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sore wa himitsu no hou ga ii
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
連載マンガのように少しずつ読み進めていったのですが、それが思わぬ効果を発揮してくれたみたいです。真宮と伊沢の関係がどう展開していくのか、全く読めなくて。えっ?伊沢ってどんなヤツなの?真宮可哀想だよーなどと時間をおくたびに妄想が高まり、続きを読むのが楽しみになっていました。
前半の表題本編は意外にもエロみ強め。高校生のエロさはファンタジーですよね…。DKものの醍醐味は、その年代特有の振り幅じゃないかな。ピュアっピュアから闇堕ちまでなんでもアリなんです(個人的に)。作者の趣味や性癖が出やすいのもおいしいです。近年、DK小説がレアなような気がするのでおもにコミックで楽しませていただいていますが、また学園ものがリバイバルしたら嬉しいなと思っています。
本編は一応ハッピーな結末で終わってしまい、正直拍子抜けでした。ですが、後半の「だから一緒にいればいい」こそが物語のコアなのだとわかるとやっぱり渡海作品だった!と大満足させていただきました。
少年(女)から大人への過渡期は、彼らの生育環境と密な家族との関わりが外せません。伊沢が育ってきた家庭は、真宮がいうように恐怖以外の何物でもありませんでした。伊沢はコントロールできない性癖をちゃんと自覚していて、それはいけないことだと咎めて欲しいのに、両親は息子のネガティブな部分を認めようとはしません。なのに、優等生すぎてつまらないと陰で貶めている。…ほんと、ホラーなんです。
どうしようもなくタチの悪い伊沢を好きになってしまったのが、ある意味おぼこ過ぎる真宮だったのも説得力がありすぎて、読後、生々しいカップリングだったな…と反芻してました。二人の関係性はBLだから距離をもってフィルターをかけて読めるんです。もし男女カップルだったらなぜ二人が惹かれ合ったのかリアルに想像がつく。そこが好悪を分けるところかもしれません。恐ろしくリアルなんですよ…。
彼らの年齢から時間的にも距離ができているわたしはノスタルジーをもって読めてしまったので、前半はコミックで得られるようなちょいダークエロが楽しめて、後半に攻めの闇が敷衍されていく裏面がセットになっている点にゾクっとする面白さがありました。古典的なようでいて、現代流にバージョンアップされている。身代わりジェラシー要素もあったりしてキチっと萌えも取りこぼさず。最後のリベンジもホラーみがあってなんとなく不穏だし、ぜひ続きが読みたい…二人の社会人編がとっても読みたいです。果たして関係性に変化は訪れるのでしょうか。
最近、出版社側の思惑がチラついて好きな作家様の作品を素直に楽しめなくなりそうだったのですが、この作品を読めて本当によかったです。こういうのを好きな人に届くといいなっていう作者の思いを知り、思わずハイハイハイッッッ!!ここ!ここにいますっ!!て挙手したくなりました。どうも色々とメインストリームから微妙に逸れて脇道を邁進してそうな自分の趣味に悲しみを覚えていたので、俄然元気がでました。お話自体はものすごく明るいわけではないんですけどね笑
イラストが最高でした。
今回はイケメンな人気者と地味なガリ勉のお話です。
受視点にて大嫌いだった攻様が大好きな相手になるまでと
攻視点よりにて恋人同士になってからの続編を収録。
受様は小さい時から女の子のように可愛い顔立ちを
周りの男子に揶揄われて虐められた事から
小中と散々な目に遭ってきました。
高校に進学してからは目立たないように
身を縮めて顔を伏せて過ごしています。
そういった事もあり、うるさいものや派手なもの、
集団になりたがる目立つ生徒を嫌悪していました。
中でも同じクラスの攻様が苦手で大嫌いです。
攻様は試合に出ると負け続けの高校を
市内大会優勝に導いたバレー部のエースで
長身で顔も良くて女子生徒にモテるだけでなく
面倒見も良い事から男子にも好かれています。
だからある日の放課後、
忘れ物を取りに帰った教室で攻様が
髪の長い女子生徒と抱き合っていた事に気付いた時も
空気を読まずに入り込もうかと思いますが、
攻様が抱き合っていた相手が
3日前に分かれたばかりの元彼女だと気付き、
受様は急激に色々な事が腑に落ちました。
受様の元彼女は
物静かで近寄りがたい雰囲気の飛び抜けた美人で、
なぜそんな彼女が自分に交際を持ちかけてきた事を
受様は不審に思っていたのです。
受様はどうして俺なのかと違和感が拭いきれず、
1度デートしたものの2週間で受様から別れを切りだすも
彼女は淡々と受け入れただけでした。
攻様が地味で根暗な自分を弄ぶために唆したのかと
血の気の引いて悔しくて情けなくなる受様の前で
攻様は彼女にキスまでしたのです!!
