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無骨で不遜な謎の男×天涯孤独な褐色の神子、宮殿で行われる不埒な秘めごと!
kokuryuu ni chou no kiss
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
この手にありがちな、設定世界のファンタジー。神子と呼ばれる少年は、儀式の時が来るまで幽閉され、清い身体で大切に育てられて来た。貧しい村の孤児であった胡蝶は、なに不自由無く育てられていて、その事に疑問を持たない無垢の子だが、その実、古い因習に囚われ、自由を奪われた存在なのだ。もうすぐ皇にその身を捧げるのだと。会った事も無い皇の為に、健気にその時を待っている。そんなある日、皇の使者だと言う男がやって来る。彼は、胡蝶の側使えの待宵が、神子に異常な執着をしているのではないかと疑い、胡蝶と待宵の「夜の習慣」をやめさせてみたり。胡蝶を敷地の外へ連れ出してみたり。胡蝶の無防備さに煽られてヤッちまったり。散々っぱら好き放題する。ちょ、ちょっと待って!胡蝶が守って来た清い身体にナニしてくれてんの⁈
ここで、読み手側は、ははーんと気付く。これもまたこの手の設定のセオリーなのだ。皇の使者だと言う久瀬その人こそが皇なのか。あるいは、囚われの胡蝶を不憫に思って、皇を裏切り駆け落ちする男なのか。はてさて、この男に邪魔されながらも胡蝶を守り抜こうと決意する待宵の物語となるのか。
個人的には、横暴でヤリたい放題の久瀬よりも、繊細で、胡蝶への愛情だけで側に居てくれる待宵必勝を期待したのだけど。そういう訳にも行かず。胡蝶は、自分を攫ってくれた久瀬と恋に落ちる。
神子の儀式は世襲制で、久瀬は次期皇だったので、先代の皇に取られる事なく、めでたく胡蝶を自分のモノにする事が出来た。彼はそもそも神子を儀式の為だけにその自由を奪う事を良いとは思って無かったので。胡蝶を自分の伴侶として迎える。
胡蝶側にとってはシンデレラストーリーなんだが。胡蝶は無垢過ぎて、久瀬が思い詰めた様には、自身の神子である運命を哀れんではいない。救ったところで無自覚なのだ。久瀬はこれから。胡蝶の優しさに救われる事もあるだろうし、胡蝶に自我というものを育てなければならない、とも思う。物語は早急に終わるが、彼等の人生はこれからなのだ。
カバー下には待宵。彼の、胡蝶への愛情は、母としてのものだったのか。というのは、ホッとするやら残念な様な。
修正は所々短冊。久瀬が唐突にやたらと胡蝶を乱暴に抱くので、その猛るものが丸見え。というか、胡蝶のものの方が丸見え。