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gin no requiem
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
2007年に刊行された『銀の鎮魂歌』を持っているので買おうかどうしようか悩んだのですが、yocoさんの挿絵に惹かれたのと、あらすじに書かれている、
>3度目の文庫化にして最終決定版、ついに登場!!
の文句に、もしかしたら書き下ろしがあるかも、という期待を込めて購入しました。
先に書いてしまいますが、今作品には書き下ろしはありません。もし書き下ろし目当てで購入を検討されていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、その点は注意された方が良いかと思います。
若干の加筆・修正はありますが、もちろんではありますがストーリーとして大きく変化することもありません。
2009年に刊行された作品には、ドラマCDの脚本が収録されていましたが、今作品にはそれはなし。
すでに絶版になっている作品なので、初めて手に取られる方にはお勧めかと思います。さらにyocoさんが挿絵を担当されているという高ポイントはありますが、すでに旧版をお持ちの方はそれらを加味して購入されてください。
旧版の方でもレビューを書きましたが、こちらでも内容に触れたレビューを書こうと思います。ネタバレが苦手な方はご注意ください。
大国・ジオの若き帝王のルシアン。
帝王になるべくして生まれてきたようなオーラを纏う彼は、子どもの時から乳兄弟のキラを一途に愛してきた。
美しく聡明で優しいキラのことを周囲の人たちも認めてはいるが、けれどルシアンは帝王という立場であるために子をなす必要がある。しかし男であるキラには子をなすことはできない。なんとかキラをルシアンの逆鱗に触れることなく引き離すことはできないかー。
そんな状況のなか、ルシアンがキラの不貞を疑う出来事がおこる。
キラはルシアンのため。
そして周囲の人たちは、ルシアンをキラから引き離すために、あるいは自分の保身のために。
キラの無実は晴らされることなく、身体一つで追い出されてしまう。そして数年後、キラはとある理由から、再びジオに舞い戻ってきてー。
というお話。
今作品の初出は、なんと1993年。
吉原先生もあとがきで書かれていますが、昨今のBLというよりは、JUNEと呼んだほうがしっくりくる、そんな儚くも美しい世界観を孕む作品です。
なんだかんだ言っても、受けちゃんは幸せになるんでしょ?
という、そういったお話ではありません。
どこまでも、果てしなく、キラという青年は薄幸です。
ルシアンという攻めさんは、賛否両論ありそうです。けれど、彼のすべてはキラで占められていたのだと。私はそう思いました。
彼がキラを溺愛していたときも。
勘違いからキラを折檻し抜いたときも。
キラが去った後にマイラを娶ったときも。
そして、キラが国に舞い戻り再会したときも。
彼の根っこには常にキラという存在が横たわっている。
自分の間違いに気づいた時に素直に謝ることができないルシアンが気の毒でしたね。でもそこが、「帝王」らしくてブレがなくて個人的には納得しちゃうのですが。
そして一方のキラも。
彼もまた、全身でルシアンを愛し抜いたのだと。
彼は身を引くことでルシアンの帝王としての立場を守りたかった。子を成して欲しかった。
自分のことよりもルシアンを想うそのキラの想いに萌えました。キラはどこまでも強く、そして、綺麗だなあ、と。
読んでいて楽しくなったり気持ちがほっこりするお話ではありません。けれど、この作品の根底に常に流れているのは深い深い愛情です。
名作は、何年経っても名作なんだな、としみじみ思わせられる作品。yocoさんの儚い美しさが滲み出る挿絵も素晴らしい。
あともう一言言わせていただけるのであれば、ドラマCDも再販して欲しい…!森川さん×石田さん、って凄いよねー。プレミアがついて手が出せないお値段になってるんですよ…。
聴きたいー!