受様は引いた血の気が一気に戻り
ポケットに入れてあった携帯電話でその場を撮影しますが
2人が振り返りそうにな気配に狼狽して逃げ出します。
受様は思いのほか鮮やかに取れた写真に傷つき、
攻様がこの先彼女といるところを見るなんて許せず
その写真で攻様を追い詰める計画を立てます。
受様は攻様に彼女と付き合っているのかと聞きますが
攻様は「彼女の了承もなしに答えられない」と言いながら
「好きとか、そういうんじゃないと思う」と言いだし、
受様は自分ばかりか彼女も弄んでいるのかと
「攻様の秘密を握っている」と怒りのままに
携帯電話の写真を突きつけました。
受様は攻様を困らせようとしたのですが
攻様は「よく撮れてんなぁ」と感心した素振りながらも
焦った様子は全然見せません。
受様には校内でキスするなんて十分な醜聞ですが
経験値が低すぎる受様には判断がつきません。
もしかしてこの程度は当たり前の事なのか!?
と思い始めた受様でしたが
攻様から「ばらまかれたら困る」
「何でも言う事を聞くからやめてくれよ」と言われて
溜飲が下がります。
とりあえずは自販機で飲み物を交わせた受様でしたが
攻様に『何をさせるのが効果的か』が全く思いつきません。
果たして受様の復讐劇はせいこうするのでしょうか!?
雑誌掲載作のタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で、
誰にでも親切で人気者な攻様といつも一人でいる受様の
誤解から始まるラブコメディになります♪
本作は「小説デイアプラス」にて特集された
渡海先生のデビュー20周年記念特集号の収録作ですが
あとがきによると記念なので
何を書いても良いと言わて好き嫌いが別れそうな話だけど
デビュー前後によく書いていた感じの高校生もので
最近だと絶対に書かないようにしているタイプの
お話を書かれたのと事。
それを読んで思わず納得したくらい
キャラクターの性格と設定の絡まりと捻り具合が
とても渡海先生らしいお話でした。
確かに本作の攻様って本来の性格を修正して
性格がいいように見せかけているという
すごくひねくれたキャラクターだし、
受様は人よりも出来る面があるのに
弄られて虐められた過去から本来の素直な性格が
かなり歪んじやってる感じなので
かなり好みが別れるだろうなとは思います。
受様と攻様の脅迫関係は攻様の言動であっさり上下し、
攻様と件の彼女の関係性も訳ありで
どうやって受様が攻様に恋をすることになるのか
そしてどうなったらハピエンになるのかと
ワクワクと楽しく読ませて頂きました。
続編で攻様事情が見えた事でちょっと
というよりかなり攻様が可哀想になりましたけど
受様の意外な強さが見え、
それが攻様の救いになればいいなと思いました。
雑誌掲載の表題作と、書き下ろしの続編でした。
DKものですが単純なお話しでないところが面白かったです。人によっては好みが分かれると思う内容でした。予備知識無く読んで欲しいので詳しくは書きません。
初めは攻めの伊沢を不気味に思いましたが、書き下ろし続編を読むことで彼が不憫に思えて仕方ありませんでした。
もう彼の親が怖くて仕方なかったです。
そして彼なりの後悔や懺悔を知って、間宮という恋人が出来て心から良かったと思えるのでした。
間宮も伊沢と付き合う事によって、他者と関わる事を学び成長していました。
伊沢の全てを知って愛する間宮が男前です。
出会うべくして出会った2人だと思います。
表題作より書き下ろしの方が好きでした。
それから2人の大学生編も是非読んでみたいと思いました。2人がどう変わって行くのか知りたいです。
冒頭受けくんがだいぶ拗らせてるぶっとんだ子なのかな?という印象だったんだけど、学校内で人気者の攻めにもどうやら秘密が…という展開でございました。いやぁ攻めがだいぶヤバかったぞなかなか強烈な攻めだった…!めろちゃんまじ気の毒南月ゆう先生の挿絵最高でした
学校一人気者(偽りの姿)とぼっちな秀才の割れ鍋に綴じ蓋カップル
女顔なのを幼少時からからかわれ続け他人とのかかわりを避けるようにボッチを貫いていた真宮(受け)は人当たりがよく運動も勉強もできる人気者の伊沢(攻め)が大嫌い。
そんな伊沢が2週間ほど付き合って別れた(まだ3日ほどしかたってない)元カノと放課後の教室でキスしているのを見て、逆上し脅してやろうと写真を撮ります。
でも、いざ脅そうとしても脅す内容がわからずしどろもどろに・・・
初めはコメディなのかと思いました。真宮は脅そうとしているのに、人がいいから全然脅せてない。
困らせるはずなのに傷つけたんじゃないかと気を遣ったり、どう見ても伊沢にからかわれているようにしか見えないのに、脅しているつもりで満足しているし。
読んでいて何やってんだと呆れてしまいました。
