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作家さんの新作発表
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恋愛的には特に何も始まっていない気がするラブコメでした。
第三者目線のラブコメでBLではわりとレアな作品だと思います。面白かったです。
「好きなやつが好きだから」という理由でHIPHOPを始めた高校生のフミト(超初心者)と、そんなフミトに取り憑いてしまったラッパーの幽霊オジサン。
オジサンのアシストで梶田(好きなやつ)と仲良くなったフミトが静かに暴走してはオジサンにツッコミを入れられる愉快なラブコメでした。
BL要素はフミトの片想いのみ。
寡黙で無表情なフミトがひたすら梶田との恋愛(ド下ネタ)しか考えておらず面白かったです。
オジサンが感傷に浸ったり、梶田が青春(友情)を繰り広げるなか、最後までブレること無く下心でした(笑)
第三者のオジサン視点で話が進み、恋愛の進展がほとんど無いにも関わらず、ラブコメとしてしっかり楽しむことが出来ました。
とても面白かったのですが、この一冊では完結した感がありませんでした。このまま何時までも続きそうな雰囲気。
最終話自体は良かったです。オジサン視点では下ネタ無口ボケだったフミトが最後の最後、梶田視点で一番輝いていました。
下ネタ以外の本音がポロリと零れ、それを梶田がきちんと拾ってくれる。地味ですがきちんと距離の詰まったことがわかるラストで良かったです。
しかしこの最終話は長編ラブコメがワンクールだけアニメ化された時の最終話くらいの最終話感でした。
続いて欲しかったです。
独特のテイストのあるギャグ漫画。
いや~、さすがのエッジコミック(my favourite)ですね。
なんと、成仏しそこねたラッパーの霊(おじさん)と、その霊が見える乙成、乙成が恋する梶田のお話。
乙成は無口で醒めた変なやつなのですが、頭の中では大好きな梶田とのHなことを妄想する変態(普通の男子)。それが全部すけてみえるラッパーおじさん。
そしてなんと憑依もできる!
ラップ好きの梶田と仲良くなろうと、一緒に創作を試みるも歌詞が出ず、おじさんが力を貸すのですが、出てくる歌詞が本格的で、きっと作者さんもラップ大好きなんだろうなあと想いました。
ぜひもっと漫画を描いて欲しい作者さんです。お気に入りになりました。
HIP HOP BLとはいっても、かなりギャグ寄りで笑えるお話です。HIP HOP知識はにわか仕込みな私でも楽しめました。
主人公の乙成は、片思い相手がHIP HOPにハマっていることからHIP HOPの世界に足を踏み入れます。そこになぜか現れるラッパーのおっさん幽霊!笑。ボケ続ける乙成に全力でツッコミながら、HIP HOPの解説役も担ってくれています。たまに乙成に憑依してラップを披露したりと大活躍。というかよく考えたら乙成はほぼラップなんかしてなくて、幽霊任せでした。
乙成の頭の中は常に梶田とのスケベでいっぱいで、ズレまくってるんです。なのに絶妙にかみ合ってる変なノリで、それがすごく楽しい。ラップ以外は器用にこなす高スペックぶりも最高でした。
BのLは始まらず、乙成→梶田の一方通行のままで終わってしまいましたが、最後にちょっとだけ梶田がふらっと絆されそうな雰囲気を出していて、それだけで十分でした。乙成は何が何でも成し遂げてしまいそうなキャラなので、きっと梶田が気付いたときには落ちていそうな気がします笑。
本編後に短編が数本収録されてて、たぶんこれは本編の幕間の話じゃないかな。時系列が分かり辛いのが難点。
おまけでHIP HOPの用語解説があったのは親切でよかったです。全体的に作者さんの情熱が伝わってくるタイプの作品でした。好きです。
ラッパーのBLと聞いたので「ヒプマ◯ね!」と思ったのだけれど全然違ってめっちゃ硬派でした。(とか言ってヒプマ◯未履修ですごめんなさい)
帯に「ボーイズお近づき!」とわざわざ書かれていたので「SEXまではたどり着かないだろうな」と覚悟していたのだけれど、キスはおろか手を繋いだりもせず、本当にお近づきになっただけでめっちゃわらいました。
アフタヌーンで連載しているラップ漫画の、主人公がラップを始めるきっかけになるマドンナが男の子だった的なノリに感じました。BL漫画、というよりは青年漫画を読んでいるという印象です。
おはなしも非常に完成度が高く、絵のクオリティも近年レベルが高杉晋作でお馴染みのBL漫画界においても抜きんでているように感じました。まじで「アフタヌーンで連載してたんだよ」って言われても信じてしまうレベルでした。
ラップおじさんのフェスでの涙、幡豆くんと梶田くんの因縁と、ふつうにお話として読ませる力が強く漫画として面白い漫画(日本語がどっかいった)と感じました。
肝心のラップシーンも歌詞を横文字にしたり吹き出しでコマを割ったりグラフィカルな処理を施したりとさまざまな工夫がなされており、ふつうに面白く読めました。
てか全然関係ないけど梶田隆って韻踏んでる…?のか…?フミトって韻踏むからフミト…?
特筆すべきはラッパーのおじさんの霊で、おじさんと主人公との間でひたすら繰り広げられる小気味のいいギャグがこれでもかと詰め込まれていました。しかもふつうにおもろい。何回か吹き出しました。
青年漫画とか、深夜ラジオとかそう言ったイズムを感じました。(作者のTwitterを覗いたら三四郎のannのファンらしく、ノリがTBSのジャンクっぽいなと思ってたのでビビりました)
BL漫画でメインの2人以外に重要なキャラがいると、一冊でSEXまでたどり着かないといけない性質上どうしてもメインが薄まる、とおもっていたのですが、この漫画に関しては(そもそもお近づきになるまでしかいかないし)ラッパーのおじさんのキャラが出過ぎず、出なさすぎずで非常にいいスパイスになっていたと思います。
また、ラップに関しては、宇多丸さんのラジオを聴いていたのでなんとなくサイファーとか、韻を踏むとか、だいたいサングラスをかけてる、とか薬で捕まりがち、とかは理解していたもののほぼ初心者だったのですが、細かく説明を入れたり、濃すぎる内容にもここは読み飛ばしていいよ的な処理をしていたので非常に飲み込みやすく感じました。
キャラもノンケの男子が書いたのか?というくらい媚がなく、カラッとしており、物足りなく感じる人もいるとは思いますが、わたしは好印象でした。2、3巻〜と続けて読みたいなと切に思いました、多分8巻くらい続けてようやく梶田くんがフミトくんの気持ちに気づくくらいのペースなんじゃないかな。。。
とにかくおはなしも絵のクオリティも高く非常に楽しめました。文句なしで神です!