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表題作と続編の中編2作品が収録されています。
本の裏表紙と同じ「あらすじ」では飾沢(攻め)が主人公っぽいのですが、どちらも紺野(受け)の視点でストーリーは進みます。
「ブリリアント」はある理由から逃げる紺野を飾沢が追いかけて恋人同士になる話、「グレイス」はその後の不安になる紺野の話です。
紺野の理由やアレンの正体は王道的な展開で先が読めるのですが、画家であることを求められているのに叶えられないという紺野の心情がとても切なかったです。
続編では、飾沢が単なる画家であれば問題にならないのに、東和グループの後継者であることや婚約者の訪問、友人・春川の分かりやすい優しさに惑う紺野に共感できました。
飾沢は俺様なのですが、悪気はないですし、反省もするので好感が持てました。イラストの「眉間に皺」比率が高いキャラでした(笑)なお、紺野の失った腕は上手な構図でカバーされていて描かれてなかったです。
タイトルの「ブリリアント」は輝くとか才能があるだという意味だと内容にぴったりだと思いました。タイトルを直接使った場面がないので、カタカナに弱い自分には自信がありませんけど。
俺様×健気の良いライバル同士がお好きな方にお勧めだと思います。
画家だからこそというストーリーが素敵でした。
攻・飾沢由哉(29) 日本画家 東和グループ総帥の息子
受・紺野八潮(27)
飾沢は逞しい身体と全体で捉える絵を描く。
紺野の画風は細かく書き込む「繊細」な画風。
2人の出会いは画壇の新人賞。
飾沢の周囲には「金で賞を買った」と貶す者か、取り入ろうと媚を売る者しかいなかった。
そこに同時に受賞した紺野からの「作品を買いたい」との申し出。
初めは、コイツも自分に取り入ろうとする人間なのだ、と思っていました。
しかし「自分の限りある金で買うのだ」という真剣な言葉と表情に、落ちました(笑)。
それ以降2人はライバルであり親友であり飲み友達になり、6年後です。
2ヶ月間も飾沢に黙ってアメリカに行っていた紺野。
飾沢が空港に迎えに行くと、紺野はアメリカ人青年・アレンを同行していました。
そして四紀展の締切日、紺野が作品を提出しなかったことを知り飾沢が怒鳴り込んできます。
紺野はアレンを「恋人」と紹介します。
「恋人といることが楽しくて、絵なんか描いてられなかった」という紺野の台詞にショックを受けますが、飾沢は「親友を大切にしてくれ」とアレンに頼み、「絵を描くことはやめないでくれ」と紺野に請う。
「絵を描くことをやめない」と言った紺野は、本当に絵を描きはじめますが…それは彼にとって最後に描く絵でした。
紺野は日本を去ろうとしていました。
そのために画集を出して印税を得、今まで描いた絵を売り、マンションを売りました。
必要な資金…手術費用を貯めていたんです。
紺野の利き腕には悪性の腫瘍が。
神経を傷つけずに切除できない部分に腫瘍があり、生きるためには切断しか方法は無い。
画家である彼にとってこの決断は残酷です。
ましてや飾沢に、
「俺の側にいろ、俺から離れるな。お前は俺のために、絵を描き続けるんだ!」
と言われてしまったら、逃げるしかないですよ。
飾沢としては「恋心が自分に向かないなら、せめて紺野の絵だけは自分のものに」という意味だったと思うんです。
飾沢から逃げアメリカで腕を切断して帰った紺野は、都会から離れた地に住まいを構えます。ひっそりと新しい人生をはじめるはずでしたが、飾沢は全てを調べ尽くして紺野の元にやってきました。
腕と画家としての生命は失ったけど、恋をしっかりと捕まえたお話です。
紺野が最後に描いた絵…思いの丈をこめた絵については、作品を読んでいただけたらと。
同時収録の「グレイス」はその後。
腕を失った紺野を甘やかすことなく愛しむ飾沢がイイですよ~。
いい男だ。
紺野も自身の葛藤を乗り越えて飾沢と生きようとするのです。
もたれあうのではなく、支えあう関係。
自立した恋人たちです。
このお話は、ちょっと切ない、日本画家で、
活躍している、ライバルな二人、まだ恋愛にいっていない、
でも、恋ししていた、受けの紺野。
そして、お金持ちで才能のある、受けの飾沢、
どちらもが、自分にない魅力を、評価し合って、
ともに歩んでいきたいと思っていたが、突然、紺野がリタイヤ、
それは、腕を落とさなくてはならないほどの、病気にかかる。
引き際を、知っている紺野が、姿を消して、
恋に気づく、そして二人が、結ばれる。
飾沢の、思いやりはなかなか、紺野には理解できず、それからも、
誤解としっとで、壊れそうになるが、上手く仲直りでき、
幸せになってもらいたい。
こんな作品の、女の人って、いじわるが多いですね、
気分が悪い人でした・・・・!女って敵です。
このころの、麻々原先生のイラスト大好きです。
火崎さんも麻々原さんも好きな作家さんなので、期待して読みました。
理由も告げず突然姿を消した若手画家の紺野が2カ月ぶりにアメリカから帰国するところからストーリーは始まります。
密かに身辺整理をし、都心から姿を消した紺野を見つけ出したライバルの飾沢は空港に迎えに行くのですが、紺野の側にはアレンというアメリカ人が付き添っていて、紺野の恋人だと告げられます。
紺野視点で語られているのですが、冒頭から何かを隠しているというのが伝わって来て、それが何なのかが気になり、早く先が読みたいと思いながら一気に読みました。
なんとなく予想はつきましたが、紺野の覚悟が固くてなかなか崩れなかったところがツンデレでしたね。
飾沢は実家がとんでもない富豪で、金の力で何でもできると思っている傲慢な所があるのですが、紺野に関しては思い通りに行かず、それが却って紺野に対する執着心を煽っている感じでした。
紺野には決して嘘はつかないと言う飾沢が強くて頼もしい攻め様でした。