そして伊沢はとてもよく周りを見ていてすごくいい子なのかと思ったら、なんか不穏な感じがして、周りをさりげなく支配というか自分の思い通りに誘導している感じがすごく怖い。
そしてそれを誰も気づいていない(例外が一人いましたが彼女もまた異端だったからこそ気づけたのでしょう)
結局、勘違いに勘違いを重ねた(伊沢によって重ねさせられた)真宮の暴走もあって、めでたく二人は付き合うことになるのですが、なんとも不思議なカップルでした。
まぁ、当事者同士が納得の上だからいいのかな。
中編2編で成り立っており、前半は特に伊沢が何考えているのか理解できなくて気持ち悪くて怖くてどうにも好きになれませんでした。
が、後編で伊沢の家族が登場したことで腑に落ちました。
前編はすべて真宮視点でしたが、後編は時々伊沢視点が入ります。
これによって、伊沢の家族が登場するのですが、これが気持ち悪い。
読んでいて、これは台詞があってそれにそって喋っているのだろうかと思ってしまうくらい、ドラマのようなのです。
それもはじめは両親は素でホームドラマの夫婦のような人なのかと思っていたので、こんな家族だったら窮屈でも理想の息子を演じないと仕方ないのかなと思っていたのですが、蓋を開けてみたら、お互い分かっていて理想の姿を演じているだけの夫婦という。
コワイコワイ(∩´﹏`∩)
伊沢は、家がリアルホームドラマ家族だからそう演じるしかなかったというより、そう演じることを強制されていたというかそういう風に誘導されていた。
読んでいて違和感がありました、家事完璧な理想の母親とかいっているのに、伊沢はいつもコンビニ弁当。
他人を卑下するような言動・・・
お互いそのことをわかっていて夫婦やってるようなので当事者的には満足なんでしょうが、巻き添え食らってる伊沢は気の毒です。
両親ともが要領よく何でもできてしまう人達で伊沢は二人の能力や気質を受け継いでしまったのでしょう。
でも、早くに自分たちの異常に気付き、そうならないように自省しようとできる伊沢はそのせいで自己嫌悪に陥ってしまったりきっと色々悩んだのだと思うと伊沢は伊沢でとてもかわいそうな子だと思いました。
両親が伊沢のことを貶していた時は、あなた達の遺伝子きっちり貰って、要領よく生きてますからーって言いたくなった
裕福な家のようなので伊沢が大学で家を出るのは可能そうなので、きっと高校を卒業したら異常な家族から逃げることができるでしょう。
そして、真宮の目立たないスキルも凄い。成績に響かないようにやっているふりして目立たないのはまさに職人技。運動神経があまりないのと人とのかかわりが苦手なのは仕方ないとしても、どちらもスペックは高いので二人でいれば鬼に金棒でしょう。
大学に入ればもっと人とのかかわりは希薄になるし、二人とも息を思いっきり吸えるようになるのではないでしょうか。
数年先の二人がどんな感じが非常に気になります。
二人の話というよりは、伊沢の家族が気持ち悪かったので、すごく気持ち悪いというのが印象に残っていますが、伊沢は真宮を見つけられてよかったねというのが最終的な感想です。
先生のあとがきにもありましたが、これは好みが分かれるかなあと思います。
残念ながら、私には合いませんでした。
でも、評価が分かれる作品って、人によっては良作だったりもするんですよね。お好きだという方も多くいらっしゃるかと思います。
以下、ややぼかしながらのレビューです。
きっと、ここが萌えどころだったり、受けを可愛く感じる部分なんだろうなと思える描写も沢山あるんです。
ただ、お話を読み進めながら頭で冷静にそう考えてしまう度にしおしおと心が萎えていってしまいました。
なんというかな。個人的には、読み進めながら自然と「萌えた〜!」と、自分のIQが下がっていくのが理想なんですよね。これは完全に好みの問題です。
学校という狭いコミュニティの中で、知っているようで表面しか知らない、クラスメイトの見えない部分。見えていたようで見えていなかった部分。
この辺りの登場人物達の内面の描き方は面白かったですし、分かりやすく拗らせている受けと比べて、分かりにくく屈折しまくっている攻めの図にはおっ!となったんですよ。こういう人のお話は好き。
どちらかというと、前半よりも後半の方がなんとも言えない苦味のあるお話で好みでした。
真宮は後半の方が可愛かったかな。反対に、伊沢は前半の方が好きかも。
外からは決して見えない理想の裏側が怖かったり、タイトルにもある「秘密」が効いていて、なるほどこうきたかと思ったり。
しかしながら、萌えたかというと否かなと。
伊沢の掘り下げは良いのだけれど、一部の題材がかなり苦手なものでした。中立と迷ったものの、ここで評価が下降。
相手側のことを思うと、かわいそうだね良かったねとは思えなかったのです。
面白い部分もあったのですが、今回はこちらの評価で。