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noraneko no shokutaku
2カプ分のお話が収録されてました。繋がりは無くはないけど、ストーリーに絡まない程度。それぞれページ数なりのあっさり感でした。
表題作は再会した元バイト仲間の鈴屋にご飯を食べさせる、お人好しの潮田が主人公。ふらふらしてて謎めいてる鈴屋のキャラがとても良かったです。一人で真剣に悩んで潮田に頼りたいけど我慢するところとか、実はバイト時代から…!?ってこととか、きゅんきゅんできるところがいっぱいでした。3つの髪型が楽しめるお得感もあったし笑。ラストが特にカッコ良くて最高。
ただ、ゲイじゃない潮田が押して引いてされただけで鈴屋に惚れるのが簡単すぎて、ちょっとそこは引っ掛かりました。1冊分このカプでじっくり読ませて欲しかったです。
後半は写真が趣味の大学生とカフェ店長のお話が読み切りの連作で。水上の口調が迷子で集中できず…ストーリーが印象に残らず萌え度も低めでした。
描き下ろしは2カプのその後。やっぱり表題作の二人が好きだな~と思いました。
読む前に期待したよりもずっと良かったです。
中編が2つ。
ある日イケメンを拾うというBLにはよくある設定。なんとなく掴み所がなく、でもちゃかしつつもおずおずと懐いてくる。まるで猫を拾ったようです。
一方、“猫”を家にあげてしまうくらいなので、拾った方の潮田は結構まめで、料理も得意な世話焼き。
そんなまっすぐで潮田のことを、好きになってしまう鈴屋。節操がないように見えて、本心を明かさない臆病な猫。
その猫が、一念発起して自分の人生と向き合うという展開がすごく良かった。ささりました。
他に、オムニバスで、のらくらしたカフェ店主と、元気なワンコのお話もあり、こちらもワンコくんがまっすぐで良かった。
他の作品もよんでみようと思いました。
「よつもじ。」の暮先生の作品。
「よつもじ。」と同じく、ほのぼのと。エロ度低く。
大きく2作品収録です。
「のら猫の食卓」
独身リーマンの潮田が主人公。
ある夜。家の前で空腹でフラついていた男を助けたが。
その男は、以前のバイト仲間の鈴屋で。
潮田は鈴屋を家に入れてご飯を作ってあげる。
…そこから、つかず離れずの2人の日常が描かれます。
ふらりと食べにくる鈴屋。
鈴屋の好物などを用意してしまう潮田。(もちろんBのLはナイ)
でも次第に……
…というお話。
一応定型的。暮先生の丁寧な語り口で物語にリアリティが加味されていきます。
2人の心が寄り添ったところでエンド。
「スレートブルー」
「空と灰青」
大学生でカメラが趣味の伊崎は、いつも自分の写真をお店に貼り出してくれるカフェのマスター・水上さんがな〜んか気になる。
ある日、隠し撮りしていた写真を見られてしまい…
水上さんは、表題作の潮田のバイトの先輩です。
かなーり年下の伊崎からまっすぐ好意を寄せられて、ちょっと大人の余裕?つかず離れずの距離感を保ちつつの、決定的な告白は言わせずに。
でもやっぱり若者の一直線は眩しくも一途で、観念する水上さんです。
2作品ともどぎついエロは一切ナシ。
「よつもじ。」の世界観のファンの方にも大いにおすすめ。
世話焼き気質の潮田はある日、腹を空かしてふらふらしていた元バイト仲間の鈴屋と再会し、食事をごちそうします。
それからというもの頻繁に家に来てご飯を食べて行くようになり、ごちそうのお返しにと迫ってくるのに、構おうとするとふらりと離れてしまうほんとにのら猫みたいな鈴屋。
そんな鈴屋に潮田は調子を崩され絆されていくのですが…。
なにかしらあったのであろう鈴屋の背景は掘り下げられることはなく少し気になるところでした。
同時収録の『スレートブルー』『空と灰青』の大学生の井崎とカフェマスターの水上のお話のほうが好みでした。
水上の灰青の瞳の表現が綺麗です。
井崎のそばかすが『空と灰青』の時はほとんどなくなっていたのが残念。
どちらもお話しも感情の大きな起伏があるのではなく淡々と進みます。
なのでL部分もすごく控えめ。
エッチシーンは表題作はキスのみ、同時収録作は朝チュンですが少し回想シーンがありその一コマの水上の瞳の描写が素敵だなあ、と思いました。
静かな気持ちでゆったりと読める作品でした。
表題作と同時収録。
2作品が収録されていると、どうしても1作品の容量が少ないので、物足りなさを感じてしまいました。
物足りなさはありますが、しっかりと1作品ごとにきれいにまとめられていて、楽しむことができました。
個人的には、表題作が一番好きです。
再会からの絆され。
この攻めの絆され具合が、気まぐれな猫に振り回される人間のそれで、そのはまり具合に萌えました。
気まぐれな猫は、本当に気まぐれ。
けれど攻めと一緒にいるために、ちゃんとした仕事をしようとするくらいには、しっかりした子でした。
とくに悪いことはない、優しいお話で安心して読むことができました。