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強いて言えばこの一冊の中で描かれているのは
衝動の言語化なのかも知れません。
受攻が一応割り振られているにしてもそれは多分
結果論でしかなく、欲を一瞬感じたと言う点で
きっと彼らは共犯者なのでしょう。
その共犯の責任をどう扱おうかと言う惑いが、
個々の作品の結末を導く鍵なのやも知れません。
松下キックさん初読みです。
かわいらしい短編集でした('∀'*もゅ
表紙から女装っこもの?なんて思ってたんですがそうでもなかったw
□夕闇、初恋、掌に青
つれてこられたのは古い洋館
そこには自分と年恰好が同じくらいの少年がいて
そこにいる間、自分たちは人形として扱われる。
自分の意思をもたない人形
そのうちに、自分が人間であることを忘れてしまうのではないかという恐怖。
同じような環境で触れ合う人というものの存在。
それはいつしか恋にかわり~・・・!?
閉鎖された空間で、同じような状況におちったらやっぱり人は感覚が麻痺してしまうんだろうかなと思う。
性犯罪どうちゃら~と考えたらまぁ・どうなんだろうというところではありますが、その後の二人が案外幸せそうなのが良かったです。
ホワンとちょっと幸せな気持ちを頂きました。
□おかしなあのひと
あれ!?そっちが受!?でも有りだなww
とちょっぴりときめいてしまったワタクシでした。
こういう初心な子好きです
他短編いくつか
ちょっと古めのも多いかな。
松下キックさんの短編集は、ご自身の好きなドールだったり、サッカーだったりをモチーフにした作品がいくつか入っています。
余計な解説めいたモノローグや具体的な動きがなく、いきなり場面が転換したりして、空気を読んでください的な雰囲気系ストーリーで構成されているような気がします。
表題は、何の記憶もなくいきなり主人の元に”人形”として仕えることになった少年のお話。
人形といっても、本当に着せ替え人形なだけなのです。
先に人形として存在していたキトと、人形ではなく人間として生きたいと願うことから繋がることになるのだが、それが主人に見つけられた時引き離されて・・・その後日談が『耳鳴り』で描きおろされている。
作者がドール好きな為、そこから発想を得て造られた物語らしく、深い意味はないのだと思う。
多分に、人形はこんなことを想っているんだろうな?という妄想の産物と捕えたほうがいいのかもしれない。
他には、先輩の泣く顔がみたくて執着する後輩、自分を意識する同級生に身体で感情表現をせまる話、友人への秘めたる欲望、タレントと記者、サッカー選手と記者の話がある。
この本の中で唯一わかりやすく、作品として読みやすいと思われるのが『定例妄想発表会』かもしれない。
いつも居眠りばかりしている先輩が、その時流している涙の訳が知りたくて、好きになってしまう後輩。
その妄想は膨らんで・・・な妄想話だが、以外に現実も伴っているかもしれないね。という話。
全体を通して素通りして流してしまいそうな本なのに、何故か読後も印象が強く残り、手放せないでいる一冊です。
独特な世界観と人物設定ですよね。
1冊を読んで思ったのは、彼らの気持ちやその後がどうなるのかは、読者に託す的な雰囲気。
見 せ る と い う よ り 、 魅 せ る 。
という印象。絵より、言葉の言い回しに心を打たれた。
Hは結構あって、細かく描かれてはいると思うが、そんなにエロさは感じませんでした。
表題作は暗い雰囲気だけど、健気に生きる二人がせつなかった。
幸せなのか、そうじゃないのか、好きなのか、そうじゃないのか、もどかしい思いです。悶々です。
ただ、話は良いけど受けが女っぽくて苦手で㌃。
読み直せば読み直すほど、深くて面白い1冊だと思います。
初読み作家さんです。
短編集なのですが、不思議な雰囲気を持った作家さんだと思いました。
台詞は少な目で絵柄もシンプル。
画面に描かれていない想いをくまなきゃいけないんだろうなぁと思いながら、中々登場人物達に感情移入出来なくて、ちょっと分かりにくい印象で終わった作品がいくつかありました。
それでも表題作シリーズは切ない感じで一番好きでした。
あとがきによると舞台は日本らしいですが、主人公2人が人間なのか人形なのか、その狭間を彷徨っているようで独特の設定で興味深かったです。
一番分からなかったのは、雑誌記者とサッカー選手のお話。
主人公達以外にもう一人サッカー選手が登場するのですが、この3人の人間関係がいま一つ掴めませんでした。
ラストに収録されている文芸部を舞台にした「定例妄想発表会」も中々面白い作品でした。
これはどちらが攻め様?と読みながら何度か確認(笑)。
どうも攻め様、受け様が作家さんが思っているのと逆になる時があって、意表を突かれました。