ということで、ぜひともCDの新装版も出して欲しいと切望しています。
JUNE世代の婆なので「ああこう言う雰囲気だった」と懐かしくなりながら、洗面所の鏡に映る自分の真っ赤な目を見て爆笑しました。
旧版のレビューを見て号泣したとあったので、覚悟はしていましたが中盤辺りから既に泣いて最後は嗚咽していました。
吉原先生もあとがきに書いていらっしゃいましたが、この作品を今の時代に出版するなんて出版社様はとても勇気があると思いました。
今のBL作品なら裏技を使ってどうにかする王家の跡継ぎ問題とかに、真っ向から挑んでいる作品です。どんなに思い合ってても周りが許さず、更には誤解や策略があり悲恋に向かって真っしぐらなんです。
ましてや終盤までこれでもかと攻めのルシアンがキラを憎悪して責め苛んでます。
そしてキラの諦念…。全てが今の流行とは違います。吉原先生の今の作風とも違うので、私も文体に慣れるまで四苦八苦しました。
私はお話の中に女性が出て来ると腹が立って仕方ないタイプなのですが、むしろこちらの作品の凄いところはルシアンの寵姫としてマイラという女性まででてきますが、彼女が念願叶ってルシアンと結婚しても全然腹が立たなかった所でしょうか?www
BLと言うジャンルに慣れていると、こちらの作品の救いようの無い展開と結末に戸惑う若い方もいるかもしれません。
スマホを使ってサクッと注文したり電子で直ぐに読める今のような時代と違って、本屋を何軒も回って目当ての本を必死で買っていた世代には堪らなく萌え沸るお話なのです。
でもね、1つ言えるならあの事件も起きず周りがキラとの仲を認めていたら、ルシアンはちゃんと女性と世継ぎも残して国を繁栄させつつキラと幸せに暮らしたと思ってしまうんです。
この考え方自体が既にJUNEからBLに変化してるんですよね。
吉原先生追っかけで購入。お話にめちゃシンクロして、絶対忘れなさそうと思ったので神にしました。幸せゲロ甘が正義と思っている方には難しいかもなお話です。笑う方ではなく、人を想う気持ちが、ふっきれています。
王城のある街に戻ってきたキラ。墓参りをすませ、懐かしい国で穏やかに過ごしたかったのですが、ルシアンに再び会ってしまい…と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
イリス(攻め妹)、マイラ(攻めの妃候補)、攻めの臣下たち。誰も悪くないけど、イリスがなあ……ツラい人生だ。哀しい。
++ 好きだったところ
受けが、忠義過ぎる。そして人生を達観している。そこが堪んなかったでした。攻めも受けにとっても執着していて、振り切っている。そこがスゴかった…。本当に人を愛したら、こんな風になれるのか…?と、ある種、とても羨ましい。こんな風に人を想えるのであれば、何かを引き換えにしてもいいかもなあと、本当に羨ましい関係でした。
ハピエンという定義に当てはまるとは言い難いお話ですが、二人の想う力の強さを思うと、絶対忘れないわと感じた一冊でした。
今まで刊行されたものは全部持ってるんですけど、yoko先生が好きなのでこちらも購入しました。
ままならないもの、どうしても壊すことができないもの、罪の定義の難しさ、そういうものを一切のごまかしがなくしっかりと描いています。
キラの魂の美しさがひたすらに眩しく、家臣と姫、そしてルシアンの愚かさは誰にも起こり得ることなのだと痛感させられて久しい年齢になりましたが、改めて読み返しても色あせることなく胸が締め付けられます。そしてラストの妖しい美しさ。そうそう、JUNEってこういうもの!と懐かしい気持ちにもさせられました。
どうか過去の作品だからと敬遠しないでほしいです。確かに今の甘いBLのような恋愛要素はありません。救いが見出せない人もいるでしょう。ですが、上質な文学を読み込んで裏打ちされた作者様の美しい文体や世界観、ストーリー、キャラクターたちは必ず価値ある読書体験を味わわせてくれると思います。
この作品を改めて世に出そうと思ったキャラ文庫さんの意気込みに拍手喝采を贈りたいです。
中身は、昔のままです。
でも挿絵がYOCO先生の壮麗な装丁風の挿絵に変わっただけで、今風に変身。
中古本で紙版を購入済みで、内容を知っているのに今更どうよ、と考えたのですけど、最新版の挿絵で再読。
耽美なキラの哀れな生涯を改めて味わいました。
著者がこれを描きたかったと、以前書いていた、
キラの幻と、王が馬に乗る場面、
やっぱりここはとても切ない。アニメ風にしても、宝塚風に想像しても、耽美。
キラが生きている間にもっと大事にしてほしかった。
★この本は、いつも有名な画家が担当して描いているんですね。
小島文美 先生
波津彬子 先生
yoco先生のイラストが素敵です。
名作でした。定期的に読み返したくなります。
何度も出版されているのがわかります。
詩的な文章と言い回しで読み始めはとっつきにくいのですが、慣れてくるとスルスル入ってきました。
内容は古い作品なので今の流行りとはまるで違くて、受けも攻めも可哀想すぎて読んでいて辛くなってしまう。作中はひたすら展開が過酷で、最後すら誰も幸せにならないで終わります。けれど憎みながらも惹きつけ合ってしまう人間と人間の深い恋情の形がこれでもかと詰まっていると思います。
