笑顔にしてあげたいと思っているかつての同級生の白雪と再会しても、ガチガチの価値観のアーロンにはその白雪に対する気持ちがなんだか理解出来てないんです。

だから親友の来栖と白雪をくっ付けようとしたり、ずっと迷走してるんです。
読者は何となく白雪の気持ちを察してるので、焦ったくてしょうがありません。

両親が残したドリームランドの復活も白雪の笑顔の為だったのに、成功した途端にアーロンはエドナ国に戻ろうとするんですよ。その頃は白雪を好きだと気が付いてるのに、獣人の自分といたら両親のように苦労させてしまうと思い込んでいるんです。
もう、アーロンのニブチンのバカチンめって思ってしまいました。

最後にアーロンが思い出の観覧車の青いゴンドラに乗った時に奇跡が起こるんです。
来栖がとても良い男だったし、白雪は大人しくて弱いけど一途な男前でした。

ドリームランドで起きた奇跡が、アーロンの周りからニホン国やエドナ国に広がって行く様子に涙が出ました。

派手な事件とかは起こりません。じわじわと来る、優しいお話が好きな方にお勧めします。

0

夢を叶えるのは勇気の1歩

今回は遊園地を守るブルータイガー獣人と
ある事情で地元に戻ってきた元同級生のお話です。 

攻様が遊園地再建関わった受様を恋人にするまで。

数百年前、
ニホン国には人間と獣人が共に暮らし
獣人は人間に使役、従属させられる存在でしたが
反旗を翻した結果、獣人だけのエドナ国を建国します。

その後の長い年月を経て両国は若いし、
交易も行き来も自由となりますが、互いへの偏見は
根強く残っているのが現状です。

攻様の父は王家の血を引く獣人でしたが
人間の母は王家に相応しくないと辛く当たられ
攻様とともにニホン国に移住します。

仲睦まじい夫婦だつた2人は
獣人と人間が楽しく過ごせる場所を作りたいと
廃墟の遊園地に手を入れてドリームランドを作ります。

父が延長だった頃は沢山の親子で賑わいましたが
一昨年、不況で大手企業の工場が閉鎖されてからは
働き盛りの人々は都会へと移っていき
今では休日も客入りは芳しくありません。

攻様は父の死後は園長を務めていますが
両親の夢を放棄したくなくて続けている
と言うのが実情です。

そんなある日、
攻様は園飲めだのである観覧車を見上げる
かつての同級生を目撃します。
この彼こそが今回の受様になります♪

受様の横顔はどこか悲し気な影を宿していて
教室の隅でじっと俯くかつての姿が重なり
攻様の胸を痛ませます。

やがて受様は青いゴンドラに乗り込みますが
なんとひときわ大きな音を立てて観覧車が
止まってしまうのです!!

受様がアクシデントに強くは思えません。
果たして攻様は受様は無事に助け出せるのか!?

父の残した遊園地の園長となった攻様と
取引き先のセクハラで退職に追い込まれた受様の
もふもふ再会モノになります♪

獣人と人間でも仲睦まじい両親を見て育つ攻様ですが
人間達での学生生活はよくも悪くも注目を浴びるため
攻様は1人でいる事を選ぶようになります。

中性的な容姿の持ち主である受様は
いつも1人で本を読んでいるようなおとなしい生徒で
とても目立たない生徒でしたが

カツアゲされたいた受様を助けた事で
受取と妙な噂をたてられてしまい、
近寄る事ができないままに卒業してしまいます。

受様は都会の会社に勤めたものの
退職を予期無くされて地元に帰ってきていて
ある決意を秘めてドリームランドに来ていたのです。

そんな2人が偶然の出会いを果たしてことから
この恋物語は動き始めます。

ドリームランドに活気を取り戻したいと
攻様はイベント会社をする友人に助力を求め
友人に淡い想いを抱いたように見えた受様を
再建計画に巻き込むのです。

読者的には受様の想い人が誰なのか、
攻様が受様をこんなにも気に掛けるのがなぜなのか
なんて一目瞭然なのですけど

2人が恋仲になるまで所々に散らばる
恋心の欠片にきゅんきゅんしながら
楽しく読ませて頂きました。

なんでもできるスパダリ感満載の攻様なのに
恋には不器用というか激ニブなのも
臆病な受様の方が最後の1歩を詰めていく展開が
とっても萌ツボでした (^-^)

