この頃の古い作品は、言葉使いや発音がとてもきれいです。
同じ職場のサラリーマンの上司部下もので、ストーリーはそんなに極端な展開があるわけでもないのですが、その分リアルな感じで、トンデモ設定よりはずっといい。
一条さんの神秘的なまでの美声に聞き惚れるには最適の一枚かもしれない。
高橋さんも若々しく爽やかに好演しておられて素敵。
環境音もBGMも丁寧にいれてあって聞き心地がよいので、けっこうリピしてます。
堀内さんと小杉さんが脇を固めて、緑川さんがチョコっとはいって、鈴木千尋さんがまさかの悪役。控えめで上品な濡れ場も耳福で、ごちそうさまです。
これの続編も買っちゃいました。
分別のあるストレートの大人同士の恋。
黒田さんの年下攻めは珍しいし(ほかに知らない)、遠近さんはこんなに素晴らしいのにBLCDのメインの出演作がほとんどなく、レアな作品です。
黒田さん独特の怜悧で情熱的な声が、軽やかで快活で、人を引き付ける圧倒的な輝きのある人物を描き始め、会社の同性の先輩への尊敬が「好き」から「欲しい」に変わり、そうとなったら恋愛体質にスイッチがはいってボウボウ燃える様を表現されていて、刺激的でおいしいです。
そして遠近さんの上品で強さと知性の備わった温かい声が、真っ直ぐで恋愛センスがやや未開発な年上を演じておられます。こういう淡白といわれる男性は現実にもよくいますが、いったん心に火がついたら自分にも相手にも正直に、色んなものを一気に乗り越える勇気のある人は珍しい。同性に惚れられるだけのことはあります。
特殊な人物設定や異常事態は全くなく、ありふれた職場のシチュエーションで普通の大人が日常的に会話しているように物語が始まるものだからリアルな感じがして、聞き始めてすぐに物語にはいりこんだところに、次第に感情のうねりが加わってエロチシズムに高まっていく様を声優さんが見事に演じられています。美声祭りであるのみならず脚本の言葉遣いもきれいだから聞いていてとても心地よかった。絡みのシーンでの遠近さんの上品さにも萌えました。こういうセクシーってコドモにはわかるまい。買ってよかった。大切にリピします。