個人的意見ですが、登場人物たちの心理描写や行動が不自然じゃないので死別エンドでもモヤモヤしなかったのかな?でも少しゾワっとしますね。凄いもの読ませてもらいました・・・。ありがとうございました。
同じお話で出版社を変えてもう3回目の出版ということでかなり名作なんだろうなと思い購入。架空のどこかの王国のお話なので古さを感じません。人気のyocoさんのイラストでスタイリッシュに新登場です。
壮大な叙事詩のような語りでBLというのを超えてすごいと思うし、小説としてのクオリティは高く余計な部分も足りない部分もなく完璧なので文句なしに神だと思いますが、可哀想すぎる内容が私の好みじゃないので一つ評価を下げました。BLじゃなくてJUNE時代の作品だしタイトルに鎮魂歌ってついてる時点で気づくべきでした。
でもBL3大悲劇と言ってもいい位良くできたお話だと思います。「間の楔」とあと何だ?何かあるはず。この物語はどこまでも傲慢な攻めと不憫すぎる受けっていう悲劇の他に、攻めの妹や家臣達が真実を知っているのに攻めの怒りの誤解を解かないまま、国の大義のために立場の弱い受けを「お前さえ黙っていてくれれば」と生贄にして見殺しにした悲劇があります。信頼していた人達が誰も自分を守ってくれない事を知った時、受けは辛かっただろうな。
家臣の1人は良心が咎めるとか反省するような事を言いながら、攻めの結婚式で何か吟遊詩人として歌ってくれ、とか限りなく残酷な事を受けにお願いします。酷すぎる。まあ最後、攻めも気が触れてしまったようだし傾国の終わりの始まりだと思います。攻めも周りの人々も末代まで呪われるがいいと思います。
受けは優しいのでそんな事しなさそうだけど、受けの父親って母は明かさなかったけど前国王だと私は思ってるので。攻めとは血の繋がりもあって惹かれあったのかなあなんて想像します。
追記…読み取り間違い。家臣は結婚式で歌え、とか言ってなかった。さすがにそこまで鬼畜じゃなかった。でも「魂の伴侶はまた巡り会える」とか慰めのつもりでも気休めだなあと思う。他人がそれを言うか。キラは生まれ変わったらもっと性格の良い、人の話をちゃんと聴ける賢い人と巡り会い、幸せになってほしい。好きな人は生きてるうちに大切にしなきゃ。
やはり自分にはJUNEよりハピエンBLの方が合ってるなと思いました。今作が悲劇の名作というのは間違いないですが。
お話自体はルシアンとキラのなんとも悲しい物語なのですが、24年組と巷で言われるものに近い気がしました。
元々、ファンタジーというか外国王国ものがあまり好きじゃないせいもあり、美しい、悲恋が合わなかったのだと思います。
何となく古典を読んでる感じ(苦笑)
今のなんでもラブラブ、ハピエンな軽いヤツも読み応えないですが、リアリティを求めだしているとやはり物足りなかったかな。
小説としてはお力のあるもので途中放棄するようなものではありません。萌えなかったってことですね。
風と木の詩をお好きな方は良い作品だと思います。
レビューの評価があまりに高かったので、好奇心でCDともども買ったしまいましたが失敗。
キャラクター設定とストーリーがあまりにも酷い、酷すぎる。
受けのキラは少女趣味の属性の全部盛り。
攻めのルシアン王もまた少女趣味のハイスペック属性全部盛りだけど、性格悪すぎ、粘着質で暴力的。自分で物を考えず間違いに気づいても改めない。それを愚かという。好きな相手の気持ちを知ろうとせず、話を聞く気もなく、カケラも信用もしない。感情抑制できずひたすら暴力を振るう。つまり恋人としては最低最悪。
多少の怒りの爆発は、愛するあまりということにしても、距離と時間をおいてもさらに執着に拍車がかかるとは、あまりに偏執的で常軌を逸している。ストーカータイプの危険人物です。ほかの登場人物もキャラクターが平板、王の周囲の人間が全員一致で嘘ついて、それが明らかに失敗で、キラを犠牲をしたことに罪悪感じても何もしない。誰ひとりとして自ら状況を打開しようとせず、中途半端に流されるからすれ違いが起き、偶然に目撃されたとか、偶然に立ち聞きしたとか、偶然に手紙を盗み見したとかが話の転機となっており、陳腐なだけで面白くない。
とにかくキラは生まれつき不幸、苛められて育ち、偏執王に目をつけられたのがさらなる不幸の始まり、一方的に愛を押し付けられ、邪推され、暴力を振るわれ大怪我を負い、追放され、流浪の生活で病気になり、衰弱した体で死に場所を求めて国に帰ってきてからも王に侮辱され、殴られ、強姦されます。王は、さすがになんか変だと思うけど、それでも自分で確かめようとせず、偶然に間違いに気づいたあとも自分のことしか考えず、流れに乗って他の女性と結婚、主人公キラは報われることなく野垂れ死に、登場人物全員が不幸になりました、おしまい、という話でした。背景設定は作りこまれていて魅力的なのに、なんでこんな後味の悪い話にする必要があったのか、もったいない。乙女漫画的な悲劇としても昭和のセンスでした。