八千代先生のイラストも物語世界にベストマッチでした♪

0

優しい

先生買い。ほんわり優しいお話なんですが、攻め受けともそんなに惚れるところが無かったので、すいません、中立よりの萌にしました。本編270P弱+あとがき。優しいお話がお好きな方に良いのかも。

獣人の住むエドナ国から人の住むニホン国へ移住した両親を持つアーロン。獣人の父の血を受け継ぎ希少なブルータイガーなのですが、ニホン国では獣人に対する差別意識があり、周囲から浮きがち。両親から受け継いだ遊園地も、住んでいる地域に子供がいなくなったこともありじり貧で・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
来栖(攻めの高校時代の友人)、ルシア(攻めの従妹、エドナ王国王女)、トニオ(遊園地副園長、狐獣人)等かな。

++攻め受けについて

攻めが王族に連なる血筋なんですけど、とても普通に感じられたんです。獣人だからということで、最初からあきらめているような感じで。凛々しいとかカッコいい!とかが少なく、等身大な印象です。能力はあるんだけど、目立つの嫌ってタイプ。

受けは繊細、人から噂されて学校行けなくなってしまうタイプ。だったんですけど、攻めに対してはほんのちょっと頑張るんですよね。最後の最後、攻めに向かってアピールするところは「おお、頑張ってるじゃん!」と感じられて良かったでした。

攻め受けが好みのタイプではなかったので、あんまり萌えなかったですけど、等身大で鈍感系の攻めや、繊細な受けが頑張るお話がお好きな方だったらいいかも!と思った優しい印象のお話でした。

5

優しいストーリー。

あらすじと、八千代さんの描かれた可愛らしい表紙に惹かれて手に取りました。
ネタバレ含んでいます。ご注意ください。




人と獣人がともに暮らしている世界が舞台。
ブルータイガーの獣人・アーロンは日本で暮らしているが、人間からの根強い差別に辟易していた。

その見た目から怖がられ、人よりも優れている部分があるとずるをしていると思われる。まだ高校生のアーロンにとっては人との共存はなかなか難しいものだった。そんな彼は、とある日学校でピアノを弾いている白雪という名の同級生を見かける。大人しく影の薄い白雪の違う顔を見たアーロンは、いじめを受けている白雪を気に掛けるようになるが―。

時は過ぎ、今はアーロンが両親から引き継いだ遊園地・「ドリームランド」の園長。が、ドリームランドの経営は悪化の一途をたどっていた。ドリームランドを盛り返すために策を練るアーロンだったが、その園内で、アーロンは白雪と再会して…。

というお話。

獣人(もふもふ)に、獣人に対する差別・偏見、そして再会愛。
アーロンは亡き父の祖国では王族でもある。

多岐にわたるてんこ盛りの設定ですが、そのどれもがきちんと生かされていてストーリーに奥行きがあるところはさすがベテラン作家さまという感じ。

いじめや差別という部分がベースとして描かれてはいますが、シリアス過ぎないし、痛すぎない。アーロンという青年がカッコいいから。王族というスパダリで、その設定のおかげでアーロンなら何とかしてくれるんじゃないか、ピンチを切り抜けられるんじゃないか、という安心感が常にあるからかな。

白雪という青年は自分に自信がなく常におどおどしている男の子なので、カッコいい受けさんがお好きな方にはちょっと…、な受けさんかもしれませんが、なんて言うんですかね。ひな鳥みたいな?小動物みたいな?庇護欲を掻き立てられる男の子で可愛いの。

アーロンはドリームランチを再建できるのか。
そこを軸に、アーロン×白雪の恋の行方、アーロンに課された母国への帰還、そしてアーロンと白雪の良き友人である来栖との関係などが描かれていて、どうストーリー展開していくのかハラハラしつつ読み進めました。

個人的にはもう少し波乱があった方が好みではあるのですが、痛い展開になることはほぼほぼなく、終始穏やかで温かな空気感に満ちた、優しいお話でした。

5

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